あらすじ
シャープ、ソニー、ソフトバンク、ヤマダ電機……日本企業は“植民地化”されていた!
アップルの真の姿とは? 経済ジャーナリストが迫る衝撃のドキュメント!紙と電子同時発売!!
スティーブ・ジョブズというカリスマの陰に隠されていた、アップルの真の「凄み」。それは時に獰猛な姿さえ見せてビジョンを実現する組織の「実行力」にある。ものづくり、流通、通信、音楽、家電量販店、携帯電話etc. 日本企業を翻弄するその手法を知る人は少ない。厚いベールに覆われた、「アップルの正体」に迫る!
プロローグ アップル帝国と日本の交叉点
第1章 アップルの「ものづくり」支配
第2章 家電量販店がひざまずくアップル
第3章 iPodは日本の音楽を殺したのか?
第4章 iPhone「依存症」携帯キャリアの桎梏(しっこく)
第5章 アップルが生んだ家電の共食い
第6章 アップル神話は永遠なのか
エピローグ アップルは日本を映し出す鏡
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
アップルのすごさと恐怖じみた経営戦略があった。日本企業の堕ちかたが鮮明に書かれていた。極秘にされながら、これまでの情報を引き出せたのはすごい。日本企業は、生き残るためにアップルは必要だが、また、自分の首を絞めている、このジレンマ。店頭に置かれているアップルの見方が変わる。
Posted by ブクログ
コンピューターが出始めの頃アップルはあこがれであった。
それがマックと呼ばれる頃には手が届くところまでおりてきて一時はマックユーザーではあったのだが、windowsが使い物になり始めた頃からまたマックとは縁が遠くなったのである。
会社から支給のipadは持っているものの、自費で購入したアップルの製品は一切無い。持ちたくないと言うわけではないが、あのタカビな価格帯に手を出しかねている。昔感じていたほど高値の花ではないがあえて選択したいとも感じない。
そして、この本を読んでアップルの製品は買うまいと固く決意をしたのである。
アップルはまさしくアメリカの企業である。プロダクトしないで金を集める仕組みに徹している。もちろん他の追従を許さない技術力の高さがなせるわけではあるが、あのガレージ企業であったアップルまでが拝金主義にまみれたアメリカ企業になってしまったのかである。
日本のメーカーよ一致団結してアップルに当たれである。アップルへの追撃をサムソンに任せていてはいけないのである。
日本のメーカーがアップルによってトンでもない状況に落ちいっている状況が良く判る本である。一読をお勧めする。
Posted by ブクログ
主に日本国内の,メーカー,家電量販店,携帯キャリア等に対するアップルの強圧的な姿勢を証言や数字を元に示している。
日本企業のこれまでの仕事の仕方とも比較されている。アップルの,結果を出すためにとことんやる方針も学べる。
Posted by ブクログ
知られざるアップルと日本企業の関係を描いた本
これを読むとiPhoneのCMが3つのキャリアで同じものなのになっているのかか(なぜ独自のCMを作らないか)がよくわかる
今年読んだ中で一番おもしろかったかも
Posted by ブクログ
非常に興味深く読んだ。
アップルのやっていることは、商売の「イロハ」だ。
しかし、利害が交錯すると、その基本を貫くことは難しい。
「良い戦略、悪い戦略」でも冒頭にアップルの例が載っている。教科書に載っているような戦略をやり遂げた例として、ジョブズ復帰後が取り上げられていた。
本書では、アップルのビジネスと日本の関係について、1)生産現場2)家電量販店3)音楽産業4)携帯キャリア5)特にソニーとの関係、と、現状を赤裸々にリポートする。
第6章では、アップルが貫いてきた「シンプル」なビジネスを、今後も貫けるのか、株主・従業員・ユーザーの支店からまとめられていた。
しかし、名だたる有名なメーカーがアップルに部品・技術を提供しており、その依存度は高く、アップル製品の売上に自社の運命を依存せざるを得ない状態というのは、かなり衝撃的だった。
確かに、「安売り合戦」となり、寡占化が進んだ家電製品の流通・販路で量販店が得ていた利益構造は、こういった形で破壊されるだろうとは、起きてみると素直に頷ける。
判断の速さがビジネスに直結しているという例が、ソニーを取り上げた章では特に詳しく書かれていて、なかなか難しい話だな、と思った。
戦略の「驚き」とは、教科書に載っているような基本戦略を貫けるかどうかだが、利害関係者が増えると、組織としての一体感も方向性も力も分散してしまう。
これを抑えることが出来たこと、が、やはりアップルの現在を作ったのだろうと思う。
それはやはりジョブズの力なのだろうか?
