【感想・ネタバレ】ウルトラマンが泣いている 円谷プロの失敗のレビュー

あらすじ

1960年代から80年代にかけて、多くの子どもたちが夢中になったウルトラシリーズ。ミニチュアや着ぐるみを駆使して、あたかも実写のように見せる独自の特撮技術を有し、日本のみならず世界の映像業界をリードしてきたはずの円谷プロは、なぜ、乗っ取られてしまったのか。(講談社現代新書)

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長年、子供たちに夢を与え続けた「円谷プロダクション」。その裏側では大人の事情によって一族間でも内紛が絶えず、映画会社、テレビ局、おもちゃ会社の思惑に振り回され、ついに創業者一族が経営から退場せざるを得なくなりました。本書は、そんな裏事情を生々しく描いたノンフィクションとしても読むことができます。ヒーローの設定が、こんな勝手な事情で決められていたのかと哀しくなりつつも、赤字を積み上げながら良いものを創ろうとした初期の頃の熱気も存分に味わえます。
なぜ、ウルトラマンが泣くことになって、仮面ライダーは復活することができたのか。非常に興味深い内容です。著者は、特撮の神様・円谷英二の孫にあたり、円谷プロダクションの社長も務めた方です。

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Posted by ブクログ

人生でトップ5には影響の受けた作品達が、こんな苦しい状況下で制作されてたとは。
それでも平成三部作を子供の頃に毎週ワクワクしながら見れたこと心から感謝しています。

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2024年12月18日

Posted by ブクログ

映画「ハウス・オブ・グッチ」を彷彿とさせるお家騒動。
ノンフィクションという背景も相まってめちゃくちゃ面白かった。

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2024年06月15日

Posted by ブクログ

社内の円谷担当者は必読です。過去の歴史から、現在の状況までが分かります。
自分が見ていた「ウルトラマンの裏側」がこうなっていたなんて・・・
どんな優良な企業も、慢心が衰退の始まりだと思います。
ちゃんと仕事に向き合って、真摯にいる事が本当に大事。
ゲイツ、ジョブズ、など成功者の苦労物語もありますが、逆にこの本は「栄華からの転落」を自らが語っています。
気がついて反省しても、手放してしまってからでは二度と手に入らない。
壊すのは簡単でも、作りだすのは難しい。
「どうして人間は愚かなのか?」と考えてしまう一冊です。
(2014/10/2)

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2020年12月12日

Posted by ブクログ

著者は特撮ファンなら知らぬ者はない円谷英二の孫で、円谷プロ2代社長の円谷一の子息である。円谷プロと円谷一族の凋落はうわさに聞いていたが、この本にはその顛末と経過が赤裸々に描かれている。もちろん、すべてをその通りに受け取るのは多少躊躇を感じる_立場がちがえば異なる意見や主張も出てくるだろうから_が、少なくとも著者の誠実な語り口は信頼するに足りる。私も「ウルトラQ」に始まって、「ウルトラマン」、「ウルトラセブン」と続く昭和三部作、そしてもちろん映画「ゴジラ」を観て育った世代なので、円谷プロがとにもかくにも活動してほしいと願った。しかし、結果は円谷一族の経営撤退と別会社による全面買収という無残なものになった。
したがって現在の円谷プロは、発足当初の会社とは体制が全くちがうことになる。円谷プロの公式ホームページは現在も充実した内容で誰でも閲覧できる。ウルトラマンシリーズも、新作がでているようなので、旧作のコンテンツ管理上もこれで良かったといえるかもしれない。古い特撮は特撮として、私のような世代は多少の甘酸っぱさを感じながら今も楽しめる。著者には複雑な心証となるだろうけれども。
本当は、「ウルトラセブン」12話の話がでてくるか、と思って読み始めたのだが、さすがにそれは完全なタブーであるようだ。  

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2017年11月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ビックダディ?と突っ込みを入れたくなるくらい、ウルトラマンは子だくさんだ。びっくりするくらい親戚もいる。クリスマス玩具商戦になると意味のない戦闘機に乗り、お正月になれば地球の平和とは関係無く着物姿で見世物となる。「特撮の神様」円谷英二が健在のうちは想像できなかったことだ。
この本を読んであらためて、多くの疑問が氷解した。本書によると円谷プロは経営状態の浮き沈みが激しく、そのたびに幾度となく選択を迫られ、結果として苦戦を強いられるという悪循環が続いていたのだ。そのたびに派生キャラが増え、ヒーロー像が膨らんでいった。
サクセスストーリー本が多い中、挫折体験話は貴重だし勉強になると思うが、正義のヒーロー像が崩れてゆく様は読んでいてとても辛く、切なかった。愛すべきウルトラマンや怪獣達のためにも、彼らに何が欠落していたのかを考えるとともに、円谷プロが凋落していく様子をしっかりと心に刻みたいと思う。

