【感想・ネタバレ】人生問答(中)のレビュー

あらすじ

日本を代表する経済人・松下幸之助氏と、創価学会名誉会長・池田大作氏との往復書簡集『人生問答』(聖教文庫)のデジタル版(原著は1975年発刊)。松下氏は、松下電器産業(現在のパナソニック)の創業者で、スケールの大きな社会活動家(1989年逝去)。池田氏は世界的な仏法指導者で、創価学園、創価大学、民主音楽協会、東京富士美術館等を創立している。両者の語らいは、真摯に縦横に、そして温かな友情の音律をたたえて進んでいく。中巻では、「宗教・思想・道徳」「政治に望むこと」「社会を見る目」が収録されている。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

目次
5 宗教・思想・道徳(人間の本質と宗教 宗教と人生の関係 宗団・宗派はさまざまでよい 宗教はどれも同じか ほか)
6 政治に望むこと(政治の目的は何か 政治に欠けているもの 民間が政府に任せた 国家権力と人民 ほか)
7 社会を見る目(物価騰貴の根本原因 インフレ抑制の施策 物不足と買い占め 商道徳に反する企業 ほか)

経営の神様と言われた松下幸之助氏は、当時の経済界でも最高峰の人物であり、日本におけるその影響力は相当大きかったと思われる。

ときに松下氏の発言の中には、企業人のトップとして、企業の経営の在り方、また企業にたいする政府の姿勢や政策などにふれられることがあるが、それらの発言は、経営者として、また日本の産業界に最も影響力のある人として、ほとんどすべてが「様々な問題点を解決しよう」との前向きな視点での発言をされていると思う。

しかしながら、これが池田会長(当時)との対話となると、その発言が庶民にたいして企業サイドの意見であったり、民衆に対して政府寄りで合ったり、権力思考にしらずしらずと陥っていたり、トップダウン的であることに読者は気付かされる。

そいう言う点を、池田会長(当時)は、原点に立ち返るように、庶民サイドの意見、民衆サイドの意見をキッパリと述べられる。むしろ指摘のように感じられる部分多い。

あたかも財界トップの方の意識改革をはかり、混迷の当時の情勢の変革を図ろうとしているかのようである。そしておそらく、この対話を通じて、松下幸之助自身が、その「経営の神様」度をさらに高められたのではないかと思える。松下幸之助氏は、この対談で得られた気づきは、即社内で実行に移され、その姿は産業界に目に見えずとも波及していったのではないかと思う。

そう感じられるような対話が繰り広げられていた。

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2025年05月09日

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