あらすじ
奈良県での演説中、元総理が射殺された。その場で捕まった男は動機として、ある宗教団体と元総理との繫がりを主張。だが、この事件を単独犯と考えるには多くの不可解な点があった――。致命傷を与えた銃弾の紛失。容疑者の発砲とは逆方向から撃たれた銃創。事件発生から五日間も行われなかった現場検証。警察は何を隠しているのか? 真犯人は誰だ?
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Posted by ブクログ
元総理が射殺された。捕まった男は動機として、ある宗教団体と元総理との繋がりを主張。日本を震撼させた2発の銃弾。あの日、銃を握っていたのは、彼一人だったのか?
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【あの日、奈良の空の下で何が起きたのか。フィクションの仮面を剥ぎ取り、国家のタブーに切り込む衝撃作。】
2022年7月8日。日本中を震撼させた元首相暗殺事件をモチーフに描かれた本作。作中の人物名こそ変えられていますが、地名や海外の政治家などは実名で登場するため、まるで「ノンフィクションのようなフィクション」を読んでいるかのような、生々しい錯覚に陥ります。
物語の視点は加害者側に置かれ、標的をいかにして暗殺するかという過程が、冷徹なまでに訥々と語られていきます。連日の報道で耳にした様々な説や動機が、パズルのピースが埋まるように物語へ組み込まれていく様は圧巻。読み進めるほどに「本当にこれがあらすじだったのではないか」と、現実と虚構の境界線が曖昧になっていく恐怖を覚えました。
当然、現実の事件の真相が今なお深い闇の中にあるように、本作もすべてが白日のもとに晒されて終わるわけではありません。しかし、最後に残される「もしかしたら……」という予感は、私たちの社会が抱える歪みを静かに、けれど力強く告発しているようです。
今この時代に生きる私たちにとって、決して他人事では済ませられない。読後もなお、思考を止めさせてはくれない一冊でした。
Posted by ブクログ
柴田哲孝『暗殺』幻冬舎文庫。
フィクションという形式を取りながら、旧統一教会との強いつながりのあった安倍晋三元総理の暗殺事件に関連する様々な疑問に対する答えを描いた非常に面白いサスペンス小説である。
日本中を震撼させた安倍晋三元総理の暗殺事件により、元総理をはじめとする与党の自民党議員などがカルト宗教団体と長年に亘り密接な関係を築いていた事実には驚かされた。地方自治体の長なども、このカルト宗教団体との関係が明らかになるが、国会議員同様に有耶無耶にされてしまう。
そして、何よりも暗殺事件で現行犯逮捕された男が眼鏡をかけた真面目そうな細身のごく普通の人物であったことには驚いた。
また、陰謀論という言葉で片付けられるが、この事件には不可思議な点が多数ある。パイプ2本をテープで木の板にぐるぐる巻きにして貼り付けたような手製の銃で人間を殺傷する能力など無いと思うし、SPたちは意図的に元総理の背後から離れており、犯人を元総理の5mという距離まで接近させるなどあり得ないことだと思う。SPたちが意図的に元総理から離れたという証拠としては、発射された散弾によりSPたちの誰1人として怪我をしていないことが挙げられる。
世界の要人や著名人を巻き込んだエプスタイン事件をはじめ、世の中には人びとの欲望につけ込んだ悪意に満ちた陰謀が渦巻いている。トランプがイスラエルと共にイランを攻撃したのはエプスタイン事件から世間の目を逸らすためだったという説もある。
プロローグでは1987年5月3日に発生した朝日新聞阪神支局襲撃事件をはじめとする赤報隊による一連のテロ事件が描かれる。
本編に入ると銃撃犯としてオズワルド役を演じた上沼卓也に指令を下した黒幕の存在が描かれると共に上沼卓也の過去、カルト宗教団体の変遷が日韓の政治的な視点から描かれていく。
2022年7月8日、奈良県の近鉄大和西大寺駅前での演説中に元内閣総理大臣が射殺された。その場で捕まった41歳の上沼卓也は動機として、ある宗教団体と元総理とのつながりを主張した。
だが、この事件を単独犯と考えるには多くの不可解な点があったにも関わらず、警察は深く調べることもなく捜査を打ち切る。そして、男の動機や事実関係が殆んど明らかにされぬままに鑑定留置がなされ、以後の情報は半年間もの間、遮断される。
