あらすじ
部下から質問されるまでは、じっと忍耐。部下自身が体でつかみ取るのを待つ。自分で考える事のできる人に育てる。
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Posted by ブクログ
チェック項目32箇所。コーチの仕事は教えるものではなく、見ているだけでいい。選手なりのよいところはある。良い部分は何かを見極めて頭に叩き込む。何が良くてなにが悪いか分析能力が必要。一年目の選手に否定をしてはいけない。1+1=2の発想から2=3-1、1×2など無限の過程を考える。相手の望みがわからないうちはコーチは何を話してよいかわからない。やり方を間違えないことが大前提。やり方がわかれば突き詰める。欠点を直すこと=良い部分が失われること。誰にでも長所と短所はある。監督は勝つこと、選手は自分のことだけ考える。監督はあくまで「優勝を狙う、それだけの戦力がある」と言うのが基本。それができない監督はユニフォームを着る資格はない。不要な謙遜はチームを停滞させる。指導者が過去の実績にしがみついてはいけない。最終的な起用法は監督が決める。コーチはなぜ選手たちをそういう使い方にしているのか説明責任がある。投手が納得して登板できる環境を作る。良い上司は部下を信頼する。まずは部下に腹の中をすべて吐き出させる。上司が一方的に方向性を決めると納得しない。「自分がいなければ・・・」という人に限って自分がそこにいたいだけ。現場の最高決定権は指揮官が持つ。そのことをあいまいにしてはいけない。責任は組織の長が取り、当事者も取るべき。中途半端なゼネラリストよりスペシャリストが好まれる。年俸問題・・・一人だけ5億、10億貰うと周りに影響アリ?日本のプロスポーツはあくまで企業のバックアップで成長した。ヨーロッパとは違う。チームのためになることは何か?自分で考える。自分を生かすことと自分のやりたいようにやるのは別物。目標は公言するとやるべきことが見えてくる。食事と睡眠・・・精神的スランプ克服法はシンプル。人間としての基本を考える。生活を見直す。本当の自信とは感性を研ぎ澄まし、自分で自分を洗脳することから始まる。裏方の選手からも学ぶ低姿勢。異なった考え方の人間が入ると質問が出ることがある。前の会社での実績はまぐれかもしれないと思って初心に戻って働く。ヤケ酒や仲間との悪口はそのときは気分爽快でも自分には何も残らない。
Posted by ブクログ
史上唯一人の三冠王三度獲得者、そして三度のリーグ優勝監督。
選手としても監督としても成功し続ける落合博満。
本著ではその落合博満の「生き方」「考え方」を垣間見る。
彼は自分をエリートではなかったという。
エリートではなかった自分を、自ら一流に育てあげた実績・経験を元に、
関わってきたプロ野球関係者とのエピソードを交えながら、
「コーチングとは?」「良いコーチ、悪いコーチとは」を本人の言葉で語る。
その根底には「自分の人生をより実りあるものにしよう」という信念が見えた。
同時にとてもクレバーな印象を持った。
中身の無いプライドに捕らわれず、最短距離で目標に向う合理的発想と、
這い上がる過程で自ら経験したであろう人と人の気持ちとが丁寧に記されている。
プロ野球選手を、そして自らを職人だという落合博満の考え方は刺激になった。
(2001年春季横浜ベイスターズキャンプ臨時コーチ後、2001年8月執筆)
第一章 )教えるのではなく、学ばせる
○「自分で育つ」ためのコーチング
○方法論は教えられるが「これをやれ」とは言えない。
○欠点を直すことは、良い部分が失われることでもある。
第二章 )指導者とは何か
○マイナス思考/○主体は意思ある選手
○責任はまず組織の長が取る。そして当事者にもとらせるべきだ
第三章 )選手(部下)をダメにする禁句集
○「良いコーチ」と言われたいのか、なりたいのか
○「そんなこともわからないのか」は上司の禁句
第四章 )組織の中で自分を活かす術
○明確に設定した目標を公言せよ
○自分の感性で自分を洗脳せよ
第五章 )勝ち続けるために、自分自身を鍛えろ!
○プロの自覚と自信を手に入れる思考
○自分のマニュアルを使えるのは自分だけ
○誰のためにやるのか、余分なプレッシャーを背負う必要はない
○チャンスはいつ来るか判らない、常に真面目に生きる
○常に考えれば道は開ける、壁から逃げるな
○良き理解者が三人いれば、人生は見誤らない
Posted by ブクログ
落合氏が監督を退任された後のタイミングでこの本を読んだのですが、当時から殆ど考えのブレもないことが感じ取れ、見通しの鋭さに驚きを禁じえませんでした。
個人的に、打撃の最適解は個人個人で違うからおいそれと指導できないという旨の主張については異論があるので、★4つとしました。
ただ、リーダーの考え方として、組織の在り方として、プロ野球団のみならず、一般の社会人でも示唆を得られるような考え方が随所に散りばめられていて、読んで良かったと素直に思える本だったと思います。
Posted by ブクログ
落合博満『コーチングー言葉と信念の魔術』を読む。
近著『采配』がよく読まれているが、
その勢いで10年前のこの著書も増刷平積みになっていた。
落合の野球に対する姿勢、群れをつくらない生き方には
かねがね共鳴していた。
この本は素朴な文章ながら落合の考えが率直に述べられている。
よくありがちなゴーストライティングの匂いがしなかった。
例えばこんなタイトルが並ぶ。
コーチは教えるものではない。見ているだけでいいのだ
最も優秀なコーチこそ、一軍ではなくファームに置きたい
「良いコーチ」と言われたいのか、
それとも「良いコーチ」になりたいのか
部下の専門分野に強くなれ
食事と睡眠。精神的スランプ克服法はごくシンプル
たとえ結果が出なくても、
自分がやってきた事実まで否定するな
良き理解者が三人いれば、人生は見誤らない
(本書目次p.8-16から引用)
この本を書いた2001年春、
落合は横浜ベイスターズ森監督に招かれた。
現役を引退して初めて3日間だけ「臨時コーチ」を務めたのだ。
その後、落合が監督としてどれだけの実績を残したかは
僕たちは日本プロ野球史の事実として知っている。
『コーチング』『采配』を同時に読むことで
落合の目標設定、方法論とその結果を比較対象できるのだ。
有言実行の男、落合に学びたい。
(文中敬称略)