あらすじ
死者が自らの供養のために寺で経をあげる「いつもよくあること」、理不尽な離縁を恨んで死んだ妻の亡霊に恐怖する「女の死体にまたがった男」、散文詩の頂点を示す一幅の絵画のような「蓬莱」、円朝の同題の人情噺としても有名な「牡丹燈籠」、人間が異界の女たちの魔性の美しさに幻惑されていく「泉の乙女」「鳥妻」、死をも超越した人間の信と義を描く「顔真卿の帰還」、深刻な幼年期の恐怖体験を綴るハーン文学の原点ともいえる「私の守護天使」――アメリカから日本時代に至るまで、人間の心や魂、自然との共生をめぐる、ハーン一流の美意識と倫理観に彩られた代表的作品三十七篇を精選。詩情豊かな訳で読む新編第二弾。
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Posted by ブクログ
『日本の怪談』の続編となる本書だが、半ば過ぎまでは八雲が採録した宗教説話・世界の奇譚が中心。牡丹灯籠、浦島伝説など日本の怪談は少なかった。書家・顔真卿にそんな物語があったことに驚く。後半はハーンの自伝的作品。幼少の頃に幽霊を見たと言う。また、キリスト教では異端と思われるような偶像崇拝も吐露している。そんな感性が、世界の怪談にシンパシーを感じ、八百万の神々います日本に溶け込む原動力になったのではないか。良くも悪くも一神教の国で育ったことが、そんな日本の怪談を一歩引いた視点で眺めていたことも想像に難くない。