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2014年06月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

あのウルトラマンシリーズを輩出した円谷プロの一族の方が著者の新書。
リアルタイム世代ではないが、夏休みのウルトラマンフェスタにより、相当はまった幼少期だった。
TBSだったことにはまったく意識していなかったが、ビジネス的な側面を本書において確認する事ができた。

バンダイなどと組んでいたにもかかわらず、ガンダムのようなキャラクタービジネスの成功にウルトラマンがなぜ至らなかったのかを当事者が赤裸々に語っているし、夢を作る仕事の現実感をありのままに語ってくれた良書であると思う。
もちろん、ウルトラマンに心酔したことがあるからだが、そうでない人にもビジネスのヒントは満載であろう。

お家騒動によって成功に至らなかった経緯は非常に残念であるが、このキャラクターの価値は永久である。
特撮かくありなん。すばらしい書籍でぜひ一読を推奨したい。

■目次
はじめに―怪獣が身もだえしたわけ
第1章 円谷プロの「不幸」
第2章 テレビから「消えた」理由
第3章 厚かった「海外進出」の壁
第4章 円谷プロ「最大の失敗」
第5章 難敵は「玩具優先主義」
第6章 円谷商法「破綻の恐怖」
第7章 ウルトラマンが泣いている
おわりに―祖父・円谷英二が残した日記

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2014年02月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

"ウルトラマン"という名を聞いて、知らない日本人はほとんどいないだろう。
M78星雲から地球を救うためにやってきた、あのヒーローである。

しかし、そんなウルトラマンを生み出した「円谷プロ」が幾度も失敗を重ね、ついには創業者一族全員が会社から追い出されてしまうという悲劇を迎えていたことを知っている日本人もほとんどいないだろう。

P116 L3 「二〇一二年時点では、バンダイが扱う多くのテレビ番組関連キャラクター商品の中で、最も売れているのは「機動戦士ガンダム」シリーズです。ウルトラシリーズはその一〇分の一以下に過ぎません。」

著者円谷英明は創業者円谷英二の孫にあたる人物である。
創業当時から会社をその目で見つめ、自身も6代目社長を務めた彼が栄光の日々とその失敗の要因に迫っている。



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円谷プロ失敗の要因を簡単にまとめるのであれば、
それは、①過剰な支出と杜撰な財政管理 ②経営のワンマン化 ③人材確保の軽視
この3点に尽きるのではないだろうか。

ウルトラマンの制作にはお金がかかる、グッズの売り上げが上がってくるからどうしても当初は赤字計上となってしまう。これらの要素は致し方のない点である。
だがしかし、大きな問題点はここからでウルトラマンの政策をいわば聖域として捉え、支出の拡大やむなし、という判断が繰り返されていたこと。
また、極端な支出削減に伴って視聴率が下がってしまったことから、制作費を維持したという点自体は問題なかったのかもしれないが、ではどこからその分の資金を補うのか。この点を蔑ろにしてきたことが当然なから大きな問題点である。
次作が始まれば、それまでの作品単体としての収支ではなく、合算して捉えてしまうことで最終的な利益が見えてこない。そんな杜撰な管理が繰り返されていた。

経営のワンマン化、創業者一族円谷家による経営は八代目まで続くこととなる。
一族経営、一家経営と聞くと、どこかで停滞や風通しの悪さがイメージされるのは致し方ないことかもしれない。
しかし、著者も作中で語るようにこれは間違えなくワンマン経営による弊害なのである。経営を支えてくれていた東宝やTBSとの決別によりワンマン化は猛スピードで加速し、その上経営陣の私的な資金の流用などは表沙汰にならなかった。

