あらすじ
関ヶ原で見事な勝利を収めた徳川陣営。しかし、嫡子・秀忠による徳川政権が確立すれば影武者は不要となる。その後の生命の保障がないことを知った影武者・二郎三郎は、家康を斃した島左近を軍師に、甲斐の六郎率いる風魔衆を味方に得て、政権委譲を迫る秀忠、裏柳生と凄絶な権力闘争を始めた。そして、泰平の世を築くため、江戸・大坂の力を拮抗させるべく駿府の城の完成を急ぐ。
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Posted by ブクログ
二郎三郎からすべての権威権力を奪い自分のものとしようとする秀忠。秀忠将軍継承、二郎三郎息子の徳川家継承、風魔と柳生の戦い、すべてがリアリティーの伴った白熱した描写である。
松平忠輝、他の作家からは愚か者扱いされているのに著者は好奇心の強すぎる好青年、何カ国語もしゃべれる外国人の星と定義して、岡本大八キリシタン事件、大久保長安と伊達政宗の陰謀を絡めて描いているところは、本当に興味深く読ませて頂いた。
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評価は5.
内容(BOOKデーターベース)
関ヶ原で見事な勝利を収めた徳川陣営。しかし、嫡子・秀忠による徳川政権が確立すれば影武者は不要となる。その後の生命の保障がないことを知った影武者・二郎三郎は、家康を斃した島左近を軍師に、甲斐の六郎率いる風魔衆を味方に得て、政権委譲を迫る秀忠、裏柳生と凄絶な権力闘争を始めた。そして、泰平の世を築くため、江戸・大坂の力を拮抗させるべく駿府の城の完成を急ぐ。
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征夷大将軍となった二郎三郎だが,相変わらず秀忠との暗闘は続く.それは,柳生 対 風魔 の形をとり,両本田を味方に付け,秀忠の兄弟やフランシスコ会,帝まで巻き込み...
秀忠と柳生を徹底的に軽薄で底の浅い人物として描いているが,実は,微妙に秀忠に分別がついて行っているような気がする.
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関ヶ原で見事な勝利を収めた徳川陣営。しかし、嫡子・秀忠による徳川政権が確立すれば影武者は不要となる。その後の生命の保障がないことを知った影武者・二郎三郎は、家康を斃した島左近を軍師に、甲斐の六郎率いる風魔衆を味方に得て、政権委譲を迫る秀忠、裏柳生と凄絶な権力闘争を始めた。そして、泰平の世を築くため、江戸・大坂の力を拮抗させるべく駿府の城の完成を急ぐ。
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上巻の最後に征夷大将軍の地位を得た徳川家康こと、影武者世良田二郎三郎。
この中巻では自らの命を守るため、堅固な砦となる駿府城を建てつつ、箱根山に拠点を持つ風魔衆をも引き込み、徐々に盤石の態勢を敷いていく。資金面では日本各地の金銀山を家康直轄とし、さらに南蛮貿易にも手を伸ばすなど、やることなすこと抜け目がない。さらに側室との間に子どもも次々と生まれ、「徳川家康」という実在の人物の実際の活動を下敷きにしており、うちいくつかは創作であるとは分かっているものの、これだけのことを60歳過ぎてから成したのか、と驚嘆せざるを得ない仕事ぶり。
家康の影武者を主役に置いている関係上、対立軸として上巻で既に馬脚を現している二代将軍、秀忠がとにかく卑劣で酷薄非道な小者に描かれているので、実際にどんな人物だったのか何度か確かめたくなるほど。上巻でも思ったが、この作品に書かれていることが真実なのではないかと錯覚するような場面も多々あり、小説としての密度の濃さを堪能できる。
この巻からはキリシタンや外国人も重要なアクターとして多く出てくる。彼らの考え方と世良田二郎三郎の信念とがリンクするあたりも読み応えあり。本筋も脇道も含め、楽しめる場面は数えきれない。
Posted by ブクログ
中巻は、二郎三郎と秀忠の暗闘(六郎と柳生の闘い)で面白かったです。六郎が妻帯するとは思わなかったので意外でした。血族しか入れない風魔には最良の方法ですが、二人が幸せなのは嬉しいことです。
影武者家康もすっかり板につき、堂々としている二郎三郎は、人間としても魅力があるから生き延びられているのでしょうね。このまま彼の願いを叶えてあげたいと思ってしまいます。歴史は決まっていますが…。
ハラハラしながら下巻を読むとします^^