Posted by ブクログ
アップルが特にiPhone、スマートフォンの発明を通して、いかにデジタル系のものづくりのあり方を変革させたのか、がわかりやすくまとめられた本。
前半は日本の各企業がiPhoneの部品メーカーとしてアップルの言いなりとなり、厳しい状況に置かれている現状が書かれている。特に「アップルの下請けとして大量注文には巨額投資の必要と受注を失った時の生産設備余剰という2つのリスクが存在する」という言葉が印象的。
中段はiPhone登場前までは、キャリアがメーカーに何を作るか指示していた。ジョブズは電話を再発明するとして、キャリアによるメーカー支配の構図を壊し、逆にアップルによるキャリア支配の構図を作ったという内容が書かれている。
後半は主にソニーとの対比を通して、ウォークマン、サイバーショット、ソニーミュージック、Moraなどの各サービスをアップル・iPhoneが巧みに取り込んでいったかかが書かれている。
少し古いが、ハードウェアベースのサービス事業に興味があれば必読の書と思う
Posted by ブクログ
これまでアップルは好印象だったが、この本を読んで、そのやり方の冷酷さを知った。下請け企業は、それでも契約すると多くの利益が得られるため、依存せざる負えない。しかし、アップルに見捨てられたら、過剰な設備を維持できず、買収されることになる。
Posted by ブクログ
若い著者が取材に基づいた読み応えのある書である。アップルの内情を知ることで日本企業はどうすればよいか。生き残る為の策をよく考えなければならない。勝者が全てを取るという現状を覆す為に何をすべきか。簡単ではないが、今ここで考え直さなければ帝国に組み込まれ、ゆっくり衰退してしまう。
Posted by ブクログ
どのようにアップルが今のブランド力を作り上げたか、その裏にある闇?についての話。
・内容
アップルは部品一つ一つにこだわり、ファンを得て、ブランドを構築した。
アップル製品は世界中で爆発的に売れ続け、 アップル部品サプライヤーの「帝国」になった。
アップル製品が売れれば売れるほど、「帝国」による支配が強まった。
アップルは多額の利益を上げる一方、サプライヤーにコストダウンを要求し続けた。
また、事前通告なしに一方的な取引中止をされ倒産した企業もある。
アップルに依存しているサプライヤーが多い中、アップル製品の売上成長率が鈍化している。
サプライヤーはアップルとの付き合い方を考えなければならない。
・感想
アップルのように「サプライヤーの無駄を指摘し、コストダウンを要求する」ということは、
トヨタもやっている。
ちょっと踏み込みすぎな気はするが、企業としてはある種当然の経済活動である。
しかし、アップル社はとても合理的(すぎる)のである。
ユーザーに最高のものを届けたいといいつつも、自らは利益率30%を常にキープするように
サプライヤーにコストダウンを要求し続ける。条件を飲めなかったサプライヤーは容赦なく契約を切る。
また、他には買えられない技術をもつ中小・零細サプライヤーに対しては、主要取引会社であるのをいいことに
技術を盗み、 生産をコストの安い国に移すことで契約を切る。
衝撃的だったのが、シャープの工場についての話である。
iPhoneの液晶を生産するために1000億融資をした。その見返りに購入した機会はApple専用とすることを要求。
シャープとしては、Apple製品が売れているときは良いが、売れなくなり生産が減ると1日4億?の維持管理費を垂れ流すだけでただのお荷物をなった。
Apple製品は他に乗り換えできないし、デザインもそこまで気になる訳でもないため、 自分はApple製品を買っていない。
こういう本を読むと益々Apple製品は買いたくないと思った。
Posted by ブクログ
アップル製品に使われている部品は日本製がたくさんある、という事実にあぐらをかいてはいけないことを認識させられた本。
こういう本を読むと、どうしても日本は技術は高いが商売が下手、というのを改めて認識させられる。
アップルの手のひらの上で踊らされている、という状況に危機感を感じた。かといって、日本でアップルのような製品開発を行うのは無理な気がするし、向いていないと思う。
日本人にあった方法で、競争力を高めるのはどのようにしたらいいのだろうか。
どこかに依存すると、そこから抜けられなくなる。保守的な環境で、既得権益にとらわれると出し抜かれる。結局常に先を見越すしかない、ということだと思う。
一方で、本書はアップル帝国に振り回される日本企業の現状ばかり取り上げて、不安を煽っているだけのようにも感じた。
ぜひ、アップル帝国にとらわれず競争力を示しているような企業についても、本書との対比という位置づけで、同じ著者に出してもらいたいとも思った。