そして人材確保への軽視。創業当初こそ円谷英二のもとに集まった優秀な製作陣、梁山泊とも言えた当時の円谷プロであったが、出費がかさみ経営が苦しくなってはじめに着手したことが人件費の削減である。確かにそれは致し方のないことかもしれないが、この人材への軽視はその後継続することとなる。それは製作陣に限らず、経営陣においてもそうだろう。とにかく必要な人材のパーツをその場しのぎで確保し、その都度の戦力としてしか確保しない。これらの失敗に本来歯止めをかけることができるセーフティーネット、つまり保険に円谷プロは加入しないまま突っ走ってしまったのである。


しかし同時に注意が必要なのは、この作品が当事者である円谷英明によるものであるという点だ。当事者目線というのは、まさに生の視点、当時の実際の出来事について主観的に語られる貴重な視点であり、文献であることに違いはない。
一方でこれらの作品が客観性を欠いてしまいがちであることには注意しなくてはならない。著者は自身のおじにあたる3代目社長の皐や4, 8代目社長の一夫を痛烈に批判する場面が散見される。著作の通りであれば確かに経営者として、適切でない状況が幾度もあったと言えるが、それはやはり色眼鏡がかけられた主張であることを否定しきれない。それぞれの視点や第三者からの視点、こうした立体的な分析がなされて初めて円谷プロの失敗がどういった点にあったのかを客観的に分析できるのであろう。

この作品はそのひとつのパーツとしての役割をこれ以上にないほど全うしていると言えるが、これ自体がその答えであるとは言えないだろう。
しかし、そういった点を抜きにしてもこの作品の臨場感やその歴史には引き込まれるものがある。


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P19 L7 「むしろ、祖父がこだわったのは壊れ方です。たとえば、鉄塔が怪獣の吐く光線で溶け落ちるシーンを撮る場合、鉄なのに燃えて炎が見えてはダメだというわけで、いろいろな素材を試した結果、ロウで作ったグニャリと溶け落ちるようにしてありました」

P86 L2 「子供向けヒーロー番組の作風の根本が違っていたのです。アメリカでは、より現実味のある等身大ヒーローが主流でした。スーパーマンもバットマンも、スパイダーマンもキャプテン・アメリカも、長く子供たちに愛されてきたヒーローは等身大に限られています。」「ヒーローが持っている超能力も、ある程度、科学的に説明のつくようにしています。」

P88 L4 「あえて言わせていただけば、円谷プロの経営の問題は、同族経営ではなく、ワンマン経営にあったのです。」 

P93 L8 「結果として、円谷プロは、草創期に育ててくれた東宝とTBSという恩義のある会社を、両方とも自ら切ってしまったのです。」

P94 L10 「円谷プロはしょせん下請けの中小企業ですから、相手次第で面白くない思いをさせられることも多々あります。しかし、そこで意地を張らず、恨みつらみを乗り越えて良好な関係にもっていくことができれば、その結果から受けるメリットは、円谷プロのほうがはるかに大きかったのです。」

P101 L14 「怪獣ショーは一日に多いときで五回行われたのですが、無料なのに客の入れ替えをしませんでした。ショーが終わっても、次のショーを見たいからと、客はずっと最前列で座って待っています。そのため、後から来た客は、ショーを見たくても入れず、不満の声が広がりました。」

P104 L6 「番組制作のほうでは、億単位の赤字が積み重なっていて、プラスマイナスすると実際は儲かっていないのに、入金の数を見ると、熱に浮かされたように舞い上がってしまうのです。」

P105 L6 「キャラクターや舞台設定など、番組コンセプトのめまぐるしい変転が、視聴者をとまどわせたという面もあったと思います。」
P115 L10「ウルトラシリーズには、その時々で適当に変えてしまうご都合主義=「しょせん子供番組なのだから何をしても許される」という言い訳が、常に付随していました。」
P116 L10 「「ガンダムは、初期のクオリティやポリシーを守ろうとしている。実際は失敗した作品も多いんだけど、道を踏み外してはいないと思う」というものでした。ガンダムシリーズには、作る側と一緒に育てたいというファンの共感がありました。それこそが、ウルトラシリーズには決定的に欠けていた要素でした。」

P122 円谷プロに必要とされていた3つの頭
①番組制作能力に秀でていること 
②放送枠を確保するため、テレビ局の編成局や政策局の幹部、それらの部署のトップである役員に営業をかけること。
③キャラクターを商品に使ってもらうために、玩具メーカーや文具メーカー、食品会社などに営業すること

