あらすじ
医学生の馨にとって家族はかけがえのないものだった。しかし、父親と馨の恋人を始め、多くの人々が次々と新種のガンウィルスに侵され、世界は存亡の危機に立たされた。ウィルスはどこからやって来たのか? あるプロジェクトとの関連を知った馨は1人アメリカの砂漠を疾走するが……。『リング』『らせん』で提示された謎と世界の仕組み、人間の存在に深く迫るシリーズ完結編。
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Posted by ブクログ
『リング』、『らせん』で描かれた結末はどちらも救いがないメリーバッドエンドだったが、本作『ループ』は未来に希望を見出す終わり方で大変良かった。主人公の、世界を超えた愛、そして献身が素直に心を打った。
山村貞子が振り撒いた呪いの惨事の結末としてはあまりにも爽やかで読後感が良かった。
Posted by ブクログ
本当に素晴らしい作品だった。ただ、完全なるSF。
『リング』『らせん』から続けて読んだが、映画版『リング』とはほぼ別物と言っていい。むしろこちらの方が断然面白い。
「この世界は仮想現実なのではないか」という、オカルトやSF好きなら一度は考えたことがあるテーマを、壮大で濃厚なストーリーとともに描ききっている。
ループが発売された当時の時代に、この発想と完成度で作品を世に出した鈴木光司先生は本当に天才だと思う。
ホラー作家というイメージが強かったけど、この作品で「素晴らしいSF作家」という印象に完全に変わった。
特に印象的だったのは、リングウィルスを世界に広めるために『リング』という物語自体が小説・映画・ドラマ・ゲームなど様々な媒体に姿を変えていくメタ描写。
「もしかして私たちもリングウィルスに感染しているのか?」「今生きているこの世界自体が仮想空間なのではないか?」と、読んでいる間ずっと考えさせられた。最高のメタSFだった。
全てを理解した上で、改めて『リング』から読み返したくなり、映画も見直したくなった。
追悼を込めて読み始めたはずが、すっかり作品に夢中になってしまい、、本当に素晴らしい作品でした。
Posted by ブクログ
高校生の頃、単行本で買って初見した。
文庫で再読。
『リング』、『らせん』と続いたあとで、まさかその世界が仮想空間だったと知った時の衝撃はどれほど大きかったか。正直、20年以上前なので覚えていない。
ただ、
生命が誕生したのは偶然ではないのかもしれない。というか、偶然で生まれたはずがない。それくらいあり得ない確率。だとすれば、何者かの手が加えられたのではないか。
じゃあその何者かとは一体何なのか……?
この問いにワクワクしたのは覚えている。
馨の母の、
「サイコロを100回振って六の目が出続けたら、偶然だと思う?インチキを疑うでしょ」
という上手い例えは覚えていた。
Posted by ブクログ
『リング』シリーズ完結作!
今回は貞子の登場は無しで、SFに振り切った感じだったけどそれでもめちゃくちゃ面白い。
インディアンの部分だけあまり入り込めなくて、読んでてあんまりだったかなあとも思ったり。
それでもめちゃくちゃ面白い。タイムリープもの好きだけど、こう言うタイプのループものは初めて見た(読んだ)から新鮮!自分の生まれる前にこんな作品あったなんてすごいなー
Posted by ブクログ
恐らく最初からSFだと思って読まないと、脱落してしまうだろうなというイメージ。私はホラーよりも科学的説明がされた方が好きなので、すごく腑に落ちた。途中難しいように思えるところも、スピードに乗って読むと苦なく読める。
しかし、後から考えてこじつけた割にしっかりと意味も存在も繋がってしまうのが、鈴木光司ワールドの真骨頂だと思う。リングすらもホラーからSF・哲学・科学に変えてしまった。少しキャラクターの違いは感じられるが、それはまさに一卵性双生児のごとく、環境によるもので、二見の両親に育てられたからだろうと読めた。さらに仮想空間という存在をチラつかせておきながらも、それが舞台そのものになるとは思わなかった。
何よりも、リング・らせん・ループと進むにつれて、過去作品が全て伏線になっていくという壮大な回収を最後の最後に見せつけられた。リング・らせんの中の伏線をもっと探したくなる作品だった。
Posted by ブクログ
初読時、あんなに怖かった、そして夢中になって読んだ『リング』『らせん』の世界の「設定」を知ってしまって随分ショックを受けたことを思い出した。
「作り物なんだから何でも起きる」みたいに見受けられたからだ。
あれから随分年月を経て改めて文庫版で読んでみると「時代が追いついた」「それでいてまだ時代が追いついていない」と率直に驚かされた。
世界が随分作り込まれているのに、『リング』の頃から練られていた訳では全くなく、全て後付け設定なのも恐ろしい。
先生の世界観の構築はどうなっているのだろう。
馨、おまえそうだったのか!と言わざるをえない『ループ』
前述どおり、これまでの『リング』特に『らせん』の答え合わせともいうべき話。
本当に凄い作品ではあるのだが、『リング』の影響でホラー文庫扱いなのが勿体無いところ。
これ、最早SF。
哲学でもある。
ホラー要素はほぼ感じなかった。
何だったら貞子は影薄すぎて(というか名前は出てくるけど……のレベル)本当に別物。
別物としては面白い。
ただどうしてもレーベル的に、かつこれまでのイメージ的にホラーとして読んでしまうから、初読時余計にショックを感じたのかもしれない。
と今更ながら自分を分析した。
それだけシリーズの話ごとに変化する稀有な作品だと思う。
Posted by ブクログ
リング3作目。
最初は難しくて読むのが大変だった。
途中からおや?もしかして…となりまさかの!