Posted by ブクログ
アップルの下請けと化した日本メーカーの苦悩の本だな、という率直な感想。
例えば、iPodを磨きあげた日本の中小企業の匠の技は、ビデオに撮影されて、こなれた研磨の仕事は、安く大量に生産できるアジアの国へ移植されてしまった。
日本の匠の技術をあっという間に飲み込み、海外展開によって、あっという間にコモディティ化させる、という残酷な一面。
iPhoneの部品には、日本メーカー(ソニー、セイコー、TDK、JBD、三菱電機、東芝、シャープ、村田製作所、パナソニック等)が多数関わっている。
新型iPhoneの売上だけで、米国のGNPを0.5%も押し上げるくらいの影響力があるのだから、日本メーカーの受注生産の売上はものすごい。
でも、大量注文には、巨額の設備投資と、受注を失った時の生産設備余剰のリスクを背負う。丁度、シャープのように。
改めて読み直すと、アップルという一大経済圏に日本メーカーが下請けとして飲み込まれてしまって、手も足も出なくなっている、という感じ。
Posted by ブクログ
Apple依存症。企業も個人も。
考えもせずにパワーポイントでプレゼンをする。
ページ数無制限な資料作り。
だらだらとメールチェックとWEB閲覧。
効率化に逆行。
パソコンが無いと何もできない。
新潟県燕市、小林研業。
2001年のiPod発売から4年。
職人の磨き作業がAppleからの依頼で東陽理化学研究所によりビデオ撮影される。
その後、中国での自動研磨へと。
最盛期は地元20社で一日2万台弱も磨き上げていた。
1個あたりの加工賃は100円。
iPodの光沢度はミラー800番。
検査に落ちた不良品を磨き直すことで1000番で磨ける技術を習得する。
Appleがいなくなった今の仕事につながっている。
Posted by ブクログ
著者は、週刊ダイヤモンドの記者2名。元々は週刊ダイヤモンドの特集「Appleの正体」の記事らしい。
日本人は諸外国に比べて、iPhone好き、apple好きが多いといわれデザイン性が高いと言われるappleが秘密主義であり、その裏側にある部品調達としての日本企業の苦悩、、コントロールされる家電量販店の苦渋、iPodとiTunesの音楽業界の変化、携帯キャリアの変遷、ソニー製のイメージセンサーを積んだことで、ソニーのデジカメが売れなくなったなどの主に、2013年発刊時の現状の経済報告となっている。
技術的な話よりも、経営・経済的な話、株価などの話が多いが、その方法論もジョブスがいなくなったアップルがイノベーションが続けられるかは疑問の形で終わっている。果たしてどうなるのか、興味深く推移を見ていきたい。
Posted by ブクログ
情報規制をしてまで徹底して秘密裏に進める開発。どんな小さな技術も世界中から探し出して、徹底的な経費削減を行わせ従わせるビジネス。いかにすぐれた日本企業の多くがアップルの下請け工場化されているか。その実態を暴露してくれた関係者。アップルはイノベーターではなく、品質向上のために果てしない競争を進めていくのだろうか。
Posted by ブクログ
ジョブスの功績をたたえるようなアップルのプロダクト、マーケティングの本は多いが、日本企業の側から見たアップルの実情に迫っている。アップルの下請け工場になってしまったシャープやソニーの人たちがどのように考えているのか、そのリスクなどが、地道な取材に基づいて書かれていておもしろい。7月に出版された本だが、今日(9月20日)に発売になった5Cや5Sに関する記述もあたっていて、深く入り込んだ取材であることがよくわかる。iPhoneにどれだけ日本の技術が詰め込まれているか、開けてみることのできないiPhoneだが、この本で理解できると思う。
Posted by ブクログ
アップル躍進の要因をビジネス的側面から迫ったルポ。
どこまで本当というか、的を得ているのかは分からないけどオモシロイ。
自社工場を持たないメーカーであるアップルの凄味、アングロサクソン的な攻撃性がよく分かる。世界的な収奪システムを構築したアップル、そこに依存しなくてはならなかった日本メーカーと、スマホ市場での明暗が悲しい。
どこよりも優れたものを作っているのに、サプライヤーに決して報いないのがアップルってことだ。
iPodの美しい鏡面は、かつて新潟の工場ですべてが仕上げられていた。販売台数の増加にともない、大量生産が可能になるように技術移転をせざるをえなかったわけだが、ここの件りには泣けた。
Posted by ブクログ
知らないこともあり読んでよかったと思う。
やっぱり徹底的に調べつくす、そして最適を選択する。そこに尽きる。
日系メーカーも世界的なヒット商品を生み出してほしい。