P163 L11 平成三部作の一つ「ウルトラマンダイナ」の制作費について、
「当時、ゴールデンタイムの一時間の連続ドラマの制作費が、人気女優を主役にしても二〇〇〇万円と言われていましたから、実にその倍以上で、後から考えれば、ずいぶん馬鹿げたことをしたものです。円谷プロの制作費四〇〇〇万円に対し、テレビ局から制作費として支払われたのは一五〇〇万円程度に過ぎませんでした

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2025年08月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ウルトラマンにそれほど思い入れはありませんでしたが、興味深く読ませてもらいました。

恥ずかしながら、ウルトラマンを手がけた円谷英二がもとはゴジラの特撮を手がけていたというのを本書を読んで初めて知りました。

本書に書かれている慢性的な赤字経営、創業家の会社の私物化、お家騒動の話はファンにとってはショックな話題かもしれません。

そして、最終的には企業買収され、本来の円谷プロは消滅したということで、このことは付き合いの深かった玩具メーカー・バンダイにも影響が及んでいます。
(丁度、バンダイがナムコと合併する時期とも近い)

著者は先代の円谷英二の遺志を継ぐべく、中国での特撮番組を立ち上げようとした話も書かれていました。
結局、それも中国の独特な文化を前にカモにされてしまうという、なんとも後味の悪い話でした。
やはり特撮はコストがかかり過ぎて、今の日本では維持するのが大変なのですね。

調べてみると、ウルトラマン自体は今も新作が作られているようですが、頑張ってほしいものです。

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2021年02月27日

Posted by ブクログ

ウルトラ世代のひとりである私は、心の奥底から揺さぶられる感覚を抱きました。
勿論それは快いものではありません。
本書は中小企業(多くが同族経営)が陥りやすい失敗の豊富な事例集だという人も多いようです。
一方で、現実とは真逆に、円谷一族が一致団結、健全なマネージメントのもと、大企業(東宝orバンダイ)の傘下に早期に素直に入っていれば、「ウルトラマン」というコンテンツはこの30年あたりでどのように変わったのでしょうか?
特オタでビジネスマンの端くれの私にも、ちょっと想像がつきません。
(少なくとも、パチンコ店の大きなウルトラマンタロウの看板は減っていたかも)

◆英明氏について
本書は暴露本スタイルです。
紛争当事者の英明氏は、自陣営に甘く、敵対陣営に厳しい表現が散見されています。
記述情報も公平性がどこまであるかは不明です。

ちょっと、帰りマンまで偏愛気味で、平成三部作に厳しすぎるかな? 
ネクサスは、同意見ですがw
子供を対象としたマーケティングは賛同します。
もっと、オタク層ビジネスにも言及してほしかったです(パイが小さいのかな)。

後半、英明氏が危惧した「円谷商法の破綻」は、現在でもアニメなどコンテンツ産業全般が抱く問題です。
製作費の圧縮(CGの大幅導入)、円盤、スマゲーなど二次回収の多様化。アニメ作品放送自体が広告となっているバランスです。
あと、海外進出は今でも難しいようです(KADOKAWAがアジアで書籍から地道にやっていますが)。

終盤、中国ビジネスの破たんを恥をさらすように開陳されています。
困難でリスク過多の中国での製作に、妄執の果てに私財まで投じて破滅していく様は、これまで英明さんが改めようとしていたはずの円谷プロの惨状をそっくりトレースしているかのようです。
円谷の遺伝子?それとも「特撮」作りってそれほどに麻薬なのでしょうか?

ラスト、父親の一氏に少年時代に早朝に叩き起こされて連れていかれた海釣りを思い起こす一節があります。
往年の活気ある円谷プロ全盛期と現在の悔恨にくれる英明氏の対比が何とも言えないですが、家庭不和のもたらした父親を決して悪く思わずに懐かしまれているのにはわずかに救いが感じられます。

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2018年10月29日

Posted by ブクログ

円谷英二の孫にあたる著者が、円谷一族のお家騒動を語る、と言った内容。

ウルトラマンと仮面ライダー、というのはテレビ特撮の2大ヒーローなわけだが(ふたりが戦う作品もあった)、平成以降の2者の明暗を分けたのは、作家性でも時代性でもなく、ただただ円谷プロという中小企業と東映という大企業の差、という身も蓋もない現実のゆえなのかもと思わせる、そんなことを感じされる本だった。

