あらすじ
学歴もなければ、金もなく、恋人もいない三十五歳の晴夫。一流マジシャンを目指したはずが、十七年間場末のマジックバーから抜け出すことができない。そんなある日、テレビ番組のオーディションではじめて将来への希望を抱く。だが、警察からの思いもかけない電話で、晴夫の運命が、突如、大きく舵を切る――。人生の奇跡を瑞々しく描く長編小説。
...続きを読む
一流マジシャンを目指していたはずが、ずるずると場末のマジックバーで働く轟晴夫(とどろきはるお)。晴夫の母親は、晴夫を産んだ直後に亡くなり、父親とは何年も顔を合わせていない。
ある日父親の訃報を受けたあと、両親が生きている過去へ突然タイムスリップする。過去へ行って初めて知った、父と母の出会い、そしてその二人の晴夫へのまっすぐな愛。
お笑い芸人の劇団ひとりさんの『陰日向に咲く』に続く二作目の作品。複雑なことはなく、深く考え込むこともなく、ただただ素直なストーリーに涙が出ます。親から注がれる愛は本当に美しくて、まっすぐで、偉大だなって必ず感じさせられます。
すっと心の中に入ってくる物語で、素直に感動できる作品。
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
読みやすくて数時間で読んでしまいました。
224頁
馬鹿だった。何が「どうして俺は生まれたんだ」だ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
そのとき、・・・・・。
234頁
・・・・・。
劇団ひとりさん、反則です。
判っていても涙腺崩壊しました。
映画も観ようと思います。
Posted by ブクログ
数年前に映画を観て本を買った。映画も良かったが本も良かった。爽やか。タイムトリップで見たことのない母親に会い、ラストは全く力まない感じの父親との再会。いい構成だなぁ。文庫本の帯が高く、(カバーより5ミリほど低いだけ)その段差がマジシャンのタキシードを連想させる。お洒落。
Posted by ブクログ
自分の過去にタイムスリップし、思いがけない事実を知り、生き方を変える。
よくありそうな物語だが、構成がうまいのか、自分が単純だからか、話に入り込んだまま最後まで一気に読めた。
望まれて生まれてきたと思える人たちには、自分の生き方の再確認になるのかもしれない。
個人的には、主人公が「前に進もう」と考えたから、それを後押しするために起こった出来事だと思いたい。