こんな結末になるとは…
最後のお父さんのセリフに泣きそうになった。
ハッピーエンドにもなり得るしバッドエンドにもなりそうな終わり方。
Posted by ブクログ
おなじみの登場人物全く出てこないし、前作よりも更にSF要素が増してきたぞと思っていたら、まさかの仮想空間!貞子もリュウジもコンピュータ上でシミュレートされた存在だった!という衝撃の真実。更にはカオル=現実世界に遺伝子情報から再構成されたリュウジとな…。まさかこのシリーズでニュートリノの話が出てくるなんて…。前作までの何でもありっぷりには確かに説明つくけど、反則技過ぎやしないか?
今回の主人公、カオルもなかなかの前時代っぷりで息子亡くした後の女性に対する態度がひどいのだけど、リュウジそのものということで納得。砂漠の旅には結構わくわくした。
Posted by ブクログ
前2作読んでないけどまさか貞子がループの世界のバグとは。
それよりも仮想空間の世界は現実と全く同じ様になるのに、最初の生命だけはこちらでつくらないといけない
ってのがこの世界もループなんだと思わせる
Posted by ブクログ
全然ホラーじゃなかった…。
ホラー小説読むつもりで読んだから、戸惑いました。
『らせん』で最悪の状態まで進んでたので、ここからどう繋げるのかを期待してたのですが、良い意味でも悪い意味でも、この手があったかと感心してしまいました。
でも、SF小説と認識してからは、しっかり楽しませてもらいました。これ最後に記載されている参考文献の数からも分かる通り、かなり科学的な知見が盛り込まれていて読み応えがありました。
主人公が苛まれていた視線の件、結局、現実もさらに上位の存在の仮想空間だよ、神という存在に見られてるんだよ、という意味と解釈したのですが、それで合ってるのかなぁ。この件が他の要素に絡んでなかったように思ったので、そういうことかなぁと解釈しました。
『リング』の続きの『らせん』を書いたときもそうだと思うのですが、今回の『らせん』の続きを書くって、相当大変だったのではないでしょうか。前2作ともよくできた話だったので。
なんでここまでして続編を作ったのかなぁ。『リング』シリーズを追いかけてる読者層ってほとんどがホラーを期待してたと思うんですよね。それをジャンルを変えてまで続けたのは、作者の意向?出版社の要望?どっちなんでしょう。個人的には出版社の要望なんじゃないかと思っています。勝手な想像ですが…。
とにかく、SF小説として楽しめましたし、最後の主人公の心情を考えると胸に来るものがありました。
これってさらに続編があるんですよね。
どうなっちゃうのでしょうか。ジャンルが変わるぐらいのことがありえるシリーズなので、俄然楽しみになってきました。続きも必ず読みます。
Posted by ブクログ
あの有名なリングシリーズを3部作まで読みました。
幸せだった家庭が、ガンにより苦しめられ、治療法を模索します。
もちろんそれはあの貞子も関わってくる話です。
全体的な感想としては、2作目までと3作目読んだ後の世界観が変わってくるので、1,2作目を読み返したくなりました。
ただ引っかかったのは主人公の子供も抗体を持つのではないかと思い、ただ仮想世界維持のためにまんまと載せられてしまったのではないかと若干後味が悪いです。
あと、あの人物と同一人物という話が出てきましたが、なんとなく幼少期〜青年期からの人物描写や話し方で全く同一人物というイメージ修正は難しいよなと思いました。利発な青年というイメージで読み進めていたので…。
ただ、それで3作目の映画が作られなかったのはなんとなく察しました。
本書は1,2作目を見て余力があれば読むくらいの位置付けで良いと思います。
Posted by ブクログ
「リング」からこの「ループ」という結末に至ると誰が予想しただろう。あとがきにも「次作の構成はなかった」と書いてあったので、作家の脳内と小説の自由度の凄みを感じた。どこまでも羽ばたける。恐怖!呪いのビデオから、世界の謎に迫る物語に変身。
正直なんのこっちゃと思いながら読み進めましたが、面白かった。個人的に、リング>ループ>らせん。今作はホラーじゃなくてSF。
今作は貞子が1回も登場せずなのウケる。彼女にロックしてループ世界を見るシーン欲しかったな。
結局、過去2作は上位存在が創った仮想世界(?)でした、という壮大な世界観のネタバラシがあるせいで個人の問題は最早どうでもよくなっちゃうのだが、貞子やリングウィルスはバグ的な存在だったということ?その辺りの説明はループを創った当人達も分からない、という感じだったような…
また、ループと現実は相互関係にあるので、馨こと竜司がループのガン化を阻止しても、馨くんの遺伝子を持つ子が現実世界に生まれたらまたなんやかんやありそうですよね。
Posted by ブクログ
前二作をこんなふうに使うとは、すごい思い切りですね!
ただ仕掛けは面白かったけど、ストーリーの展開が遅くて……。
参考文献がとっても多い!なので、たしかに読み応えのある考察がいっぱいなんだけど、ストーリーの推進力になってないような……
エリオットのはぐらかしも、キツかったですね……サムライ8じゃないんですよ!?馨といっしょにイライラを共有しようていう訳じゃないですよね…
あとがきに、リング→らせん→ループ、最初から全体の構想があったわけじゃない、ということがあとがきに書いてありました。そこから、ここまで膨らませて書き上げられるのは、すごいなと思いました。
(細かい齟齬はある気もしますが…山村貞子は安藤とエッチしてた気がするから、処女懐胎じゃないとか…)