あらすじ
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「F=ma」は脳が作り出した?? 高校で習う古典物理がなぜ本当は正しくない、といえるのか。物理学者が量子力学から見える世界を一つ一つていねいに説く"「高校物理挫折者」に向けての裏返しのラブコール"!
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Posted by ブクログ
古典力学の矛盾を量子力学との比較で説明した本。
「力」や「(加)速度」は存在せず、量子力学的理解においては「エネルギー」と「運動量」が正しい。力や加速度は、現実世界を人間の脳で観測した時の、力がかかる、早い・遅い、というような動物的理解から定義されてしまっている。もし人間が量子力学的に現実世界を観測する器官を有していた場合、古典力学は生まれなかった。
では、古典力学と量子力学の違いはなんなのか?量子力学では「質点」は存在せず、量子力学の単位である電子や光子は「(確率密度の)波」である。そのため、局在性が崩壊している。古典力学がマクロスケールで利用可能であるのは、「たまたま」マクロスケールでは局在性を近似して計算可能であったから、にすぎない。古典力学では、量子力学で示される確率分布の「ピーク」や「平均」を観測しているにすぎないという説明は興味深かった(エーレンフェフトの定理)。そしてF = maひとつをとっても条件が揃っていない(右辺と左辺で近似や仮定がズレている成立しない)ケースがあるという。
量子力学で「質点」に類する実在は、「波束」である。波束は波の重ね合わせであるため、複数の運動量を持ってしまう。したがって、「質点」すなわち「位置」を決めようとすると運動量が決まらない。逆に、運動量が単一(1つの波)の場合、位置は決まらない。このタイプのハイゼンベルグ不確定性原理の説明は初めて見たが、わかりやすい。