記述には偏りがあらざるを得ないからそれを差し引くべきなのだろうが、客観的事実からすれば3代社長・皐(のぼる)に大きな原因があるのでは、と感じた。海外版権にかんするタイの企業との裁判沙汰は、真相はわからないけれど大きな要因のひとつには皐のワンマン的経営にあるのだろう。

著者は原点回帰を求めているのか、実相寺昭雄の発言等を引用するするいっぽう、セブン以降のウルトラマンシリーズの評価が不当に低いように思う(半ばわからなくもない部分はあるけれど)。それが愛なのか出来ない言い訳なのか、それはわからないけれど。

ともかく、作品を見ているだけでは決してわからない内幕を知ることのできる本であることは間違いない。

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2017年12月07日

Posted by ブクログ

まずこの本のタイトルに惹かれました。ホントにね。

東芝のような巨大企業でさえ無能な人間がワンマンで暴走すればつぶれてしまう世の中ですよ。
さらに大塚家具のごときお家騒動や誰も把握していないずさんな経理…etc、数々の合わせ技で会社のカラータイマーOFFになっちまいました。
良くも悪くもこの一族は子供っぽい方々が多いようで。
ダメな人達がくんずほぐれつ坂道を転げ落ちていくさまに涙を禁じ得ません。

以下、余談ですが。
本書のウルトラマン相関図に=血縁関係と書いてあるのがなんだかおかしかったです。宇宙人に血縁て!

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2017年09月13日

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ウルトラマンシリーズを作り日本の特撮映画の時代を築き上げた『円谷プロダクション』の、設立から今までの壮絶物語。

華々しいウルトラマン人気の裏で、会社組織としては崩壊していた。
(ビジネスモデルの難しさはあるものの)資金繰りは特にひどく、リストラを繰り返しながら必死に会社を継続していく姿は、読みながら悔しい思いがこみ上げてきた。

創業者一族が追い出されてしまう会社の1ストーリーとしても、読み応えのある一冊だと感じた。

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2017年05月21日

Posted by ブクログ

タイのプロダクションとの係争、そういえば「ハヌマーン」とウルトラ兄弟がたくさんでてくるビデオを見たな。「驕れるものは久しからず」か?

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2016年06月13日

Posted by ブクログ

円谷一族の光と陰を五代目社長が独白した本。
現在の円谷プロに一族の方がもういないという衝撃。ワンマン経営、安易な商法、人材の流出などカリスマ初代と二代目が亡くなってからが初代ウルトラマンファンにも泣ける内容である。

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2015年12月17日

Posted by ブクログ

放漫経営で長期ビジョンが皆無、コンプライアンスの意識がないんだなーと興味深く読んだ。単に特撮=高コストだけが理由じゃなかったんだなと。海外進出の頓挫、お家騒動、訴訟問題、お粗末極まりない。

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2015年01月24日

Posted by ブクログ

円谷プロの実態について、一度は社長もやった人物が暴露した本。おもしろい。特にマモルという野郎が相当好き勝手にやっていたようだ。同族経営って嫌なもんだ。

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2014年10月25日

Posted by ブクログ

円谷英二監督のお孫さんが語る円谷プロの歴史。円谷一族の放漫経営が主な原因で会社が傾いていく様子が、身内の視点で語られる。著者は、会社の更生のために自身が行った努力を強調するが、それも空しく一族のお家騒動に巻き込まれ、社長退任に追い込まれる。その後、中国で特撮番組を制作するビジネスを自身で立ち上げるが、これも現地企業とのトラブルで頓挫する。「帰ってきた…」から平成三部作を経て、「…メビウス」にいたるまでのウルトラシリーズのビジネスに関する裏話が興味深い。平成三部作も赤字だったとは知らなかった。

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2014年09月24日

Posted by ブクログ

本書でいうクラシックウルトラマンの世代だけに、円谷プロのお家騒動と失敗にはちょっと複雑な思いを感じる。スピルバーグやルーカスを生み出したといっても過言ではない特撮は、結局両刃の剣だったということなのだろうけれども、何らかの形で将来にうまく活かしていく方法はなかったのかと、とても残念に思う。

