あらすじ
『法の精神』の著者が挑んだ異色の小説.バッカス祭の酒宴で語られるのは,奇想天外な輪廻転生譚.家畜,奴隷,暴君,宮廷人など,次々と姿を変えながら,苛酷な社会をしたたかに生き抜く語り手たち.彼らの物語は,人間の愚かしさ,欲望の際限なさを,皮肉とユーモアを交えて鮮やかに描き出す.思想史に新たな光を投げかける一作.
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Posted by ブクログ
モンテスキューが著した輪廻転生譚。
3人の語り手が立て板に水のように、多数の転生を物語る。性別や時代や身分も様々で、時には生物種も異なる転生の中で、語り手は意識の同一性と人格の多様性を示す。
訳者解説で、経験論哲学者ロックの影響を指摘している。ロックの著作には、人間の同一性を作るのは意識や記憶であり、ひいては、身体を交換したり、1つの身体に複数の意識が入ることが可能であるという考えがある。
Posted by ブクログ
まず、モンテスキューが転生モノの小説を書いていた事に驚いた。
話の大筋としては、記憶を保持したまま輪廻転生を繰り返してきた人物の語り。時代も違えば場所も性別もひいては種族も違うこともあった。ただ共通して言えるのは、人間って愚かだなと言うこと。
読んだ後に、ピノキオピーさんの『転生林檎』を聴くと、人生に苦慮したり息詰まるとほかの人になってみたいと思うが、廻り廻って自分の人生が一番良いと気づく。
Posted by ブクログ
「法の精神」で有名な啓蒙思想家モンテスキューが著していた、輪廻転生物語。
祭の夜に、招待された客人たちが、自分たちが経験してきた輪廻転生を披露する。
輪廻転生を繰り返しても、同じような「欲」によって決して幸福にはならない。人格が向上することもない。
その「人」の愚かしさが情けなくもあり、滑稽でもあり。
哲学者ニーチェが「人生は繰り返しだ」と書いていたけれど、こういうことなのかもなあ。哲学者も思想家も突き詰めて行けば考えはこういう感じになるのかも。
ちょっとヴォルテールの「カンディード」を思い出した。あれもコント哲学だったなあ。
Posted by ブクログ
記憶を持ったまま輪廻してきた生を語る人々のお話。
荒唐無稽でなんとも表現の仕様がないけど、それぞれの生が時代も場所も違い、人ですらなかったり魂だけだったりして常識を揺さぶられるのが面白いと思った。
少しWEBのラノベぽい設定があって、なるほど18世紀ヨーロッパ辺りの時代背景から現代日本のラノベ文化は来てるのか、と思った。