あらすじ
これがSNS時代のフィールドワーク術だ!
中国は宗教大国だった!? 奇っ怪な神々が跋扈する中国各地のディープな信仰世界を、TikTokを駆使した「お手軽フィールドワーク」で活写する前代未聞の民俗学ルポルタージュ。福建在住の異色の民俗学者が描き出す、知られざる中国の素顔に刮目せよ! 驚きの取材写真180点超もフルカラーで一挙収載!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
現代中国の民間信仰において崇拝される神々について、レポ形式で紹介・解説した書。張五郎や聖人公媽といったローカルな神から九尾狐や和式大黒天といった新進のムーブメントまで、今日の中国に息づく民間信仰の実態をフィールドワーク時の体験談も交えて活写する。
本書は、ウェブマガジン『ROARSIDERS9; weekly』連載の「スリープウォーキング・チャイナ」コーナーの著者原稿を加筆・修正し書籍化したものである。思想・宗教の統制を敢行する共産主義国家であり文化大革命といった大規模な宗教排撃を経た中国において、民間信仰は(香港などの一部地域を除いて)ほぼ壊滅したと思われがちである。だが実際の現場においては、伝統的な信仰はもちろん新出の信仰も活況を呈する実にカオスな様相が広がっている。著者は動画投稿SNS(Tiktok, Douyin)を活用したフィールドワークによって現代中国で崇められる「珍神」たちを調査すると共に、それらの信仰の形態や様相を(フィールドワーク中の体験談も交えて)ユーモアたっぷりに紹介している。湖南・紀州にて崇拝される逆立ちの神・張五郎、タイ発祥のお守りに由来する「セクシー九尾狐」こと九尾狐仙、日本から逆輸入された和式大黒天に「お盆フェス」こと中元普渡(盂蘭勝会)で祀られる聖人公媽、そして中原地域や東南アジアにおける無常信仰――。仏教・道教の正統信仰ではない、市井の場において発生したこれら"異形"の神々の姿は単に面白いというのみならず、現代中国の民間信仰の「今」を映し出す鑑としても興味深い。いずれの調査も理論化・体系化まで至らぬ調査第一報の段階であるのは惜しいところだが、それ故にこれからの調査の進展が楽しみである。
本文はフィールドワーク中の珍道中についても紙幅を割いており、学術的な本としてだけではなく紀行としても楽しめる。様々な意味で可能性を秘めた一冊と言えるだろう。
Posted by ブクログ
どうやって見つけるかの話がすごい。国内版のTiktok別にあるのね。ともかく面白い。写真たくさん。すごい。イラストがもっとすごい。本当に時代というのは変わるのだなあ。この先もまた変わるのだろう。
Posted by ブクログ
SNSで珍神を調べ現地で歴史と信仰を探索。セクシーな九尾狐、逆輸入大黒は「?」となる。だがそこには現世利益を重んじ、ダイナミックに形を変える柔軟さがあった。様々な発見は非常に面白く、珍妙としか言えないカラー写真の数々には思わず笑ってしまう。民俗学好き必見のルポ。
Posted by ブクログ
面白すぎる。中国はお廟がたくさんあって民間信仰が盛んだ…というくらいは知っていたけど、今も実際に神懸かりするシャーマンなどがいて人々に日常的に慕われているんだ、というのを中々初めて知り、心底驚いたしワクワクした。
遼寧省の道教寺院で、神懸かりしている一般男女がずらりと並んでいたというのはかなり圧巻だった。調べるとこのお寺はトリップドットコムでも紹介されているくらい観光可能な有名なお寺。行ってみたすぎる!
和式大黒天の章などは、民間信仰が現在進行形で作られていく様がよく分かり大変興味深かった。
バスが止まっていても乗合タクシーのおっちゃんに車に詰め込まれるとか、ホテルの前にいたおばあさんの紹介でめっちゃ解説&案内してもらえるとか、フィールドワーク中の細かなエピソードも秀逸。
さまざまな障壁でそんなに思い通りにいかない、でもいろんな人が世話を(おせっかいを)焼いてくれてどんどん物事が進んでいく、中国を探検するあの高揚感を久しぶりに追体験できてとても楽しかった。
「春の死神パン祭り」とか「神懸かるゲップ女とタンバリン男」「李爺さんのスパッツ事件」とか、筆者のネーミングセンスもいちいち面白い。
Posted by ブクログ
とんでも中国研究者によるフィールドワークレポート。
中国の土着信仰の、ニッチでディープな側面をフルカラーの写真と図解でたっぷり見せてくれる。文体がノリノリ過ぎて、かつ有名人の名前がたくさん出てくるのが少し難しかった(テレビあんま見ないもん)けど、それに慣れればスイスイ読めます。
中国に良いイメージがある人も悪いイメージがある人も読んで欲しい一冊。私も二年間暮らしてたけど、全然知らない世界が広がってました!
Posted by ブクログ
結論は出ないが、フィールドワークと旅日記として面白かった。共産主義も文化大革命も近年の資本主義の波もそれほど中国を変容させていないのが感じられた。写真は前作から急激に綺麗になっている。マレーシアの無常の流行の研究だけでも次回あたりでまとめてもらいたい。