【感想・ネタバレ】千一夜物語（２）のレビュー

佐藤正彰

「おおご主人さま、あなたの恋の奴隷、あなたの目に征服された男のほうに身をかがめて下さいませ……」美少女を救ったガーネム。二人はたちまち恋におちるが、彼女はなぜか深くは許さない(「恋の奴隷ガーネムの物語」)。他にも「アニス・アル・ジャリスの物語」など、シャハラザードが奏でる官能と機知に満ちた話の数々に聴き入る王。さて彼女の命運はいかに?

[ブクログ · ★★★☆☆]

アラビアンナイト。文化も時代も慣れ親しんだ世界とは大きく異なる。1巻を教養として読み始めた時、最後まで読み切れるか不安だった。しかし、国、時代を超えて翻訳されてきたことからわかるように、どうやらこの本のおもしろさには普遍性があるらしい。ハチャメチャ世界観を愉しめた。

そして全10巻のうちの2巻目に突入。物語の中で違う物語が登場し、その中に更に異なる物語が語られる重層構造から始まった。このハチャメチャ感、たまに読みたくなる。連続しては読めないけれども、長い時間をかけてゆっくりと楽しめる味わい深い本だった。