あらすじ
私たちはいつから、人生の中で仕事ばかりを重要視し、もがき苦しむようになったのか? 本書は、現在1日1時間労働の森博嗣がおくる画期的仕事論。自分の仕事に対して勢いを持てずにいる社会人はもちろん、大学生にもおすすめ。
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Posted by ブクログ
最初から最後まで目から鱗の一冊。
そもそも仕事をしないといけないなんて誰が決めた?仕事で人の価値は測れない。
一生暮らせる金があるなら、仕事なんてしなくていい。好きなことだけ、していればいい…等々。
自分がいかに常識や固定観念、他者の目に振り回されていたかに気づいた。
別に仕事にやりがいなんて感じなくてもいいのだ。
仕事でお金を稼ぎ、そのお金で自分の好きなことをする。それで十分。
好きを仕事にする、というのが最近流行っているよに感じるけど、著者がいうように、好きでやっていることは仕事ではない。お金をもらえなくてもやっていることこそ、本当に自分が好きなこと。
自分の場合だと、読書だろうな。
人に頼まれなくても、お金もらえなくても、寝不足で明日のそれこそ本当の仕事に影響が出そうでもやめられないのが読書。
読書を続けられるのなら、今の仕事だって続けられるはず。好きなことをするための手段の一部なのだから。
とにかく本書はめちゃくちゃオススメ。
仕事を中心に、常識とは何か、当たり前とは何かについての見方が大きく変わる。
著者の本をもっと読んでみたいなぁ。
Posted by ブクログ
〈概要〉
「仕事」とは何か。「やりがい」とは何か。
「楽しく生きる」とはどういうことか。
著者なりの解釈が書かれた一冊。
〈感想〉
・「どんな仕事をしているか、ということによって人の価値は決まらない」ということが繰り返し述べられており、理屈としてはその通りだと思うが、感情的になかなか受け入れられない自分もいて、「こういうところが、自分はすごく人間っぽいなあ」と改めて感じた。
・「仕事にやりがいを見出だす必要はなく、仕事以外のことで楽しいことを見つければ良い」という言葉が響いた。ついつい仕事を生きがいだと感じなければならないと思い込んでしまうが、これも過去の教育等により植え付けられてきた幻想なのだと知った。でも、1日最低8時間拘束されるのだから、せっかくなら少しでも楽しいと思えることを仕事にしたい、というのも人情だと思うし…。自分の大事にする価値観に優先順位をつけて、自分が一番納得できる選択肢を見つけるしかないのだろうなあ、と思った。
・最後の方に書かれているが、あくまでも「著者の解釈でしかない」ということを、忘れずに読むべきだと思う。
Posted by ブクログ
元大学教官・現作家の森氏による、仕事とは何か・仕事についての心構え、などを語る本。対象はおそらく学生~30代程度と思われます。
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ぼんやり感じたのは「私の(ようなミドル・シニアの)ための本ではない」ということ。
流石に世に出て30年近い歳月がたちましたので、うまい話はない・話がうまいとすれば仕事がキツイ・世の中トレードオフに満ちている、(それでも不公平だったり運不運に左右され例外もある)、ということは肌感覚として理解しています。
ただ、世の若者はそこまで割り切れない。
正直ものは報われるものと思いたいし、努力して探せば何かが見つかるものと思いたいし、要するに答えはあるものだと思いたい。
その想いを、いい意味でも悪い意味でも「打ち砕く」のが本作の真骨頂!?と言えるかもしれません。
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以下、幾つか響いたところを幾つか。
・人は働くために生きるのではない。金があれば働かなくてよいし(FIRE!!)、それで捕まるわけでもない。
・職業に貴賤もなく、精々収入の多寡がある程度では。貴賤はイメージで植え付けられているだけで、「おっきな仕事」「社会に役に立つ」という印象も、個人としては一つの歯車で、個人の力ではない。組織のゲームで事物を動かすだけ。
・仕事で人の評価が決まるのはない。では何で人の評価が決まるかといえば人それぞれ。仕事ができるというのは、ある一分野で詳しい人というそれだけのこと。
・未来を読んで自分に投資をしよう。
・うまい話はなく、給料が高ければそれだけ仕事量かプレッシャーが高いはず。逆に給料が低いとすれば、企業が持ち出して個々人へ投資(教育)していると見做せる。
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なお、考えを述べるエッセイ的な部分のほかに、Q&Aもあるのですが、なんというか、非常に面白かった。
兎に角森氏の発言はストレートで取り付く島もないので、そこがよい笑
例えば、〇〇がやりたいのに時間が無くてできません。どうすればいいでしょうか、みたいな質問に対して、「本当にやりたいのならばもうやっています」という返し。
いやまあ、ホントその通りです。
森氏自身も「冷たい」「無関心だ」と言われる様子で、そのため付言しているのですが、そもそもアドバイスが欲しいのではなく、背中を押してほしい・慰めてほしいようにしか見えない相談も多い、と。ただそれでは正しく導くことはできないため、きちんと事実を伝えて返答すると。
いやあ、私も森氏に賛成です。
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ということで、森氏の仕事・生き方についてのエッセイでした。
若手が読むとガツンとやられます笑 まあ、結局自分で考えて、答えを出さないといけないんです。だってそれそれ自分の人生なんだから。
甘えた心がちょっと引き締まる本かと思います。自分を律せる強者の理論かもしれませんが、わたし的には仰ること、本当に正しいと思います。
Posted by ブクログ
ひとつの仕事論。
仕事は人の価値を決めない、けれど、私たちは仕事で人生が決まるというぐらいに比重を置きすぎだということが論じられています。
一方、著者が価値を置くのは、自由。その自由とは何か、というところはあまり深堀されていなかったように思います。なので少しそこがぼんやりしていますが、
話の流れで言うと、自分にとっての成功、達成したい目標とは何かを、自分で定義することがおそらく自分の自由を手に入れている状態なのだろうと思います。
とにかく言いたいことは、仕事への特別視を全否定。
企業戦士時代を経てきた歴史的側面や、
長く続ける仕事を見つけようとするから、不安になり、やめて他に移る、といった傾向、
時代の流れで活性化する産業に合わせて、役立つスキルを身につけたり盛り上がっている業界に就職したりすることへの批判と抵抗。
理想と現実は、実は妄想と思い込みであること。
短期志向にならずに、歴史の流れをもう少し概観する視点を忘れないことーーー
いろいろな仕事論がありますが、
それはその人の経験上、形作られているのだろうと思います。
好きは、仕事でも仕事外でも、実践すること、というのはそう思うし、
必要に迫られたら生存のために稼ぐ時期もあるのかもしれないと思うし。
人に話さないと楽しめないのは本当の楽しみでない、というのは、どうだろう。
身近な人には私は話したい。
抵抗、というのか分からないけれど、やっぱり続けたいこと、あきらめたくないこと、
それを続ける方法を人生のいろいろな領域で優先すること、かなー。