【感想・ネタバレ】長英逃亡(上)のレビュー

あらすじ

シーボルトの弟子として当代一の蘭学者と謳われた高野長英は、幕府の鎖国政策を批判して終身禁固の身となる。小伝馬町の牢屋に囚われて五年、前途に希望を見いだせない長英は、牢名主の立場を利用し、牢外の下男を使って獄舎に放火させ脱獄をはかる。江戸市中に潜伏した長英は、弟子の許などを転々として脱出の機会をうかがうが、幕府は威信をかけた凄まじい追跡をはじめる。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

破牢の末、高野長英は武蔵(板橋、戸田、浦和、大宮)上州、越後から母に会いに故郷水沢へ。その逃避行は圧倒的なスリルに富み、また長英の心の動き、多くの支援する人々との暖かい交流。幕府の威信にかけた追跡はとても100年前とは思えないような鋭さで、思わず読んでいる私自身が追われているような緊迫感があります。私にとっては浦和(大間木)大宮(片柳)など住んだことのある近隣の場所の昔の佇まいを感じさせてくれる楽しさもありました。

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2013年08月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

火事による切り放し、義務付けられた3日以内の回向院への集合。知己の人を訪ね歩く。もちろん、戻る気はない。放火は長英の策略。始めからの計画。しかし、読者は葛藤に駆られる。戻って欲しいとも思う。もしかしたら寛大な処置が得られるかもしれない。言い含められ火をつけた栄蔵は後に捕らえられ火刑。逃亡中匿ってくれた隆仙は拷問を耐え抜き、元に戻らない体に。後少し待っていれば、厳罰を強いた町奉行耀蔵は左遷される。不当な裁きでも従うべきだったのか。個人の視点だけではなく、歴史的見地からも考えたい。逃避行は続く、下巻へと。

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2021年09月19日

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