あらすじ
3001年、海王星の軌道付近で奇妙な漂流物が発見された。それこそ、一千年前に宇宙船ディスカバリー号から放擲された副長フランク・プールその人であった! やがて、蘇生されたフランクが目にする驚くべきものとは……? 全世界を熱狂の渦にまきこんだ『2001年宇宙の旅』にはじまるシリーズ、完結篇。
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Posted by ブクログ
SFを読みたい夏だった…(もう9月)
読みたい本(アンドロイドは電気羊の夢を見るか?)がまだ手に入らないので、積んでいたこれを読むことにしたのだった。以前2061年まで読んだが、ちょっと疲れたのでこれだけ残しておいて、気が向いたら読むことにしていたのをやっと読めた。2061年はレビューを2016年に書いているね…長い間積んでしまったね…ようやく会えたねプール…
一応、フランク・プールが主人公というのは読む前から知ってて、だから3001年ではボーマンとプールが再会するだろう、してくれという希望を持って読み始めて、そこだけを目指して読み進めた本であった。
よかった。それだけで高評価。
モノリスは人類がどうこうできるものじゃないというのを1000年先の未来でも貫いて欲しかったが、人類を超越してしまっているボーマンが介入したから仕方ないかな。
ハルとボーマンは、二人ともすごく大事にされたキャラクターなんやろなとは思ったが、最後はもう少し救いが欲しかったな。
ところでフロイドはどうなったん?
Posted by ブクログ
この本は「2001年宇宙の旅」から始まったシリーズの完結編です。
2001年宇宙に放り出された飛行士が1000年後、
海王星付近で偶然回収され、蘇生しました。
浦島太郎となった飛行士フランク・プールが見た3001年の世界は、
宇宙と繋がる軌道エレベーターや、脳に直接情報をダウンロードできるキャップなど、
まさに「未来はこうだ!」みたいな科学雑誌の世界でした。
だけどタイムマシンや光速宇宙船はありません。
ここら辺の、SFでありながらリアリティを感じさせる絶妙なサジ加減に
アーサー・クラークの勉強熱心さと作家の腕を感じます。
SFの大家が描く未来予想図を楽しんでいるうちに、
物語は人類の危機を迎えます。
あの絶対的“神”モノリスが、どうやら人類を滅ぼそうとするのです。
1000年後の人々は、この事態にどのように対応するのでしょうか。
「人類にとって何よりも関心があるのは、いつだって愛と死なのだ」
2001年宇宙の旅から、人間は所詮サルだというテーマはぶれませんが、
3001年ではブレインキャップによって人間同士が完全にネットワーク化した
共同体として平和に暮らす世界を描いています。
最終話にあたり、齢80を迎えたアーサー・クラークが、
未来への夢と希望を託したのかも知れません。
HALとボーマンの結末、モノリスの意味など全てが明らかになります。
謎に満ちた2001年からの読書の旅も、スッキリ完結しました。