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2014年01月19日

Posted by ブクログ

5代目 円谷プロ社長・英明氏から見た円谷プロの半世紀史。
確かに 作品や怪獣のクオリティ面でウルトラマン、セブンから徐々に落ちて行っているなという感想を抱くが、円谷の内側ではこんなことが起こっていたのかと時系列で追える点で非常に楽しめた。
ウルトラマン好きには知りたくない内容も含まれるとあるが、今しっかりと明かされてとても楽しめた。
円谷一族が現場からいなくなったとありますが、今後も良い作品ができることを祈っています。

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2014年01月04日

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円谷プロの興亡を通じて、円谷家の内紛や、ウルトラマンおよび関連コンテンツがいかに翻弄され、「オワコン」(死語?)になっていったかを円谷家の内側から明らかに記した本。仮面ライダーやレンジャーシリーズのように、イケメン俳優の登竜門的番組にできればもっと生きながらえることができたのだろうか。ウルトラマンでそだった第一世代なので、真に悲しい気持ちで読みました。

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2013年12月15日

Posted by ブクログ

お家騒動、ワンマン経営、丼勘定の放漫な経理体質…よく50年も持ち堪えたな、というのが正直な感想でした。
本書を読む限りでは、東宝やTBS、バンダイの尽力も大きく、円谷プロが東宝から離れてしまったこと、TBSと決裂してしまったことが悔やまれてならないです。

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2021年12月31日

Posted by ブクログ

この春ウルトラマンオーブも公開され、映像の中のウルトラ兄弟は団結し増殖に増殖を重ねていますが、現実世界の円谷ウルトラ一族は内紛を繰り返し衰退の窮み。ウルトラの星M78星雲である円谷プロにもはや円谷の血脈は存在していないとのこと。もし、と想像してしまうのですが円谷一族が円谷というロマンチックな苗字ではなく佐藤とか鈴木という普通のものだったらこんな哀しい歴史にはならなかったのでは…と思ったりします。輝ける創業者のDNAは字名と同じようには受け継がれるものではなかったのですね。

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2017年02月24日

Posted by ブクログ

円谷一族の一部に残念な人間がいたことから、円谷プロダクションから円谷一族が追放された顛末記。
こんな経営でも50年近くなんとかなっていたのが逆に驚き。

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2014年04月12日

Posted by ブクログ

目新しくて結構好きな「ウルトラマンゼロ」シリーズが買収以降に作られた作品であることが全てを物語っている。

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2014年03月20日

Posted by ブクログ

お家騒動に放漫経営。浮き沈みの激しい業界とはいえ、こんな経営とはいえない経営をしていては失敗も必然。今では常識のコンプライアンスや内部統制なんてこれぽっちも見られない。

でも、初期のウルトラQやウルトラマンが素晴らしかったのは事実。採算なんか考えずに特撮に手間と金をかけたからこそとも言える。

れにしても、ウルトラマンという貴重なコンテンツを守れずに迷走を続けてきた事は残念でならない。

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2014年02月14日

Posted by ブクログ

円谷プロ5代目社長の会社盛衰記。
悔やまれる話と裏目に出た話ばっかり。
現在の円谷プロには円谷一族は一人もいないと言う衝撃的な事実。
読んでると哀しくなる。

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2013年12月18日

Posted by ブクログ

え!怪獣が毎週テレビで見れるなんて!僕らの夢をかなえてくれたウルトラマン、円谷プロ。こういうパイオニアってたいてい経営が下手なんだよね。お家騒動もお定まりだし。

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2013年11月26日

Posted by ブクログ

「特撮モノ!ウルトラマン!」で名を馳せた円谷プロの栄華衰退を、近親者が明かした本。
ドロドロしいやりとりが並ぶ。
(結果として一族は経営を、パチンコメーカーにあけ渡す。)

また、近年のCGをはじめとした映像技術の進捗は著しく、悲しいかな特撮の需要そのものが減っており(それでも著者は特撮は予定調和のCGと違い人間の想像力をこえる!と言っているが‥)、ここでもまた技術革新が一つのビジネスを衰退させている事が垣間見えた。

またゴールとしてのキャラクター商品の販売意図が見えすぎなまでに見える番組作成の裏側等、ビジネスサイドからみても、興味深い話満載である。

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2013年11月19日

Posted by ブクログ

内容は円谷プロが特撮で有名になり、最終的にパンチンコ関連の子会社になるまでの会社の栄枯盛衰をかたったもの。まさに中小企業の経営のもがき苦しみを語ったものですね。MBAの諸君もこういった題材でケースを勉強すると身になると思うんですがねぇ、、、

