あらすじ
大学をはじめ学校の運動部出身で特有の価値観・行動様式を持つ体育会系。
厳格な上下関係、規範意識の高さなどを特徴とし、爽やか、暴力的、勉学が苦手、就活に有利など様々に語られてきた。
本書はその起源から、先輩・後輩関係の分析調査、スポーツ推薦入試の軌跡と現状、就職後のキャリア形成の困難まで、彼らを多角的に描く。
近年、話題となる不祥事の歴史も追い、日本社会で500万人以上とも言われる日本独自の体育会系の実態を描く。
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Posted by ブクログ
青森山田高→帝京大でバトミントンに打ち込み、早稲田大大学院を経て順天堂大准教授を務める著者が、自身の競技経験で疑問に思ったことを基に「体育会系」の成り立ちや、スポーツ推薦入試、続発する不祥事、就職後のキャリア形成の困難などを論じる。
体育会系は全共闘運動などの学生運動で、対立軸としてメディアが標榜したのが始まりという。驚いたのは、スポーツ推薦入試の募集人数など要項を詳しく出している大学が少ないこと。学力によらない選抜の上、監督ら人間関係によって決まる進路は不透明さがつきまとう。またスポーツ推薦だと学びたい学部学科も選べず、競技の忙しさも相まって、学力警視につながりやすい。
多くは大学で引退するアスリート。セカンドキャリア形成も課題だ。「競技しか知らない」「競技以上の感動を味わえない」などの意識が足をひっぱるという。また体育会だから就職に強いという神話については、高威信大学のチームスポーツ経験者で男性がエリート体育会系で、ノンエリートとの格差もあると指摘。近年の採用の主眼は集団適応型から、主体的・創造的な個人へと価値軸が移っているとして、組織適応力だけではなく、競技で培った実践的スキルや対人能力を言語化してアピールすることも求められているとしている。
日本の競技スポーツを学生アスリートが引っ張ってきたのは間違いないが、最終的には必ず引退が来るのが競技者の定め。自身が得てきた貴重な競技経験をどう社会に還元していくかという視点が必要なのだろう。
Posted by ブクログ
日本独特の体育会系の文化。学生運動での体制側、スポーツ推薦、部内でのいじめ、パワハラなど。
実際にバドミントンで体育会系の道を歩んできた筆者が分析する体育会系の実態。
知人の子が正に筆者の指導下にいることから本書を知り読破。
Posted by ブクログ
ニッチな風俗史系の本は、よくもこういったものを仕立て上げたなというありがたさがある。データの羅列になると堅苦しいが、ある程度卑近な話題でもあるため楽しんで読めた。
Posted by ブクログ
体育会系学生の不祥事や、某大学が体育会系に牛耳られていたことに驚いたことなどから手に取った。
体育会系の闇を取り上げた本は多いが、こちらはデータを元に掘り下げた内容。研究者著書の新書は眠くなる内容が多いが、体育会系の定義や歴史、問題点など、考えさせられた。体育会系出身の著者だからこそ、書けると思われる。
体育会系の人も勉強できる人も多いと思うし、なにかのきっかけだろうし、一般学生も問題を起こすこともある。スポーツ関係なく、倫理観の身につけ方が重要と思われた。
勉強もそうだが、スポーツに秀でた人ならではの悩みを知ることができ、価値観を広げてくれたと思う。
Posted by ブクログ
体育会系のノリがどう社会に影響しているか、、、、みたいなことを期待してましたが、ちょっと違って、大学の体育会とかスポーツ推薦入試がどのように影響しているか、という本でした。
とはいえ、期待してた前段のことも少ないながら書いてあるし、体育会系が成立した歴史(経緯)なども研究してあって、興味深く読めました。
読みやすくて、軽く読める感じです。
大学とはアカデミズムを体現するところ、、、、というのは、確かに改めて意識しないといけないなと思います。
そして、多様性の社会、というものへのハードルの高さも感じました。つい、自分と違う嗜好の方を排除してしまうような、自分の考えも反省しないといけないなと思いましたり