あらすじ
飼育係になりたいがために嘘をついてしまったマサオは、大好きだった羽田先生から嫌われてしまう。先生は、他の誰かが宿題を忘れてきたり授業中騒いでいても、全部マサオのせいにするようになった。クラスメイトまでもがマサオいじめに興じるある日、彼の前に「死にぞこない」の男の子が現れた。ホラー界の俊英が放つ、書き下ろし長編小説。
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Posted by ブクログ
恐怖があふれるこの世界で、自分の守り方を間違えてしまった先生。
教育者としてというよりも人として理解できない行為が多く、途中吐き気がした。
恐怖を目の前にした人間の行動が丁寧に書かれていて、親や家族に相談できないマサオの気持ちは痛いほど分かってしまい辛かった。
他人からの評価をいつも気にしてしまう私には、最後の言葉がどうしても刺さる。
頑張ってこれなら、しょうがないじゃん。
Posted by ブクログ
まじで羽田先生めっちゃむかついて、はよやってまえ!って思っちゃったけどマサオくんが犯罪者にならなくてよかった…。
乙一は怖い話書くけど救いのある結末だから好き。
Posted by ブクログ
中学生の頃乙一作品を読み漁っていた時に読んだ。
タバコを煮込んで人殺せるとか舌噛み切って死ねるとかいう役に立つか分からない知識をこの本で得た。
Posted by ブクログ
なぜか「できそこないの青」と覚えてしまっていた作品
先生のいじめが陰湿で生徒たちをうまく操っているなと思った
マサオの視点で語られていて、読んでいて凄く苦しくなった
終盤にアオと一緒に先生に復讐している時は頑張れ、頑張れ!と思いながら読んだ
なんというか、復讐はだめ、と言うのは簡単だけど、被害者のマサオの気持ちを考えたらつい応援してしまった
復讐されないように真っ当に生きようと思う
マサオが強くなって良かった
Posted by ブクログ
マサオが教室でバカにされるシーンはずーっと胸糞悪かったーー。
だんだんマサオの第二の人格が芽生えてくるところは狂気的だし、やるせない気持ちになった。
Posted by ブクログ
2025.07.14 (月)
読み終わった…200ページ余りだから半日もかからなかった。200ページ余りなのに、凄く長い時間、体が絞まる思いだった…
キツくて惨くて、とても目を向けられるようなものじゃなかったけど小説として文字を追うから最後まで見てられたかな…これが、ノンフィクションの世界だったら、映像化されたら、きっと私は見られなかったと思う……。
マサオがあまりにも清く尊い…小学5年生の男児にはとてもつらい半年が見て取れるのに、結末の行動に感心してしまう……すごいな彼は……
最後のマサオからの提案に、自分の非を認めず逃げ続けた担任には頭がチリついた、、ああ、こいつは場所を変えてまたこんな事をやりそうだなと、犠牲になる人が居るんじゃないかと思った……
担任が電話越しで話していた女性、家にも出入りしてたから恋人かな?が後に出てくるのでは…?担任の穴埋めとしてきたこの人がもしかしたら…?と勘ぐってしまった…(笑)草原みたいな人でよかった…
読んでよかった…しばらくは触れられないけど、また読み返す時どう思うんだろう……おもしろいと言ったらアンモラルに感じるけど、良かった…
あとがきを読んで、乙一さんが「好きなように書いた。」と仰っていて、ああこの人が書く作品をいつまでも読んでいたいと思いました。
Posted by ブクログ
子供ながらに達観してる。子供って大人が思ってるよりも大人なんだよね。変に先生視点が無く、終始主観なのが良かった。
あと自分が思ってるより、人はそんなに見てない。自意識過剰になる時期ってあるけど、気にしすぎなくて良い。これは大人になってだいぶ時間が経って気づいた。生きやすくなったな。
Posted by ブクログ
恥をかきたくないし、よく見られたい。誉められると嬉しいけど、失敗すると笑われそうで心配になる。きっとみんな、自分が他人にどう思われているのかを考えて、恐がったり不安になったりするんだ。
ぐろい。そういや乙一さんの描く小説ってグロい描写あるんだった。(語彙力欲しい…)描写がリアルすぎて、本なのに目細めて眉間にしわ寄せて読んでた。
自分に素直に他人を気にしすぎずに生きていきたいな。
Posted by ブクログ
作者があとがきに書いていた通り、好きなものを書いた作品。
読んでいて、自分は主人公の気持ちが痛いほどわかった。
自分は主人公ほど運動ができなくもないし、人見知りで話しかけれないわけでもないが、人からどう思われているのかが怖いと思う。
誰しもそういう恐怖は少なからず持っているんだなと読み進めて強く印象に残った。
1人を犠牲にして周る安定にはいつか終わりが来る…そんなこと少し考えればわかるのにね。
目先の解決だけを考えると、あぁいうことができてしまうのだろうな。
Posted by ブクログ
小学生の少年がクラス担任から"いじめ"を受け、自分の分身とともに復讐を企てる話
小学校という狭くて閉鎖的な環境で、しかも10歳か11歳の子どもの経験値からして
「先生はいつも正しい、間違っているのは生徒」と思い込んでしまうのは誰にとってもあることなのだろうなと思った
先生の仕打ちはとにかく胸糞悪いが
社会科の授業で「えた、ひにん」の学習をして、自分がこのクラスにおけるそれだと気づけたこと
先生のしていることとはいえ、このやり方はおかしいと思える賢さを少年が持ち合わせていたことが救いだった
子どもに対して「学校で何かあったら相談してね」と言うことは簡単だが
その"何か"を本人が自覚することが難しく、子どもの声を聞く上での鬼門になるのだと改めて感じた