あらすじ
現象学こそがわれわれがとりうるもっともラディカルな哲学態度であり、そして、その可能性をさらに推し進めることのなかにこそ、現代思想の混迷を突破する道がある。著者の哲学的デビューの書であり、その原点をいまもくっきりと指し示す本書は、読者に哲学することの意義と歓びを感じさせずにはおかない。
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Posted by ブクログ
かなり満足。同じ著者の「現象学入門」を読んで以来、ぼくには「竹田現象学」はかなり肌に合いそうだと思っていたのだが、この本を読んでその想いを強くした。
内容は全編にわたって現象学の解説、現象学に対する誤解の払拭、現象学に対する批判への「反批判」。
前半の固い解説口調も良いが、後半の少し叙情的なエッセイやコラム形式も悪くない。
前半と後半で内容の重複が多く見られ、主題の繰り返しも多いが、現象学の(一見)込み入った概念を腹落ちさせるためには、これくらい何度も同様の説明をされるのも良いだろう(少なくともぼくにはそうだった)。おかげで、フッサールやハイデガーが難解な用語を尽くして語っていたことが、実は意外なほど身近な事柄について論じていたのだ、と気づくことができた。
ただ、現象学に対する批判がほぼ全て「誤解」「的外れ」という論調に思えたことが、少し「本当だろうか」という不安を残した。これをそのままうのみにするなら、世界中で、フッサールを正しく理解しているのは、筆者を含め極小数だ、ということになるが・・・本当だろうか?
そういう不安が残ったということで、星は-1。