元総理の演説場所が余りにもオープンであったこと、明らかなる警備体制の杜撰さや手抜き、頸部から入って心臓に達したという銃弾から推測される入射角度の不可思議、容疑者の発砲とは逆方向から撃たれた銃創、致命傷を与えた銃弾の紛失、事件発生から5日間も行われなかった現場検証という不可思議。雑誌記者の一ノ瀬正隆はこれらを材料に上沼卓也単独犯説に異を唱える記事を書くが、与党からの圧力が掛かる。
本体価格840円
★★★★★
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自分が知らされていないことや、知ろうとしないこと、たくさんあるんだろうな、と思う。この本事件が実際どうなのかとか、けが陰謀論なのか、ということは別として、そりゃ一般人が全てを知っている訳ではないと思う。ミステリとしての読み応えもあった。
Posted by ブクログ
今年の1月に奈良地裁で検察の求刑通り無期懲役が山上被告に下された安倍元首相銃撃事件をベースにしたフィクション。
「小説だからどうとでも書けるでしょ」と言い切れるか?国を守るためにある情報機関や警察組織が時として隠し事をする自由主義国家におけるブラックボックスであることを知っていれば、J.F.K.暗殺と同様の疑惑が生まれて不思議はない、と私は思う。
著者も、安倍元首相銃撃事件の公式発表に強い違和感を持ったので、本書を書いたようで、ノンフィクションとして纏めるには情報が(おそらくは、かなり)不足していたためフィクションにしたようである(池上冬樹氏の解説から推測)。
小説として面白く読めるし、自由主義国家における闇を知ることもできるので、一読して損はない、と思う。
Posted by ブクログ
非常に様々な意味で恐ろしい一冊。
ノンフィクションでありながら決してそうではない。
多くの疑問が残るあの事件の「事実」の部分をメディア、警察は隠蔽し、市民によって提起された疑問はただの陰謀論として処理されてしまったことによって「事実」が陽の目を浴びることはなくなってしまった。事実を伝えようとする者を物理的に消し去ることでメンツを保つ人間の多さに改めて慄くと共にそういった人間が暮らしの上層部に鎮座する現実もとても恐ろしく感じます。
Posted by ブクログ
安倍元総理銃撃事件をもとにしたフィクション。
二〇二二年七月八日。田布施博之元総理が奈良県の近鉄大和西大寺駅前で演説中に凶弾に倒れ死亡した。
実行犯は奈良市内に住む上沼卓也 四十一歳。男は警察の取り調べに対し
「母親が “ある団体” に入会した影響で家庭生活がめちゃくちゃになった。その団体を成敗しなくてはならないと思い、その団体と関係が深い田布施元首相を狙った…」と供述した──。
スゴイものを読んでしまった。
タイトルが もう『暗殺』だし…。
“フィクション”と謳われているから
“フィクション”と思って読んでいるけれど 現実の事件と あまりにもリンクしているので 読んでいて現実とフィクションの境界が曖昧になってくるような気さえする。
第一部、第二部で語られるのは
長年にわたり政財界で暗躍してきた
フィクサーの逆鱗に触れた 新元号
“令和” がもつ隠された意図。
そしてそれがキッカケで作られた一連のシナリオ。
実行犯の上沼は “オズワルド”の役だ─。
年数をかけ 着実に舞台の準備がされていき 事件当日を迎える。
第三部、第四部では 上沼卓也の単独犯で解決を急ごうとする警察に不信感を持った雑紙記者の一ノ瀬が 独自に事件の調査をはじめる。
“消えた弾丸” と 謎が残る “射角” ─。
実際、この問題は現実の事件でも取り沙汰されたらしい。 気になってネットで調べたら 一応 説明はついているということだった。一応ね…。
本当にスゴイものを読んでしまった。まだ熱に浮かされている感じ。
いったい この国を動かしているのは誰なんだ!
虎の尾には気をつけましょう(^_^;)
Posted by ブクログ
衝撃的な作品。
一応フィクションだけど、モデルになっている事件は明白だし、書いてあることにも現実に起きている事が多くどこが嘘なのか分からない。
仮説を不明部分に当ててスッキリと背後関係を説明したかの様な作品。
細かい事実関係をしっかり確認していよいよこの作品の仮説の精度が高いとなったなら星5でもいいと思う。
いかに日々様々な話題が流れていてそるぞれの事件についての事実を点々としか知らないかを思い知れる。
本当にあった事件がモデルなので少し気が重いが迫力があり読ませる作品。
他の作品も気になった。