【感想・ネタバレ】作家と編集者のレビュー

あらすじ

ひとことで作家と編集者といっても、その関係は千差万別です。良きビジネスパートナーとして、あるいは助言者として一つの作品に向き合うこともあれば、友人のような距離感で接することもあるでしょう。その一方で、どの作家と編集者にも共通して言えるのは、面白い作品を読者に届けるために働いているということではないでしょうか。読書好きの皆さまにとって身近なようでいて見えないことも多い「作家と編集者」をテーマに、4名の著者に作品をご寄稿いただきました。時代もジャンルも越えた、物語を作り出す現場の熱気をお楽しみください。/【目次】錦見映理子「邪悪な香り」/蝉谷めぐ実「餅屋の言うこと」/藤野恵美「行きて帰りし物語」/乗代雄介「金城氏」/解説=杉江松恋

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Posted by ブクログ

『作家と編集者』というタイトルから、早見和真さんの『小説王』のような熱いお仕事小説を想像していた。ところが、一話目の錦見映理子さん「邪悪な香り」でいきなり背筋がゾクゾク……。なんだか寒くなってきた。風邪か? いま季節は春なんだけどなと思いつつ。

新人作家・鷹柳をデビューさせようと奔走する熱血編集者の話かと思いきや、漂ってくるのは不穏な空気と怪しいオピウムの香り。次第に狂気の世界へ足を踏み入れていく編集者・安曇、そして作家・鷹柳の正体とは? 夢か現実か、境界線が溶けていく物語にぐいぐい引き込まれる。
作中作のタイトルに、「もしかして、そういうこと!?」と鳥肌が止まらない。こんな作家と編集者の関係、怖すぎでしょ! ヽ(;゚;Д;゚;; )ギャァァァ

対照的に、三話目の藤野恵美さん「行きて帰りし物語」には、もしかして私小説?と思わされるも救われた感じがする。
厳しい編集者の「子供に砂糖菓子みたいな本ばかり与えていいのか」という言葉が深く心に残る。娯楽が溢れ、勉強や部活、習い事、子供たちが本を読む暇もなくなっちゃうよね。
読書離れは社会や大人の責任なのかもしれない……なんて、ちょっと真剣に考えさせられた。
それでもやっぱり、読書の面白さを知ってほしい。タイトルの『行きて帰りし物語』、あるファンタジー物語の副題になっているとか。
かつて敬遠したことに再挑戦する作家・夢咲のラストの清々しさに「あぁ、そういうことだったのか」と納得。爽やかな読後感だった。
以前読んだ『ハルさん』も良かったけど、この作品も面白かった。

作家と編集者が切磋琢磨し、これからも面白い作品を世に送り出してくれることを願っている。ただし、「邪悪な香り」のような関係にだ
けは、くれぐれも気をつけてほしいものだ。

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2026年04月04日

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