【感想・ネタバレ】キツネ狩り(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

3年前のバイク事故で右眼を失明した警察官の尾崎冴子。事故現場の峠を訪れた日から、彼女の右眼には3年前の光景が映るようになる。署長の深澤に特殊能力を見込まれ、上司の弓削(ゆげ)と、未解決一家4人殺害事件の再捜査に乗り出した尾崎は、過去を見る眼と懸命な捜査で徐々に凶悪犯に迫ってゆくが――。斬新な設定と手に汗握る追跡劇で警察小説に新風を吹きこんだ新潮ミステリー大賞受賞作。(解説・吉田大助)

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Posted by ブクログ

女性の刑事ものが好きなのと
カバーのイラストの違和感が気になって購入。

好きだったポイントはチーム感。
私の持ってないものだから惹かれたのかも。

設定がちょっとファンタジーだけどそれを感じさせない焦燥感が表現されてて一気読み。

ただ たまに誰のセリフかわからなくなる時があったのが残念。読解力によるのかな。

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2026年03月14日

Posted by ブクログ

三年前の事故で婚約者を亡くし、自身も右眼を失明した女性刑事・尾崎冴子。
しかし事故現場を訪れた日から、失明したはずの右眼に“三年前の光景”が映るようになる。
その能力を手がかりに、未解決の一家四人殺害事件の再捜査が始まる。

めちゃくちゃ面白かった。最初にあらすじを読んだ時は「犯行現場が見えるなら全部解決では?」と思ったが、それは大きな間違いだった。能力には様々な制約があり、当然ながら事件は一筋縄ではいかない。その制約があることで、特殊設定でありながら逆にリアルさを感じる。

この物語の面白さは、犯人を探すことよりも「分かっている犯人をどう追い詰めるか」という点にある。まさにタイトル通り、キツネがいることは分かっている。そのキツネをどう追い詰めるのか。その展開が非常にスリリングだった。
ヨーロッパの伝統的な“キツネ狩り”は、賢いキツネを人間がチームで追い詰めていく狩猟。この物語もまさにそれを思わせる構図で、チームで犯人を追い詰めていく展開がタイトルとも重なり印象的だった。

主人公は犯行現場を目撃することになるが、その衝撃や葛藤、見えているのに捕まえられないジレンマが物語の緊張感を生む。前のめりになりすぎて危機に直面する場面もあり、物語に起伏がある。
また周囲の人物も個性的で、チームとしての捜査も見どころ。主人公にしか見えない情報があることで、チームの中に認識のズレが生まれ、それがストーリー展開の面白さにも繋がっている。

後半は一気に物語が動き出し、スリルとスピード感で最後まで釘付けだった。
続編の刊行も決まっているようなので、このままシリーズ化していくことを期待したい。

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2026年03月06日

Posted by ブクログ

寺嶌曜『キツネ狩り』新潮文庫。

第9回新潮ミステリー大賞受賞作の異色の警察小説であった。

複数の事件が数珠つなぎのように次々と関係していく様が非常に面白い。そして何より凶悪犯の人物造形が見事である。また、先の見えぬ二転三転の展開と驚愕の結末も見事であった。

驚いたのは若手の新人作家のデビュー作かと思っていたら、自分より上の年齢の作家だったことだ。


3年前のバイク事故で婚約者を失い、自らも右眼を失明した警察官の尾崎冴子は、事故現場の峠を訪れた日から右眼に3年前の光景が映るようになる。そして、3年前の出来事は事故ではなく、何者かが事故を誘発するための罠であったことを知る。

尾崎は右眼の特殊能力を含め、かつての仲間であった弓削拓海と現在は署長となった深澤航軌に事実を打ち明ける。尾崎の特殊能力は深澤に見込まれ、弓削と共に未解決事件を捜査することになる。

尾崎と弓削はバイク事故を誘発させ、その動画をネットにアップしようとしていた犯人を逮捕する。さらに、未解決の一家4人殺害事件の再捜査を行うことになるのだが、バイク事故を誘発させた犯人が投稿していたサイトに一家4人殺害事件の一端が投稿されていたことを発見する。

尾崎は過去を見る眼と懸命な捜査で徐々に姿の見えぬ凶悪犯に迫り、ついにはキツネ顔の男の存在に辿り着くのだが……

本体価格850円
★★★★★

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2026年03月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

三年前の事故で右目を失明し、その事故現場を訪れたことで三年前のその日の出来事が見えるようになった尾崎。
その能力を活かし、自身の事故の真相を追い、過去の一家四人殺人事件を再捜査する。

犯人が見えるのなら、捜査は簡単なんじゃ?と思ったら大間違い。
右目が使えるこは規制や制限があるし、3年前と現在では建物や状況が当たり前だが違う。
一筋縄で行かない捜査の過程も面白い。
また、一番の大きな問題は過去の出来事が見えるということが警察内では共有出来ず、能力を知ってるのはチームのメンバーのみということ。
犯人(キツネ)がわかっていても、似顔絵でしか共有出来なかったり、事件との関連や目撃者の信憑性に欠けたりする。
そんな中でどーやって、キツネの正体を突き止め、追いつめていくのかがこの本の見せ場だ。

キツネの正体がわかり、追いつめてく展開はスピーディーでハラハラさせられる。
痕跡を残さないキツネが不気味だ。
ただ、尾崎と話すキツネの話し方や性格が自分の想像していたキツネとはかけ離れていたため、そこはちょっと違和感だった。
動機が弱いわけではないのだけど、あんなに緻密なのに妙に子供じみていて違和感。

とはいえ、とても面白かったし次も刊行がもうすぐなので楽しみ。


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2026年03月16日

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