【感想・ネタバレ】メビウス・レターのレビュー

あらすじ

男子高校生が謎の焼身自殺を遂げた。数年後、作家・阿坂龍一郎宛てに事件の真相を追跡した手紙が、次々と送りつけられる。なぜ阿坂のもとに? そして差出人の正体は? 阿坂は人妻のストーカーに付け狙われ、担当編集者は何者かに殺害された。すべてがひっくり返る驚愕の結末とは!? 傑作長編ミステリー。(講談社文庫)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

作家、阿坂龍一郎のもとへ、ある日、奇妙な留守番電話のメッセージとともに、一通の手紙が届いた。
一通だけに終わらずその後も届く手紙には数年前に焼身自殺を遂げた男子高校生の死の真相が語られていた。
なぜ今頃?なぜ阿坂のもとに?
過去に追い立てられるように落ち着かぬ日々を送る阿坂の周辺で殺人事件が起きて…

*****

声を変えての留守番電話、そして、差出人不明の手紙…出だしから不気味。
出てくる人物たちも何だか少し奇妙な部分があったりと、ハラハラしながら読み進める。
編集者やストーカー女性といった、物語の中でも“日常”に存在するひとたちがちらりと見せる“狂気”の部分。
怖かった。
主人公?阿坂が手紙になぜおびえるのか、そのあたりの謎も徐々に分かってくるのだけれど、途中何度か「えっ」となりながら。
最後に明かされる謎に「えぇっ」と驚く。

男子高校生の自殺の謎。

阿坂の抱える謎。

その他のひとたちの謎。

様々な謎が交錯する。

『冬狐堂シリーズ』にも登場する根岸&四阿(あずまや)コンビに会えるのは嬉しかった。

*****

北森さんが亡くなってから、私は作品を読み始めました。
現在になって、少しずつ読んでいる読者としては新作が今後出版されないことはとても寂しいです。

0
2019年01月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ある作家のもとに届いた不思議な手紙、それは高校を舞台にしたある過去の事件をめぐる告白だった…。登場人物たちが、どのように過去の事件にかかわっているのかわからないまま、過去と現在が錯綜し、新たな事件が起き、物語は混迷を増していきます。わかりづらくはあるのですが、逆にその複雑さがタイトル通りメビウスの輪に入り込んだような感覚にさせてくれます。
北森さんは山口県出身の作家さんということで読み始めましたが、独自の世界観があってお気に入りです。

0
2012年05月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

展開は面白いな~。謎の手紙に脅かされる作家と周辺で起きる殺人や事件、異常な人物、過去の事件とまあよくもこれだけ詰め込んだな~と思うくらいに色々詰め込んで最後の展開は予想外。予想外すぎてあまりピンと来ないと言うか整理できないと言うか。これは賛否が別れる作品だろうな~。

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2025年09月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 叙述トリックが駆使された作品。読者を驚かせることを主眼として書かれており、まさに「驚愕の真相」と言える構成だが、その反面、リアリティに欠ける部分が目立つのは否めない。
 「阿坂龍一郎という作家が女性である」という叙述トリックは、多くの読者が気付く可能性が高い。しかし、ほとんどの人は、小椋という音楽教師が阿坂龍一郎になったと考えるだろう。ところが、真相はその一歩先を行き、阿坂の正体は手紙で「キミ」と書かれている少年の母親だった。
 烏丸芳江という人物こそが小椋という音楽教師で、手紙に書かれている「僕」という一人称の正体が「夏川麻美」である。夏川麻美は阿坂龍一郎に殺害され、埋められている。そして、時制のトリックも仕掛けられており、探偵に人探しを依頼したのは烏丸芳江=小椋であり、探偵が探していたのは阿坂龍一郎だった。
 リアリティに欠ける部分が多い作品だが、読者サービスを重視して構成された驚愕の真相として、完成度は高いと言えるだろう。北森鴻の作品の中では売れ筋の作品であり、こういった作品を好む人も多いのだろうが、評論家受けは良くないだろう。個人的には非常に楽しめた作品で、★4をあげたい。

○ 阿阪龍一郎
 小説家。正体は,「キミ」の母親。若狭妙子と烏丸芳江(小椋)を殺害する。
○ 野島克明
 編集者。殺害される。
○ 若狭妙子
 阿阪龍一郎の隣人。阿坂のファン。
○ 烏丸芳江
 阿阪の秘書。正体は小椋。
○ 沢渡卓也
 「キミ」の友人。
○ 四阿
 刑事
○ 根岸
 刑事
○ 若狭伊知郎 
 若狭妙子の夫。阿坂を殺害しようとする。
○ 小椋
 音楽教師。
○ 小島正
 「ぼく」に「キミ」の描いた絵の写真を贈る。殺害される。
○ 玉置朋生
 探偵。人探しを依頼される。
○ 西村早苗
 探偵。玉置と一緒に,人探しを依頼される。
○ 三島
 体育教師
○ 夏川麻美
 「キミ」にあこがれる少女。「僕」の正体。阿坂に殺害される。
○ 秋吉恵美
 漫画家。若狭妙子に殺害される。

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2015年12月06日

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