【感想・ネタバレ】蟻鱒鳶る! ――自力でビルを建てた男のレビュー

あらすじ

20年かけて、ついに完成!
高さ12メートル、重さ350トン。この建築が、世界を変えた!

2万字の書きおろし「蟻鱒鳶る!」を収録した、決定版。

「楽しんで建築をつくる」を掲げて、日夜コンクリートを打つ。東京都心の港区・聖坂に姿を現したのは、高さ12メートル、重さ350トンのコンクリート建築「蟻鱒鳶ル」だった。みんなでいっしょにビルを建てた男が、これまでの建築人生を振り返り、未来への希望を記す。

カバーデザイン 佐藤亜沙美
カバー写真 木村奈緒

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Posted by ブクログ

こういう人は本当に尊敬します。小利口で薄っぺらな人間ばかりが幅を利かす世の中で、大資本やら悪質フェミニストやら、そして何よりセルフビルドの困難に負けず一歩も引かず完成に持ち込んだ岡さんはえらい。

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2026年03月15日

Posted by ブクログ

『そろそろ人類は「豊かになる」の次の大きな目標を定める時期に差し掛かっているのではないだろうか。』
『豊かさを手にした今、人類が次に目指すは「仕事を楽しくする」であってほしい。』

結構ブッ刺さる言葉がいくつも出てくる。

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2026年04月11日

Posted by ブクログ

セルフビルドで鉄筋コンクリート造りのビルを建てた岡さんの自伝的なドキュメンタリー。
読み物としてとても面白い。

岡さん自身の人生の苦悩なども含めて、ビルの完成までのストーリーが非常にドラマチックである。

現代の工法や建築現場の実態としては経済優先で安全面、建築物の価値観など、ないがしろにせざるを得ない状況だ。
岡さんは建築物を造ることの原点に立ち返り、またご本人の人生で培った価値観から、即興での建築(設計と施工が同一人物の建築)をやり遂げた。

普段建築について意識することはなかったが、この本を読んで建築物の本来あるべき姿にも関心を持ちたいと思った。

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2026年03月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

<目次>
序章   坂の上のバベル
第1章  激闘!セルフビルド
第2章  人が作る魔法の石
第3章  即興の建築
第4章  夢のはじまり
第5章  船出の日
第6章  建築武者修行
第7章  悲しい現実
第8章  絶望からの大どんでん返し
第9章  単純な真実
第10章  世界を変える建築
最終章  蟻鱒鳶る!

<内容>
三田にセルフビルドのビル「蟻鱒鳶る」を建てた著者の伝記だね。ただ書いている中で、資本主義に冒された建築業界のことが書かれている。もともと紙と木で建物を作っていた日本は特に。本来は100年以上持つコンクリートの建物が、30年しか保たない。というか保たないように作っている現実。そこ一つでも著者の考えに賛成する。何事も「効率」はくそ食らえなのかも知れない…

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2026年03月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 「蟻鱒鳶ル」の名を知ったのは、2018年に森美術館で開催された「建築の日本展」。設計も施工も自力で行う現在進行形の建築プロジェクトとして展示紹介されていた(この展覧会以前にも、「タモリ倶楽部」で取り上げられていたのを見た記憶があるが、その名は覚えていなかった)。本書は、同年に刊行された単行本「バベる! 自力でビルを建てる男」の改題で、文庫化にあたり「最終章 蟻鱒鳶る!」を追加したもの、とのこと。
 この「最終章」が、文庫版編集者にしてみれば“最大の売り”だろうけれど、一読者である私には、ビデオゲームのクリア後のハードモードのように見えた。一つ前の「終章」(単行本時点での最後の章)までの内容に比べて、数段階厳しい状況。また、建築物として完成はしたらしいが、ハッピーエンドにも見えない。そんな最終章。

 自分たち夫婦の住居兼店舗(妻の営む雑貨店)として建て始めたセルフビルド建築。「即興の建築」「楽しんで作る建築」を掲げて、2005年11月に着工。コンクリートを流し込む型枠の高さを70cm――型枠の中に入ったゴミや落ち葉などを手で取り除ける、腕の長さに合ったサイズ――にする「70cm打法」を駆使して奇態なフォルムが姿を見せるも、2017年頃からこの建築の立地が再開発エリアにかかっているという話が出てきて、話は面倒なことになっていく。これ以降が最終章の内容。
 「蟻鱒鳶ル」を再開発の一部とする方向で契約がまとまるも、建築の完成に期限が設定され、契約中に施工者である著者に何かあったときのためを考えて“弟子”を二人取ることに。それまで(ときどき友人の作業協力はあれど)ほぼ一人でエッチラオッチラ作業していたものが、人間関係の軋轢を抱え込んだ現場に変容していく。それがキッカケになってナンヤカンヤ(本書でも具体的な内容は示されない)あった末に“夫婦の住居兼店舗”という当初の目的は消えてなくなり――著者一人の居住スペースではあるらしいが――、奇妙な建造物の完成という事実だけが成果として残ったのだった…。

 著者(施主・設計・施工)の手を離れた後の「蟻鱒鳶ル」の価値は、どこにあるのだろう? (シュヴァルの理想宮みたいな、そもそも用途がないものは別として)セルフビルド建築の価値は建てた本人の活用によって生まれるものと思い、竣工後のビル活用の具体的な未来像が示されることを想像・期待して本書を読み進めていたのだったが、なんとまあ物寂しい結末じゃあないか。
 そして、なおかつ、著者こだわりの「70cm打法」で建てられたこのビルのコンクリートは「200年」持たせられるのだった。この後、200年間を、この建物が立ち続ける意義って…?

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2026年07月20日

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