あらすじ
奇抜な着想、軽快なプロット、巧妙な話術で、短編を書かせては随一の名手。1963年には『未来世界から来た男』で創元SF文庫の記念すべき第一弾を飾ったフレドリック・ブラウン。SFや推理小説はもとより、怪奇小説や寓話などその多岐にわたる活躍の中から、111編のSF短編すべてを新訳で収めた決定版全集を、全五巻で待望の文庫化。第二巻には、ある科学者の実験で宇宙に打ち上げられたねずみの冒険を描く「星ねずみ」や、結婚を目前にした男に降りかかる数々のありえない出来事の謎を解く「天使ミミズ」など、初期の傑作9編を収録。/【目次】最後の決戦(ハルマゲドン)/エタオイン・シュルドゥル/星ねずみ/新入り/天使ミミズ/帽子の手品/白昼の悪夢/パラドックスと恐竜/イヤリングの神/収録作品解題=牧眞司/解説=鏡明
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Posted by ブクログ
SF短編全集第二巻。表題作含め9編収録。
どの作品もブラウンらしいライトな読み心地からの見事なオチで楽しい。
結婚前の男に降り注ぐたくさんの椿事の謎を解く「天使ミミズ」が特に秀逸。ブラウンの短編、ほんと好き。
機械が意識を持つ「エタオイン・シュルドゥル」の終わり方もたまらない。途中が少しホラーっぽいだけにいいよねあの緩急の付け方。
表題作の「星ねずみ」は明らかにテーマパークの王様のキャラクターから来てるし(笑)木星の第四惑星であるカリストで起こった殺人事件の謎を解く「白昼の悪夢」は→
ミステリ要素もありつつきちんとSFしてるのが楽しすぎる。
「イヤリングの神」や「帽子の手品」あたりのダーク寄りもたまらん。
第三巻は八月発売とのことで、他のSFを読みつつ正座待機してます!
Posted by ブクログ
[最後の決戦(ハルマゲドン)]
今、悪魔の手によって世界は滅びようとしていた⋯。壮大なタイトルとオチのギャップがとてもユニークなショートショート。
[エタオイン・シュルドゥル]
組版印刷のライオタイプに関する知識が全く無いために調べながら読むのが大変だったが、そう来るか、なるほどと膝を打つ見事でユーモア満載のオチで全てが報われた。
[星ねずみ]
表題作。ロケットで宇宙に打ち上げられたねずみのミツキーの冒険譚だ。ちなみに「ミツキー」はツを小さくし忘れているわけではない。某夢の国のねずみ君にオマージュが捧げられている。SFだがファンタジックなので、不思議と人形劇風に脳内再生された。
[新入り]
心を患い、放火癖のある青年。実は火の悪魔に操られていて⋯。マッチの揺らめく炎に魅入られた青年の葛藤にハラハラオチはとてもアメリカ人らしいなと思った。
[天使ミミズ]
天使の翼の生えたミミズを見て以降、主人公の周りで続発する怪現象の正体は幻覚か、それとも⋯。謎が謎を呼ぶ怪現象の法則を解明せんとするミステリが秀逸で、明かされた真相の意外な仕組みが見事で膝を打った。
[帽子の手品]
これはいったいどういうお話だったのだろうか? 帽子の手品を披露した青年は果たして何者? 宇宙人? それとも⋯。読者の想像力に委ねる作品が好きなので楽しめた。
[白昼の悪夢]
証人ごとに死因がバラバラな殺人を捜査するケイカー刑事が遭遇した、世にも奇妙な出来事とは? 何が嘘で何が本当か。SNS社会を予見していたかのようだ。誰もアテにできない時に信じられるのは自分だけ。自分だけは見失わないようにしなきゃな⋯
[パラドックスと恐竜]
退屈な講義の最中、飛んでいた蝿が突如消えた。そこから始まる奇妙奇天烈な出来事の数々。果たしてパラドックスからの脱出なるか!? 読んでいて頭がこんがらがってしまう物語が大好きなので、楽しめた。
[イヤリングの神]
宇宙船の中で雑談に耽る男たち。ひとりがガニメデで遭遇したと語る出来事は真か、法螺か? ガニメデの原住民のイヤリングに隠された秘密とは? 結末に鳥肌が立った。