【感想・ネタバレ】生きとるわのレビュー

あらすじ

又吉直樹6年ぶりの長編小説!

「生きる」とは、こんなにもやりきれなくて、おかしい――
累計354万部『火花』から10年後に書き上げた、新たなる代表作!

公認会計士として傍目には順調な生活を送っている岡田。
しかし、高校時代の仲間だった横井に500万円を貸したことから、その人生は狂い始める。横井は他の仲間たちからも借金を重ねたあげく、姿をくらましていた。
阪神タイガースのセ・リーグ優勝が決まった夜、岡田は大阪・道頓堀で偶然横井と再会する。
貸した金を取り戻そうとする岡田は、逆にさらなるドツボにはまっていく……
人間の「闇」と、「笑い」を両立させた奇跡的作品!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

面白かったし、又吉先生こんな終わり方もするんですね〜って感じの終わり方でした。

この物語で一貫している価値観が二つあるなと、自分では思っています。
一つは「借金をちゃんと返せる人は借金をしない人だけ」という、超簡単に言えば、借金するやつは借金返せへんという考え。
二つめは「金の貸し借りはしたらあかん、関係性を壊す」という超ありきたりやけど大切にしたい考え。

この価値観(物語的には設定?)を元に読み進めると、この主人公らはこの物語中には少なからずいいことにはならんやろうなと勘付きます。最初に少し触れましたが、又吉先生にしては珍しく、ほぼバッドエンド。この価値観は覆せないのです。

この本で痛烈だった言葉があります。岡田の妻からの言葉。
「そうやって、すぐに弱さに責任を押し付けるよな。…自分の弱さとかいうのも狡いと思うねん。ほんまに弱さなん?図太さじゃなくて?人間の弱い所とか言われたら許さなあかんみたいになるやん。ほんなら、大切な人を裏切らずに真面目に生きてるうちらはなんなん?あんたと違って、図太いだけの繊細さに欠ける人間とでよ言うの?そんな時だけ弱さとかいう言葉に逃げるのやめてよ。…」
弱さという言葉が、実はただの逃げ口上でそこに痛烈に切り込んでいく妻…こんなこと言われたらタジタジですけど、人を裏切ることをしておいてそれを弱さのせいと片づけるなよということです。真面目に生きてくれやという妻からの最後のメッセージでした。

最後まで重苦しい内容でしたが、途中途中は又吉先生節炸裂、人物の繊細な描写から生まれる内面の抉り出しと表現の面白さ、ストーリーのコミカルさが全面に出ていて重苦しくも面白く、登場人物たちの危うさがほっとけなくてどんどん読み進められます。先生のシン代表作だと思いました。

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2026年04月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

友人知人をだまして借金をし逃げ回る、どうしようもない高校の同級生に振り回される話で、はらはらドキドキ読み終わりました。
その上、作者にも騙される場面が何回かあり、えっこれどゆこと??…うわ騙された!となるのが爽快。
あと主人公の妻がかっこよかったです。

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2026年06月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「どんな人間でも生きててほしい」と思ってこの作品を書いたと作者は言ってた。

借金を踏み倒すばかりかさらなる借金を岡田に背負わせる横井も、自身の弱さに耐えきれず周りを裏切り続けそれでも横井を切れない岡田も、最後まで読んでも結局は何も変わらなかった。

変われない、こんな人間でも作者は生きててほしいと思ったのを感じた。

ただ、陰謀論に沼っていく大倉だけは最後目が覚めてその沼から出ていく。

借金云々は作者の中で許容できるが、そこの住人に対してはシビアなんだなって、あっそこは切るんだ…みたいな作者の歪みが感じられて興味深かった。

いや、もしくは大倉のように「変わった」人がいるなかで、「変われるのに変わらない横井と岡田」の構図を浮き彫りにしてるのかもしれない。

目が覚めた大倉に対するカタルシスはあったものの、全体的に、腑に落ちて面白かったという作品ではなく、あの件はどうなってます???ってのが宙ぶらりんのまま幕引きされる。

でも人生って、人間ってそんなもんかもしれないなあって。単純に「面白かった」と言うには少し引っかかりが残るけれど、その引っかかりごと含めて強く印象に残る作品だった。

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2026年05月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

