【感想・ネタバレ】舞姫・うたかたの記のレビュー

あらすじ

エリート官僚の太田豊太郎は、留学先で孤独に苦しむ中、美貌の舞姫エリスと恋に落ちた。世紀末のベルリンを舞台に繰り広げられる激しくも悲しい青春を描いた「舞姫」と、「うたかたの記」「文づかい」のドイツ三部作、そして翻訳佳編「ふた夜」、帰国後の元留学生官僚を描く「普請中」の計5編を収録。(C)KAMAWANU CO.,LTD.All Rights Reserved

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Posted by ブクログ

ネタバレ

うたかたの記:
何とも救いのない話。国王の身勝手に振り回されるマリイ親子。権力者から一方的に向けられる恋慕の情は怖い。(これは先輩後輩程度でも成り立つでしょう。)妻が襲われて、王に殴りかかるスタインバハ、アカデミー賞のウィルスミスを彷彿としてかっこいい、けどどちらも失うものが大きいことは、教訓にせねばならんのかな。

ふた夜:
ちょっと文語だと難しくて口語訳を読んでしまった。戦争、駅など、今の時代とは違うものが文語だと分かりづらい。
親の都合で結婚させられるのは、「文づかい」に通じるのかな。文づかいより救いがないのが辛い。

舞姫:
ロマンチックな話かと思いきや、クズのバッドエンドの話なんだな。情に負けても、子は成してはならん。豊太郎はそのままプロイセンで生涯を終えるべき。エリスを幸せにして欲しかった。
とはいえ、舞姫=貧しい、など、時代背景に沿った内容で、当時に思いを馳せた。

文づかい:
この話は好き。イイダ姫の父の、「血の権の贄は人の権なり」と言う言葉に、優れたものを持つ人でも、何かを犠牲にして生きている、という意味を感じ、ハッとした。我が身の上を嘆くイイダ姫が、胸中を明かして、想い人と結ばれずに物語が終わるところも現実味があってよい。(でも、どうなったんだろう)

普請中:
口語になるとこんなに読みやすいのかと思った。(舞台が日本であることにも関係するかも)
内容は短いが、当時のホテルでのシーンに思いを馳せることができた。

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2022年04月03日

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