あらすじ
仏陀の誕生と基本思想,大乗仏教の成立,アジア各地への展開をわかりやすく述べるとともに,日本の仏教受容,鎌倉新仏教と近代以降の展開など,日本仏教の解説にも力点をおく.日本人の生活や価値観に大きな影響を与えている仏教の本質を知り,現代を生きる私たちにとっての宗教の意味を考えるための本格的で平明な仏教入門.
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Posted by ブクログ
仏教の歴史について至極真面目に解説されています。やはり岩波ジュニア新書は良いですね。
・現在の仏教は大きく分けて南伝系仏教(東南アジア)、東アジア仏教(日本、中国、朝鮮)、チベット仏教の3つに分かれる。
・密教は「即身成仏」「真言」「印契(いんげい)」「曼荼羅」「性的なシンボル」を特徴とする。
・菩薩とは大乗仏教の考え方で、利他行を行う人物のこと。悟りを開く前でも菩薩にはなれるということか。
・仏陀の教えは膨大で、どの経典を重視するかによって学派(研究者グループ)が分かれていき、いろいろな宗派が生まれた。たとえば法華経を重視する天台宗など。
日本における仏教の流れ:
・日本に仏教が伝わったのは538年頃で、仏教を受容する立場であった蘇我氏が大きな役割を果たした。
・遣唐船で中国に渡った最澄と空海がそれぞれ天台宗と真言宗を日本で発展させた。
・本地垂迹説(ほんじすいじゃくせつ)という「神は仏が姿を変えて現れたものだ」とする考え方により、神仏習合が進んだ。
・鎌倉幕府の成立とともにこれまでよりも「個」に着目した鎌倉新仏教が生まれ、法然(浄土宗、南無阿弥陀仏の専修念仏説)、親鸞(浄土真宗、歎異抄と悪人正機説)、日蓮(日蓮宗、南無妙法蓮華経の唱題)などが勢力を伸ばした。
・信長による比叡山延暦寺焼き討ちを経て、江戸幕府により武装解除されていた仏教だったが、キリシタン禁制の強化に伴う壇家制度により「国教化」する。
・明治維新後、国家神道を推し進める政府による神仏分離令により、仏教は大ダメージを受けた。鎌倉の鶴岡八幡宮も、いまは神社だがこのときまでは寺としての性質を持っていた。
・昭和以降、現世救済を特徴とする仏教系の新宗教が生まれた。日蓮宗系の創価学会、霊友会、立正佼成会や、密教系の真如苑、阿含宗など。
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仏教の基本的な思想と展開が理解できる。おすすめ。
宗派の違い特徴(特に鎌倉新仏教以降)の解説が欲しかったかも。
- 仏教
- 「仏陀の悟りの境地をどうしたら得られるか」
- コア思想
- バラモン教に対する批判から生まれている
- 絶対的存在の否定 → 縁起説
- カースト制度の否定 → 行動によって決まる
- 基本ネガティブ。苦しみから如何に抜け出すか。
- 縁起説:空間的相関関係・時間的因果関係を重視。
- 輪廻説:悟らない限り、迷いの世界を輪廻する。
- 戒律(三蔵)
- 経(経蔵):仏陀の説法
- 律(律蔵):生活決まりごと
- 論(論蔵):学者の解説
- 三宝
- 仏:仏陀
- 法:仏陀の教え
- 僧:僧侶(仏陀の弟子)
- 仏陀の死後に経典(仏陀の教え)ができる。
- 保守派の小乗仏教
- 革新派の大乗仏教(もっと広く人を救おうよ!)
- 慈悲:利他主義
- 空 :縁起説の徹底。
- 唯識:全ては意識。執着するな。
- 如来像
- 日本への伝来は
- 中国の道教・儒教的思想を取り込んでいる
- 漢字で入ってくる
- 仏教伝来(538年)
- 仏教の支配力が蘇我氏→天皇へ。
- 聖徳太子。国家仏教。
- 宗:宗教の研究集団
- 南都六宗
- 三論宗
- 成実宗
- 法相宗
- 倶舎宗
- 華厳宗
- 律宗
- 神道と仏教の矛盾とその回答
- 本地垂迹説(仏→神)
- 最澄・空海という二人の天才。唐へ留学。
- 鎌倉新仏教の礎に
- 鎌倉新仏教
- 世俗的な国家仏教への反抗
- 官僧やめて「隠遁」する。
- 天台本覚思想への反抗
- 都市部の「個」の悩みの解消
- 阿弥陀信仰:他力。念仏大事。
- 法然、親鸞、一遍
- 釈迦信仰:自力。悟りを得たいという心大事。。
- 栄西、道元、日蓮
- 江戸時代
- キリスト教伝来→島原天草の乱→宗門改め制度・檀家制度→葬式仏教へ
- 廃仏論
- 国家統治のためにインストールされた儒教(朱子学)
- 国学
- から攻撃される
- →積極的な仏教世俗化への努力。
- 芸能の起源は仏教普及のためが多い
- 明治時代
- 国家神道
- 神仏分離令・廃仏棄却でダメージ
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[ 内容 ]
仏陀の誕生と基本思想、大乗仏教の成立、アジア各地への展開をわかりやすく述べると共に、日本の仏教受容、鎌倉新仏教と近代以降の展開など、日本仏教の解説にも力点をおく。
日本人の生活や価値観に大きな影響を与えている仏教の本質を知り、現代を生きる私たちにとっての仏教の意味を考えるための平明な入門書。
[ 目次 ]
第1章 仏教とはなんだろう
第2章 仏教誕生と大乗仏教の成立
