あらすじ
インドシナ半島の片隅の吹きだまりのような廃墟のような一画にそのカフェはあった。主人はタンゴに取り憑かれた国籍も年齢も不詳の老嬢。しかし彼女の正体は、もう20年も前に失踪して行方知れずとなった伝説の作家・津田穂波だった。南国のスコールの下、彼女の重い口から、長い長い恋の話が語られる……。東京、ブエノスアイレス、サイゴン。ラテンの光と哀愁に満ちた、神秘と狂熱の恋愛小説集。
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Posted by ブクログ
素晴しかった。大事に読もうと思ってたのに、一気に読んでしまった。
しばらく、まんじりともせずにいたい気分です。
「サイゴン・タンゴ・カフェ」
読者はひとりでいい。
熱烈な愛情と理解で絶対の肯定をくれて、思わぬ見方を示して意表をついてくれて、冷静な分析に納得させられる。目指すものは同じ高みだと心を沸き立たせ、肌の触れあいで情熱を挑発する恋人。
しかも、容易くは手に入れられない運命の人。
そりゃもう、作家の夢想する理想の恋物語なんだろうなと思う。
お幸せに、と思いつつ、ちょっと後退りたくなっちゃうのも本音です。(部外者は馬に蹴られる前に安全圏に退散すべきだというのは常に真理だ)