あらすじ
天明三年(一七八三)七月、事件は起きた。小間物問屋河内屋主人が殺され、犯人は奉公人達によって蔵内に閉じ込められ、駆けつけた老岡っ引き帆柱の喜平は内に踏み込むが、賊は煙の如く消えていた。衆人の看視下、一体いかにして、姿を消したのか? 手掛かりを探す同心鈴鹿彦馬と帆柱の喜平の焦燥と苦悩。捕物帳と本格推理の結合を目ざす記念碑的新シリーズの誕生!
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Posted by ブクログ
書出は東日本大震災。
震災で古文書が海水に浸され、汚れてしまった。
奈良にある「埋蔵文化センター」の世界最大級の真空凍結乾燥設備を使って、丁寧に汚れを取る作業が繰り返された。
その中に発見した古文書から、この話が生まれた。。。。
ワクワクする件である。文書の名前は「地蔵橋留書」
そんなふうに始まったのは、江戸時代よくある妾腹の息子。この主人公である鈴蘭こと、北町同心、鈴鹿彦馬の息子、鈴鹿蘭三郎。そして鈴蘭を見守るのは、江戸当時今でいうアダルトグッズの始祖である『日本一元祖四目屋』の店主で通称『帆柱の喜平』
この本は喜平も50歳を超えて店を息子に譲り隠居しながら、同心から手札をもらう岡っ引きを続けている設定。
浅黄斑さん独特の江戸時代のあらゆる記録を盛り込みながらのストーリーで、たっぷりとした読後感が味わえる。