​読み終えた今、心にあるのは、言葉にできないほど重く濁った読後感だ。
かつての『火花』と比べても、ここにあるのは人間と人間が、泥の中で互いの輪郭を溶かし合うような、逃げ場のない物語だった。
​なぜ、岡田という人間はあのような道を歩んでしまったのか。
横井という怪物に人生を振り回されたのか。あるいは、自分自身の内側にある不完全さを横井に投影し、彼を「救う」ことで、自分の空虚さを埋めようとしたエゴの結果なのか。
​騙され、奪われ続ける岡田の姿を見て、私の胸には「自業自得」という冷ややかな、けれど悲しい言葉が浮かび上がった。
横井を助けることで悦に浸り、その結果として起きた自分の過ちを、なかったことにしようと奔走する様は、あまりに痛々しい。
しかし、その悲劇の「発端」はどこにあるのか。
金を無心した横井の悪意か。それとも、彼を助けることで「正しい自分」を保とうとした岡田の企みか。
​結局のところ、そこにあるのは「まっさらな善意」などという綺麗なものではない。
善意の中に潜むエゴ、そして悪を背負いながらも必死に善を掴もうとする葛藤。
登場人物たちは皆、自分という存在が崩れてしまわないよう、他者に期待を押し付け、歪な関係を維持装置にして、どうにか自分を保っているように見えた。
​「必死に生きること」に、正解なんてない。
正解を求めてもがき、間違った方向に手を伸ばし、それでも息を止めずに泥の中を這いずり回る。その滑稽で、美しくない姿こそが「生きとるわ」という言葉の、一つの真実なのかもしれない。
​この「割り切れなさ」こそが、今私が手渡された、答えのない答えなのだと思う。

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2026年04月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

本当に申し訳ないが、ものすっっごくイライラした!何回も本閉じた。
結局龍先輩は中途半端な人間やったんかい!って最後ツッコミそうになった。
横井はほんまにきしょいな。読み手側にこんなイライラさせれる又吉先生素晴らしい

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2026年06月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

又吉直樹さんの本は初。文章に少し驚く。芸人だからと侮っていたのかもしれない。
"気圧で重くなったドアを開けると、圧縮された空気と音楽が顔にあたり、流れるように散った。"とか、最初のページからすごい。詩的な表現というものだろうか。こういう文章が自分は大好きだと知った。メモをいちいち取っていられないほど普通にあちこちに出てくる。
全く違和感のない大阪弁の文章、まあ当然だが。読みやすい(大阪弁はね)。例えば定ちゃんの、会話のくだらない面白さ、大阪の空気のようだ。

真ん中くらいまで読んで思う。ずっと横井の事を考えていて、ずっと同じ様なことを繰り返して、借金の話が解決するわけでもなく、訳のわからん阿呆なことをしている。
人間て、その人の事をずっと考えていると行動などが似てきてしまうらしい(ああはなりたくない人の事を考えずに、なりたい人の事を考えろ、と)。岡田もそうなのかもしれない。ただ、子供の頃から横井だけじゃなく岡田もやばい奴に感じた。
"借金を回収できないことで苦しむくらいなら、借金する側にまわればいいのではないか。そう思うと、少しだけ心が軽やかになった。(p265)"
全く理解できない。かつての加害者龍先輩に金を借りようとする。特に龍先輩に対する気持ちは私には難しい。

結末、道頓堀川にまた飛び込んでいた横井。人生について答える横井の話に、なんか私は納得してしまった。あれ?私も横井に騙されてる?横井は口達者すぎるねんて〜。

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2026年05月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

【感想】
純文学でも読みやすく、登場人物には共感はできないけど内容としては分かりやすかった。
公認会計士として働いている岡田が、なぜここまで横井に執着するのか?
周りにこんな人間がいないが、逆にこういうほっとけない感がある人間だからこその魅力があるのか?
人間自身や男同士の友情の哀れさ、タイトルの【生きとるわ】は横井が結局死んでないっていうツッコミなのか、それでも俺たちは生きてるって事なのか。
横井のクズさが際立つけど、岡田も不倫したり、横領したりと類は結局類は友を呼ぶのかな。


【あらすじ】
公認会計士として傍目には順調な生活を送っている岡田。
しかし、高校時代の仲間だった横井に500万円を貸したことから、その人生は狂い始める。横井は他の仲間たちからも借金を重ねたあげく、姿をくらましていた。
阪神タイガースのセ・リーグ優勝が決まった夜、岡田は大阪・道頓堀で偶然横井と再会する。
貸した金を取り戻そうとする岡田は、逆にさらなるドツボにはまっていく……
人間の「闇」と、「笑い」を両立させた奇跡的作品!

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2026年05月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

クズの友達に振り回される話かと思いきや、あれ?こいつもクズじゃない?こいつもクズじゃない?と次々にクズっぷりがあらわになり、まともだと思っていた岡田が実は1番クズだったという、クズだらけの話でした。奥さんには幸せになってほしい。

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2026年04月25日

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