あらすじ
生まれてくるか、こないかを自分で決められるならば、あなたは、この世界に生まれてきたいですか? 子どもを産むためには、その子からの出生同意が必要となる世界を舞台にした、芥川賞受賞作家による衝撃作。《解説・朝井リョウ》
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Posted by ブクログ
設定だけ聞いたら面白そうって思ったの同時に、どうやって?と思ったらある程度母体で育った赤ちゃんに生存難易度(生きやすい人生か数字で表したもの)を伝えて、どうするかと尋ねるものだった。
せっかく身籠って8.9ヶ月ほど一緒に過ごしたのに、リジェクトされたら堕ろさないといけないってなんてグロくてエグいんだと思って想像しただけで辛くなった。
長文になりそうだからまたゆっくり書く!!!
Posted by ブクログ
産むこと・産まれることの本質について深く考えさせられる作品。当然のことながら、太古の昔から現在に至るまで人間が産まれることについて本人の合意は介在してこなかった。産まれるという言葉が受動態であるように、生の始点はあくまで受け身なのだということを誰かの詩で読んだことを思い出す。好むと好まざるとにかかわらず、まず生まれてしまう。そこには不条理という名の実存主義的苦悩が付き纏う。出生にあたって生の自己決定権を行使することで、人生のオーナーシップを得ることができるという主人公の実感も分からなくはない。
とはいえ、出生への合意とは何なのだろうか。我々が下すあらゆる決断は、それまでの人生で経験したことにより形づくられた価値観がベースとなって、ひとつの答えを出すプロセスである。真の意味でタブラ・ラサといえる胎児が下す、自己の生を受け入れるか或いは放棄するかの決断にどれほどの意味があるのだろうか。
安楽死とも地続きにもみえる合意出生は、現代の価値観からすると制度化された殺人とも言える。生物としての根幹にある倫理を揺るがすものであると感じる。もちろん、生物としての本能をさまざまな制度や倫理で縛ることにより自然状態を脱してきたのが人間であることにまちがいはないが、出生に自己決定権を持ち込むのは度が過ぎていると感じてしまうのは保守的だろうか。
Posted by ブクログ
自分が書いてみたいと思っていたテーマとまったく同じ小説だったので、気になって読んでみた。
私自身、うまくいかないことがあると、勝手に自分を産んだ親を恨んだりしてしまうこともある。
でも、「もしかしたら、生まれることを自分で選んだのかもしれない。真実はどうであれ、そう信じてみよう」と思えた。
今後の生き方が、少し楽になるような気がする。
Posted by ブクログ
ずっと読んでみたいと思ってた本。
生まれる前の赤ちゃんが、自分の意思で生まれるか生まれないかを決められる世界があったらとても面白いと思った。
けど読んでみて実際にこの制度があったとしたら、生まれないと選択された側の母親の気持ちになるととても悲しい気持ちになる。産みたくても産めないし、産んだら罪になるなんて重たい話だなと思った。
小説の中の「自分の意思で決めることが重要なのではなく、それが自分の意思だと信じ込むことが大事」という文が心に響いた。
主人公が、合意出生制度にずっと賛成だったにも関わらず、いざ自分の立場になって反対された時に、合意出生制度なんてなかったらいいのにという気持ちになっていて、人間はどんなことでも自分に置き換えて、自分に利益がある方に考えがちなんだなと強く思った。
(3.6)