【感想・ネタバレ】さびしい王様のレビュー

あらすじ

役にも立たない帝王学だけ教え込まれて育ち、恋も政治も知らぬ幼児のような王様ストンコロリーン28世。オッパイを見ては、「あ、オレンジ!」などと呟いていたおく手な彼が、私腹を肥やす悪辣な総理大臣への反感からおこった革命の渦中で、すこしずつ人間の喜怒哀楽に目ざめ、純真な恋を感じ始める…。ペーソスとナンセンスの横溢する、おとなとこどものための童話シリーズ第一作。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

【追悼・北杜夫―1】
思いっきりネタばらししちゃいますから、本書をこれから
読もうと思われてる方は、ぜひこのレビュー読んで欲しいんです?
これ、軽妙に書かれてるんだけど、
随分と考えさせられちゃいます…大人も読める童話…まさにそう!

つまり、オレンジとおっぱいが好き…という感情は、
どれほど同じでどれほど違うか…ってこと。実は…ボクは、
王様じゃあないけど、オレンジもおっぱいも大好きなんです。
…でもね…本当に欲しいのは…

きっと、愛しい人のおっぱいなんだろうね…つまりこれ、
恋愛感情ってやつです。ところが、愛しい人のおっぱいは、
なかなか容易には手中にできない…そうしたジレンマは
つのればつのるほど感情は高まるもんでしょ?         

ほら…王様がさびしいように、多くの誰もがきっと、
さびしいんです…そんな気持ちを味わうようになりながら
人は大人になってゆくんですね。
どんなおっぱいでも好きになれたら楽なのに… 

だから、ボク、この王様のこと大好きです。
どんなおっぱいも勝手放題に手中にできる王様より、
こんなふうに逡巡しながら、憧れのおっぱいに焦がれる王様に
限りなくシンパシィを感じちゃうのです。           
          

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2011年12月02日

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