部品の供給だけにとどまらず。
Posted by ブクログ
AppleについてはこれまでSteve Jobsの功績にハイライトされがちだったけど、本書はAppleの取引先である日本の製造メーカーや販売の現場にスポットを当て執筆されていて、新たに知る事実ばかり。
そして、これを読むと、Appleの競争優位としての「他社には真似できない圧倒的なバイイングパワー」が要になっていることを実感します。
特に驚いたのは、シャープやソニー、東芝といった日本優良メーカーに重要パーツを供給させ、ハイクオリティを提供する徹底したサプライチェーンとその品質管理体制の並ならぬマネージメントぶり、そしてこれらのメーカーのAppleへの依存度が高まる一方で、いつ何時生産委託を切られても、一切Apple自身はリスクを負わないという構図。
違う立場から見てそれが良いかどうかは別として、これができるのは、Appleをおいて世界のどこにもないでしょうし、戦略を担うバリューチェーンとして優れていることは言うまでもないと思います。
人々の価値観が多様化し、経営の舵取りがますます難しくなる時代、googleなど完全にソフトウェアの収益モデルの上に成り立っている会社と、Appleのようなハードに依存したビジネスモデルがどう進化していくか非常に興味深いです。
Posted by ブクログ
著者である週刊ダイヤモンドの記者2人が日本のメーカー・台湾メーカーや通信キャリア等の取材を通じて今まではタブーで殆どの人が知らなかったアップルを支える下請けメーカーの残酷な実態をレポートする。
日本の大手メーカーの東芝・ソニー・シャープ等等、相当に多くのメーカーが秘密保持契約を結ばされ一切の情報を漏らす事なく理不尽な下請けに甘んじている状況に愕然とします。
アップルの凄いところは調達先のメーカーどころか流通(大手家電量販店)や通信キャリアへの管理も徹底しており広告1つについても厳しい管理がされ徹底したコスト削減を実施させ圧倒的な人気商品のiPHONEを背景として自社に利益が集中する様な仕組みを創り上げる企業文化は昭和時代の日本企業を思い出させます。
超低利益で単品大量生産・大量販売で下請け化された企業が継続的な活動が出来れば問題ないかも知れないが毎年追求されるコスト削減により生産拠点が転々としアップル依存の高い企業は死活問題となる。勿論それを選択したのは当事者である下請けメーカーではあるが、、、
ファクトリーレスメーカーが在庫・コスト・流通等を徹底的に管理し利益追求する様は一体誰が得をするのか消費者優先・主導権を握る一部の企業のみなのではないか。物創りを忘れた企業に継続的な繁栄は有るのでしょうか?
Posted by ブクログ
・かつて世界を席巻した「日の丸メーカー」が、実のところアップルに大量の電子部品を供給する下請けメーカーに成り果てたと行っても過言ではない。
・アップルにとって納期は絶対ではない。文字通りの死守だ
・小売の価格は自由にできると独占禁止法に定められているが、もし安売りが発覚すればアップルはさりげなく「在庫が足りない」と言って、確実に出荷台数を絞ってくる。
Posted by ブクログ
アップルの強引な戦略が良くわかって驚き.でもそれは消費者がアップルをほしがっているから可能なこと.ソニー、パナソニック、シャープもっとがんばれ.
Posted by ブクログ
アップルがどうしてトップに躍り出たかというより、日本企業が(例えばソニー)がどうして転落したかということが、よく分かった。日本企業の再生に期待したいです。
Posted by ブクログ
ジョブスやiPhoneの
花々しいAppleとは違った
企業としてのAppleの側面。
Appleがどうのこうの、というより
世の中の流れがわかるか
Posted by ブクログ
アップルの独善的ともいえる過酷なビジネス主義と、それに翻弄される日系企業の姿がつぶさに描かれている。
既によく知られた実態なのかも知れないが、事前の知識がない向きにとっては新鮮であろう。
Posted by ブクログ
表題の通りアップル帝国の強さについて語った本。作者は週刊ダイヤモンド記者だけに経済誌的アプローチと文面である。まさにダイヤモンドを読んでいる感じ。でもなんで版元が文芸春秋社なのかな?星3つ
Posted by ブクログ
アップル帝国の正体?というより、アップル社の活躍により苦しむ日本企業の実態と言った内容。圧倒的な商品力によって、伝統的な日本の商習慣まで変えてしまったアップルに対する、恨み節のオンパレードという感じでしょうか。昨日まで約1週間かけて『グーグル秘録』を読んでいたが、本書は半日で読み終わってしまった。決してページ数の違いだけでは無いと思う。