【感想・ネタバレ】本を読めなくなった人たち コスパとテキストメディアをめぐる現在形のレビュー

あらすじ

著者による『映画を早送りで観る人たち』の待望の続編!
〈倍速視聴〉から見えたコンテンツ消費における〈コスパ〉〈タイパ〉という欲望は、
読書においてはどのように作用しているのか。
本作では、「本を読めない人たち」への徹底取材をはじめ、
テキスト受容を取り巻く読者と出版社/ウェブメディアの現状をリポートする。
一体「本を読めなくなった人」は何を考えているのか。
2010年代以降、本が読まれないことが当たり前になるなか、
ほとんどフォーカスされてこなかった。
生の声を取材することで、現代社会のメディア状況への考察を深めていく。

【目次】
プロローグ
第1章 ニュースを無料で読む人たち
――無料ウェブメディアの行き詰まり
第2章 本を読まない人たち
――〈わかりみ〉と〈おもしろみ〉
第3章 本と出合えない人たち
――無料抜粋記事と電子書籍の限界
第4章 本屋に行かない人たち
――聖域としての書店
終 章 紙の本に集う人たち
――読者と消費者

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

人が本を読まなくなる仕組みがよく分かります。技術の発展により社会構造が変化し、文章の価値が落ちている。大衆は動画を早送りして見て、コンテンツを消費する。
私は、そんな時代だからこそ活字に触れる人の価値が上がると感じます。自分の読書は自己啓発書やビジネス書に偏りがちだった点は反省しつつ、習慣となっている毎日、新聞を読むことは継続したいと思いました。
「スマホ脳」と関連付けて読むとよいかもしれません。

0
2026年04月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

<目次>
プロローグ  本を読まない人は世界をどう見ているのか
第1章  ニュースを無料で読む人たち~無料ウェブメディアの行き詰まり
第2章  本を読まない人たち~<わかりみ>と<おもしろみ>
第3章  本と出合えない人たち~無料抜粋記事と電子書籍の限界
第4章  本屋に行かない人たち~聖域としての書店
終章   紙の本に集う人たち~読者と消費者

<内容>
ショッキングな本だった。稲田さんは前作の『映画を早送りで観る人たち』もショッキングだったのだが、自分は映画をあまり観ないので、対岸の火事という気持ちもあった。しかし本という、自分のテリトリー内の話であり、子どもたちを見ていて、「本を読めないな」と感じていたので、そこと重なり、「ズシーン」と来た。
今回の手法は、多くの若者にロングインタビューをして、分析をしている。単純なアンケートでないところがポイント。そこから、「本を読まない」のだが、実は「本を読めない(長文を読めない)」ということがわかる。また本が重要なことを書いていることはわかるが、自分にはそれを読む必要性を感じていない、という。タイパやコスポはもちろん、「必要性」というところが大事。一方で、マスメディアも、情報の無料配信や要約、chatGPTなどを出してしまった結果、自分たちの首を絞めている。本屋もそのとばっちり(?)で縮小するしかない。また「紙の本」はもはや趣味の世界になってしまっている。「消費者」を対象としたものではない、との分析は理解できた。

0
2026年04月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

内容としては、今時の高校大学生相手のインタビューやSNSの投稿・出版業界関係者のインタビューを拾いつつ、本が読まれなくなった或いは人々が本を読まなくなった原因を分析していくもの。

全体を通して著者の語り口が本好きを刺すようなものにやや感じたが、それはまさにこの業界で生きてきた著者が今の時代を客観的に伝えようと努めた結果なのだと、あとがきを読んで感じた。

「不愉快なのだ。人が、人の頭で捻り出し綴った文章に、敬意とお金が払われないという状況が。怒り。それが本書執筆の原動力だった。苦しくとも、なんとか最後まで書き上げることができたのは、怒りが自分を駆り立てていたからである。」
–頁284

客観的に現状を書き記す、その中でも所々著書の思想・立場が滲む箇所が印象的だった。

「そこで、なんとか読んでもらうために「わかりやすくする」という方向に全振りする努力が払われる。実際、ある男子大学生からも「同じことが書いてあったとしても、本よりネットのほうが言葉遣いなどの点で馴染みがあるし、納得しやすい」という意見があった。ちなみに、この彼が目指している卒業後の進路は「学校の先生」である」
–頁119第2章「わかりやすくなければ、読まれない」

私はこれを痛烈な皮肉と受け取り、著者の想いを垣間見たと感じた。瑣末な例に過ぎないだろうが、私にはこの部分が最も印象的だった。

0
2026年04月05日

「ノンフィクション」ランキング