主人公のフルットは、人間に餌付けされつつ自称「野良」の半端な猫である。エサをくれる一応の飼い主は鯨井先輩。安アパートに居を構え、ギャンブルに興じるちょっぴり残念な大人の女性だ。
フルットの自由気ままで時々シビアな野良猫生活と、鯨井先輩のやっぱりちょっぴり残念な人間生活が、独特の画風と視点で描かれる。
私のおすすめは、1巻で野良仲間と釣りをする話。川底に釣り針が引っかかり、「おれは地球を釣ってしまったということか!?」と妄想。釣り上げると地球が太陽に飲み込まれるし、離すと下に落っこちるし…と、恐怖に震える姿が愛らしい。
釣りの最中に針が川底に引っかかるなんてよくある話だが、それがフルットの視点を通すとこんな物語が広がっていくのかと驚かされる。さらにわずが2ページでオチをつける構成力にも脱帽。読み終わる頃には誰もが、普段の日常の中に潜む想像力の種を、探したくなってくるはず。
感情タグBEST3
現代日本のピーナツ
ピーナツ、所謂「スヌーピー」にも引けをとらないシニカルさと温かみ、そこに石黒氏独特の奇妙な味が加わって好きな人にはたまらない。ただその分普遍的面白さというところではやっぱり敵わないかとも思うけど、これだけのレベルをキープするのはスゴいよね。
Posted by ブクログ
石黒正和の自画像としてはよくゾンビみたいなおっさんが使われるけれど、むしろさなちゃんだよな、って裏表紙の、髪がハネてないさなちゃんの絵を見て思った
Posted by ブクログ
新米をめぐって、相関図(猫の縄張り)が大きく変わってきたなー。
血みどろバイオレンス3角関係とかあったし。
しらべてみよう、相変わらず恐ろしい。