あらすじ
盗みに手を染めた元大工の石蔵が、居酒屋で働く娘に惚れて足を洗いたいと思うようになり……(「ひと時雨」)。料亭で女中をしている独り身のおたつは、亭主が酒豪だと嘘をついて、昼間から酒を買う……(「心恋」)。店賃を調子よくごまかす善吉が、遺書をしたため行方不明になった。(「風穴」)。15歳のおえんは、怠け者の母親を内職で支え暮らしていたが、ある日、お店者風の男に「お嬢さん」と声をかけられた。(「長屋すずめ」)。ほか、江戸は本所の貧乏長屋を舞台にした、心揺さぶられる全七篇。
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Posted by ブクログ
正直ものは馬鹿をみるといいますが、
本作ではそんな正直ものがたくさんでてきたように感じます。
良くも悪くも賢い人は、人を蹴落としてでも上へと行こうとするにも関わらず、
正直ものは真実だけをひたすら告げ、
それが信じてもらえなかった時はあっという間におしまい。
この時代は、正直で真っ直ぐな人ほど生きにくかっただろうなと思います。
そのうえ現代より、情を大切にしている。
どんな親でも見捨てることができず、
はたまた親のために復讐を誓うものもいる。
なんと難儀なことか。
誰しもが生きにくさを抱えるような時代で、
思うところがあっても家族と過ごしたり
泥に塗れても夢を諦めなかったり
懸命にいちにちを生きる人々を
丁寧に鮮明に書かれているように感じました。