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2013年10月25日

Posted by ブクログ

ウルトラマンというか所謂「特撮」で有名な円谷プロ。
その6代目社長による回顧録。

特撮の中でも、ウルトラマンに関する著作は非常に多いと思う。長年のファンだけではなく、特撮そのものに関するものや脚本、監督など分析や回顧など執筆者の立場だけでなく内容も多岐に亙る。
そのような中で、円谷一族に生まれ、様々な場面を見て、実際に経営に携わった人の記録はそれなりに価値のあるものだと思う。
ウルトラマン自体にあまり関心はないけれど、特撮モノを扱う会社の現状に関心があったため、手に取ってみた。

本書の構成は以下の通り。
第一章 円谷プロの「不幸」
第二章 テレビから「消えた」理由
第三章 厚かった「海外進出」の壁
第四章 円谷プロ「最大の失敗」
第五章 難敵は「玩具優先主義」
第六章 円谷商法「破綻の恐怖」
第七章 ウルトラマンが泣いている

特撮の分野で成功を手にした円谷プロ。栄光が続くと思われたところからの経営危機。本書によれば、幾度となく経営の危機にあったが、歴代社長によってなんとかやりくりしてきたことが記されている。
しかし、本書の序盤から「特撮」というコンテンツが内包する大きな問題点が記されている。
それは「製作費が高い」ということ。これが最後まで尾を引いている。

ビジネスではなく、芸術作品という考えを重視した円谷英二。本人の才能は高かったが、結局、人を育てるのは難しかったのかもしれない。円谷プロは人の出入りが激しかったと記されている。円谷から巣立った人々は基本的に自分たちで勝手に学んでいったという感じだったのではないだろうか。
お金も時間も限られたテレビ作品では、映画作りのようにいくわけがない。
「30分番組なのに粗編集段階で1時間以上もあった」(33頁)というのは、コンテをきらず、頭の中だけで物語を考えていたのではないかと勘繰ってしまう。カメラも特技も脚本も、それぞれに才能ある人がいたはずなのに、それをうまくまとめられる人が育たなかったのだろうか。だからこそ、特撮技術のみをもって「ウルトラマンをつくった」気になってしまったのか。「創造した」というのなら、それは特撮というコンテンツの中で、一つの作品として創造したということで、確かにその通りだと思うけれど、テレビを媒介として多くの人々に認知させ、育てていったのはやはり放送権を持つテレビ局ということになると思う。
また、金さえあれば、また時間さえあれば良いものが創れるとは限らないだろう。映画『マッドマックス』や『ロッキー』などは低予算にもかかわらず、興行的には大成功だったという例もある。

テレビ枠の特撮というと、現在でも「仮面ライダー」と「戦隊ヒーロー」が続いている。特に「戦隊ヒーロー」は1975年の「秘密戦隊ゴレンジャー」以降、一度も区切られることなく現在も続いている。視聴率等から言えば、常に安泰な番組ではなかった。その証拠に放映曜日や放送時間は幾度となく変わっている。それでもテレビ朝日や東映、さらにはその下請け会社の努力で、今でも続く番組を製作し続けている。

本書のみを読んだ上で言えば、東宝から独立したのは失敗であったろうし、TBSともめたことも結果として自分の首を絞めたといえよう。
ただ、「ウルトラマン」から「帰ってきたウルトラマン」くらいまでの作品は、ライダーや戦隊モノにはない視点(必ずしも勧善懲悪ではない等)で描かれており、同じようなテーマで長年続けるのは難しかったのかもしれない。まして映画ほどの製作費をテレビ番組で使用できないとなれば、テレビではなく、「ゴジラ」や「ガメラ」のように映画に回帰してもよかったようにも思う。
大いなるマンネリとして「水戸黄門」を出されていたが、あの番組は基本構造が「勧善懲悪」だったからこそ続いたといえよう。上述したように、ウルトラシリーズは必ずしも勧善懲悪でないところに特徴があるのだから、大いなるマンネリでよかったといっても、それは難しかったと思う。

平成に入ってからのウルトラマンシリーズが興行的(というか視聴率的)に大失敗であったことは、本書で初めて知った。様々な理由が考えられるのだろうが、一特撮ファンとしては残念な話である。

そういや、「ウルトラマンゼアス」については全くふれられていなかったな…。

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2013年10月22日

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