第3章 中国・朝鮮仏教
第4章 仏教と古代の日本
第5章 鎌倉新仏教の世界
第6章 近世以降の日本と仏教
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
日本の各地になぜこんなに立派な寺があるのか?と純粋な疑問から仏教に興味を持ち手に取った。
本当に入門で平易にかかれているため、仏教について何かを理解するには全く至らないが、興味を広げるには十分な内容だった。
Next:『ブッダの説いたこと』
Posted by ブクログ
インド→中国・朝鮮→日本の仏教の流れがよくわかる。特に中国仏教については苦手意識があったので、この本で克服できた。日本仏教が半分以上を占めていたので、ちょっと長い印象がある。人文学的なだらだらした文でなく、簡潔でわかりやすい文体だった。
Posted by ブクログ
仏教について改めて学び直すことができた。コンパクトでありがたい。特に、キリスト教などとことなり、仏教は縁起思想で絶対的な創始者といったものを認めないことから、かえって様々な経典や宗派が生み出されていったことなのだなあと思った。また、それが様々な土着信仰などと習合できるゆえんでもあるのかなと。密教について、真言宗は空海がすごすぎたからその後がぱっとしなかったこととか、即身成仏とは、それまでの成仏が何世代もかかって成仏を目指すのに対してだ、というのは知らなかったので勉強になった。鎌倉新仏教についてはさすがに専門なだけ詳しく勉強になった。特に貞慶や明恵ら旧仏教とされた人々も、同じく改革を指向した遁世僧としてくくるべきと言うのはためになった。
Posted by ブクログ
・何故か、シニア版?には、記載されていないエピソードがあるような……。ジュニアとは思えないほど、良い本でした。
岩波新書版の『仏教入門』が、インドにおける仏教史を中心に据えていることに対し、岩波ジュニア新書版の『仏教入門』は(もちろん仏教の芽生えから伝来についても解説してはいますが)、どちらかというと日本における仏教史と人物が主題となっています。
これまでに読んだ仏教の本には載っていないエピソード「鑑真、失明の真相?など」も多く、興味深い内容ですし、仏教の開祖である釈尊の生涯はもちろん、仏教の進化?や伝来に携わった先人の生きざまも、現代に生きる私たちの指針になる内容ですので、先入観を持たずに読んでみることをお薦めします。
表紙の像は、ゴータマ・ブッダのようですが、岩波ジュニア新書ということもあるのか、日本史と絡めて解説しているので、日本史が好きな学生さんには、たまらないでしょうし、日本史に興味がもてない学生さんにとっては、興味を持つきっかけになるかも・・?
仏教を学んでいると、歴史を学ぶためには、宗教史から入ると良いのではないかと思います。
Posted by ブクログ
仏教がどのように生まれ,伝わり,分岐し,変化してきたのかがよく分かる.複雑な経緯と多様で超越的な解釈が,神道をはじめとする日本文化への溶け込みを容易にしたのだと考える
Posted by ブクログ
とても分かりやすい。仏教の基礎的な用語の意味も理解しやすく書いてあるし、入門とはいえこれを分かっていれば一般知識としては充分満足のいく内容です。
Posted by ブクログ
インド仏教、中国仏教、日本仏教の歴史を概観する入門書。日本の比率が高いことも含め、バランスのよい記述だと思う。
ただジュニア新書ゆえか、教科書レベルの記載にとどまる箇所も多い。高校で習う内容よりももう一歩深く日本仏教を知っているぞ、と思えるまでには至らなかった。
また著者の私見と通説的見解の区別がつきづらく、どこまで鵜呑みにしていいのかいまいち分からない。私見にきっちり紙幅を割ける分厚い本ならともかく、結論だけを述べるコンパクトな本だからこそ、もう少しスタンダードに寄せて欲しかったところ。
Posted by ブクログ
鈴木大拙『禅と日本文化』があまりにも難解でちんぷんかんぷんだったので、困ったときのジュニア新書で仏教についてお勉強。教科書的な書きぶりで当たり障りもなく、祖師を切り口にしているので、思想的なことはあまり詳しくはありませんでした。でも、白袈裟=官僧、黒袈裟=鎌倉仏教の遁世層とか、東海道五十三次の「53」は『華厳経 入法界品』のなかで善財童子が尋ねていった53人の先生に由来するとか、ちょっとしたネタを入手しました。
Posted by ブクログ
仏教の基本思想、その誕生とアジア各国での展開にふれるとともに、日本における仏教の歴史に半分強の紙幅をあてている。中高生から一般の人までを対象にした入門書。
平明な記述で大きく説明されており、私のように仏教についてあまり知識のない者にとっては勉強になる。深く知りたい人には物足りないかもしれない。
入門書とはいえ、鎌倉新仏教の位置づけなどは筆者独自の解釈のようで、興味深く思った。また、地域や時代によって仏教が多様であることや、日常生活で知らずに仏教的なものにふれていることなども分かり、おもしろかった。
それにしても、縁起説・輪廻説・四法印といった仏教の根本思想は、何か突き放すような厳しいものだと感じた。いや、もちろん、まだよく理解できていないのだが……。