あらすじ
桐生駿と野田夏が出会ったのは5歳のとき。夏の父に恋した駿の母が、密会のため夏の家に通ったからだ。親同士の情事の間、それとは知らず階下で待っていた幼い二人は、やがて親たちの関係を知る。以来二人は、互いに「できれば思い出したくない相手」と感じながらも、なぜか人生の曲がり角ごとに出会ってしまう。まるで、互いの恋愛の証言者のように。男と女の「愛ではないけれど、愛よりもかけがえのない関係」を描く長編小説!
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Posted by ブクログ
親同士が不倫関係だった駿と夏の終わらない関係。
5歳の頃、駿と夏は、駿の母に手を引かれて川辺に行ったこと。
駿の母と夏の父が2階で交わっている間、彼らは1階で待っていたこと。
高校生で互いに出来た恋人と、それぞれ一緒にいるときに偶然出くわしたこと。
彼氏と別れる口実に、駿を利用した夏。
互いの親の関係が終わっても、駿の母は、駿が医大に落ちたのは夏とその父親のせいだと恨んでいること。
駿の母が亡くなる前に、夏と夏の父に会いに来てもらったこと。
手に入れたはずの夫が女を作って、離婚した夏。
病気が見つかったのをきっかけに離婚を言い渡されている駿。
5歳から、60歳くらいまでの駿と夏のそれぞれの人生。
それぞれの人生を歩んでいながらも、ふとしたときに思い出す互いの存在。
Posted by ブクログ
*密会を重ねる父母の情事のあいだ、それと知らず共に過ごした幼い駿と夏。以来、思い出したくない記憶を封印するも、なぜか人生の曲がり角ごとに出会ってしまう。まるで、互いのおろかな恋愛の証言者のように…。男と女の“恋愛よりも深い縁”を描く長篇小説*
駿と夏、それぞれの数年ごとの人生が交互に書かれているので、飛ばされた数年の経緯を想像する楽しみがあった。”恋愛より深い縁”はあまり感じられなかったけど。薄幸感漂う、つらつらと不思議な作品。
Posted by ブクログ
読後感が妙な物語だった。
母とその息子の駿と母の恋人とその娘の夏。
その二人の幼少期から中年までの物語。
語り手が駿と夏に交互にかわる。
二人が恋愛関係になるかと言えば、ならない。
でも人生の節目節目に思い出したように
連絡をとり、何かを確認しあう。
その微妙な空気感が題名である恋人でも妻でも夫でもない
その相手、駿と夏の間だけでわかることなのかな。
でもふあーっとした内容で、何が一番伝えたいことなのか
あまり伝わってこなかった。
夫に隠そうともせず恋人に夢中になり
恋人と別れた後は恋人相手に何かしら問題点を
みつけてからみつこうとする
ちょっとエキセントリックな駿の母親が病気になり
死に近づいて、駿の成人後離婚した父がいう、お母さんの
こういう感情も死ねばなくなるんだな、不思議だな
という言葉が心に残った。
極端な話、尼崎の殺人事件で自殺した犯人の
ものすごいどす黒い感情だって自殺してしまった後は
突然消えてしまうんだ。それが自分も子供の頃から
死んだら感情はどこへいってしまうんだろうって考えていた
その怖い気持ちと一致してなんかはっとした。
読み返しなし、読後感はうーん可もなく不可もなく。
読んで良かったどうかもわからない作品だった。