【感想・ネタバレ】ランナーのレビュー

あらすじ

長距離走者として将来を嘱望された高校一年生の碧李は、家庭の事情から陸上部を退部しようとする。だがそれは、一度レースで負けただけで、走ることが恐怖となってしまった自分への言い訳にすぎなかった。逃げたままでは前に進めない。碧李は再びスタートラインを目指そうとする――。少年の焦燥と躍動する姿を描いた、青春小説の新たなる傑作!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

この本は、小学生の頃に読んで以来、久しぶりに読みました。
綺麗なお話です。主人公は重たい境遇ですが、最後は綺麗に終わってくれてとても安心しました。
文章がとても丁寧で、走るシーンの描写の美しさ、爽やかさが感じられます。

登場人物全員が良い人すぎます。
マネージャーの杏子、いつも碧季を信じてくれる監督の箕月、辛い時に助けてくれる久遠。病院の先生の熊泉。みんなが碧季を支えようとしてくれていて、でもそれを素直に受け取れない碧季の気持ちも分かるしハラハラしました。
父さんが最後杏樹に噛まれるところはスカっとしました。お前が元凶だぞ。自分を見つめ直せ。

碧季(あおい)っていう主人公の名前が綺麗で、この話にピッタリだなあと思いました。

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2021年06月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ただ走る。
僕にできることはそれだけ。
何のせいにもしない。

家庭では妹が虐待を受けていて…
それでも走る。
僕はランナー。

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2022年06月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

離婚、子どもの虐待、ヤングケアラー……。碧李と杏樹の環境はヘビーだ。謙吾と千賀子が離婚していなければ、って思うオイラは単純なのかな。浮気をした謙吾は家族よりも自分の快楽を優先して、千賀子は養育費をもらうことで離婚を許す。例えがよくないかもしれないけど、交通事故に遭って加害者はお金を払い、被害者は相応のお金を得ることで事態を納める。でも、治療しても治らない怪我や病気だってある。離婚だってそうだ。ただ、交通事故と違うのは離婚には選択肢があること。大人である夫婦はお互い残りの人生を充実したものにしたいから離婚を選択するのだろう。でも子どもはそうはいかない。「人生は何度だってやり直せる」のかもしれないけど本当にそうだろうか。誰かを犠牲にしても自分の幸せを優先する人が本当に充実した人生を送れるの?離婚も交通事故も被害者や加害者ではなく、当事者にならないことがいちばんだと思う。おそらく碧李と杏樹は離れ離れにならずに済んだと思うけど、千賀子の虐待がなくなるかはわからないし、碧李のヤングケアラーも続くのかもしれない。オイラが重く考えすぎなのかもしれないけど、碧李には走り続けて欲しいな。

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2022年04月16日

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