あらすじ
【限定配布されたショートストーリーが付いた電子限定版♪】恋は、夜のバスの坂道みたいに寂しいものだと思っていた――。高校生の河野一吹は、毎朝バスで乗り合わせる会社員の大柴賢司と親しくなる。悩みを抱えていた一吹を彼は優しい言葉で救ってくれる人だった。やがて互いを深く知ったふたりは自分を変えるために彼女をつくろうと約束する。しかし賢司と過ごすにつれ、一吹は自分の恋がとても近くにあることに気づいてしまい――…。 yoco先生の美麗なイラスト入り♪
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Posted by ブクログ
ゲイであることを自覚し周りに溶け込めない息苦しさを感じながらも穏やかに見失わない様に過ごそうとするソラこと一吹
姉を守れなかった負い目が自信喪失へと繋がり何となく無気力なシイバこと賢司
大人の狡さと成長期の真っ直ぐな愛が交差して焦れる展開に悶えました傷を持つから優しいのではなく、傷を負う痛みを知るから臆病になり、痛みを経験させたくないから優しくなる
若者は痛みすら甘い恋心に変える勢いがあるから飛び込んでくる
一吹よりも賢司の方が臆病になるのは仕方ないw
大人気アニパーシリーズ
チャットのやり取りも面白かった
切なさ乗り越えてハッピーエンド
実際にありそうな素敵なお話。同じバスの乗客になりたいです。
高校生にしては随分と大人びていて礼儀正しい一吹くん。
彼の想いや言葉がどれも胸を打つものがあります。
冒頭にある本文から抜粋された一文がこれまた切ねえ、、
賢司さんはちょっと女々しいような感じもしますが、大人だからこそなのでしょうかね。それもいいです。
hシーンは濃いめが好きですがこのお話はあれくらいがベスト!
本当に好みすぎるお話でした。何度でも読み返します。
Posted by ブクログ
大好きな朝丘さんの作品。
心にゆとりがなくて読めないでいましたが、やっと読みました。
いつも同じのに乗っていてお互い認識はしているけど
話をするまでには至らない関係って、とても多いと思う。
それが、ふとしたきっかけで一吹くんとケンジさんのように話をする関係になっていくのは
本当に稀で奇跡みたいな関係。
話を読み進めていけばいくほど、
お互いが出会うべくして出会ったんだな、と。
こんな関係っていいな、と心から思えるお話でした。
最後のほうに収録された3年後のふたりのお話。
ツトムとも変わらずに付き合い続けている一吹くんに、すごくらしいなと、思いました。
Posted by ブクログ
心がぽかぽかになるようなストーリーでした。
主人公の高校生、一吹は、毎朝通学のために乗っているバス内でひとりの会社員、賢司さんが気になっていました。
ひょんなこと(一吹が男から痴漢される)から、二人は仲良くなるのですが、初めて話をしてから二人が恋人同士になるまで、本当に二人の生活や感情にこちらが寄り添っていってしまうような感じで、ゆっくりゆっくり二人の距離が近づいていくストーリーの進み方に、きゅんとしたりほわっとしたり悲しくなったりしました。
メインの二人以外の、一吹に片想いしているミチル、チャラ男、林田、嶋野もすごくいい味だしてました。
一吹が高校生で、高校生らしい姿や悩み、幼さを描くうえで、彼らは絶対必要な存在だな、と。チャラ男なんかは、登場シーンは少ないですが、けっこう最近の男の子で、無知、というか自分勝手な感じが、見ていて青臭いけど共感というか、現実的でよかったです。林田も。
そう考えたら、やっぱり一吹や嶋野とかミチルとは、ちょっと大人びてるというか、しっかりした高校生な気がしました。
朝丘さんは、こういうお話を書いたら本当にすごい、というか素敵な世界を描くよなあと思いました。
ほんわりしたyocoさんの挿絵もとてもきれいで、お話にピッタリでした。
ただ、たまに思うのですが、朝丘さんの書く受けの男の子は、今回みたいな、だいたい意志が強くて自分のどんなとこが弱くてとか分かってて、それに立ち向かおうしている子が多いよな、と思いました。
Posted by ブクログ
社会人(賢司)×高校生(一吹)の話。
ふたりの距離がゆっくりじんわり近づいていく、ほっこりしたお話でした。
挿絵との相性もバッチリ。
胸キュン要素もたっぷりで、「なんだこいつらかわいすぎる・・・;;」と頭を抱えることもたびたび(笑)。
キャラふたりが魅力的!!(脇キャラもみんないい味出してました)
おたがいが、最初に人として惹かれていったことにうなずける
説得力があったと思います。
もうちょっと、賢司視点が書かれていたらよかったな、とは思いました。
賢司が葛藤したり、悶える姿、見たかった・・・。
Posted by ブクログ
窓辺のヒナタを先に読んでしまっていたけど、こちらを先に読むべきだった。
そうしたら窓辺のヒナタでシイバとソラが出てきたシーンをもっと楽しめたと思う。
個人的には今作のほうが好みでした。
林田にモヤモヤしたりもしたけど、段々一吹が林田のことを
「輪に馴染めずにいる自分にも気にせず接してくれる」と表現した意味が
理解できるような気がして、コウジのいう通り本当にばかなだけなんだなと思うと許せる気になりました。笑。
最後で一吹が林田を「ツトム」と呼び、気心知れた仲になっている様子を見て凄く良かったなと思いました。
お母さんとも一応は和解できてよかった。
今回も若干登場人物多すぎて回収できてない感、中途半端になってる感じは否めませんでしたが…。
最後、賢司さんが一吹を守れたことでお姉さんの事件のトラウマから解放されて本当によかった。
Posted by ブクログ
朝の通学バスで、会社員の賢司さんと出会った一吹。自分よりずっと大人でオシャレでひそかに気になっていた。ある事をきっかけに言葉を交わすようになったふたり。話してみたらもっと格好良くて、やさしくてスマートで、いい匂いがして、何もかも包みこんでしまう大人の包容力を見せつける一方で時々子供っぽく甘えたりもする。圧倒されて、とても太刀打ちできないと一吹は思う。
賢司さんの一挙手一投足に、舞い上がったり、落ち込んだり、自戒したり、鼓舞したり、坂道を転がるみたいにまんまと恋に墜ちていく一吹が初々しくてかわいらしい。それはもう、甘い甘い蜜の淵に墜ちていくみたいに。
全編通して一吹視点なので、賢司のリアルな心情は全部わからないのだけど、後はもうおじさんになっていくだけ…という大人が、何も知らなくてかわいくて一途な子供とこんなふうに無防備な恋に落ちるのはさぞかし怖いだろうなぁ…と老婆心ながら考えてしまった。
『賢司さんに一生飽きることはない』と言い切ってしまえる一吹の若さが恐ろしいという賢司の気持ち。これから一吹はあっという間に成長してしまう。置いてけぼりになった自分に目もくれなくなる日がそう遠くない将来来るかもしれない。例えひとりになっても『飽きない』と言われたことを後生大事に覚えているだろうという賢司さんの言葉がすごく印象に残った。
作中でところどころハッとさせられるような心理描写や風景描写が、あ~朝丘さんだなぁと思う。
ピュアできゅんとなるお話。