あらすじ
駅から徒歩17分、築年数40年強のマンション・メゾン美甘(みかも)にレトロな佇まいの住人専用食堂が設けられて早三年。料理人を務めていた女性が怪我をし、代理でやって来たのは甥だという雨森涼真。どこか謎めいた涼真は、その人の体調や悩みにあわせて、薬膳の知識を用いてメニューをアレンジしてくれるばかりか、日々の生活のなかで遭遇する謎を解明してくれるのだ。読めば心も体も元気になれる、おいしい連作ミステリー!
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Posted by ブクログ
大きな事件が起こるような作品ではないけれど、日常の中にある小さな悩みや人とのつながりが丁寧に描かれていて、すごく面白かった。読んでいると心が落ち着くような作品で、また読み返したいと思ったし、薬膳にも興味が湧いた。
読んでいて、この前読んだ『僕とおじさんの朝ごはん』の「ご飯の食べ方は人生の向き合い方に似ている」という言葉を思い出した。なんのために生きているんだろう、と思うこともあるけれど、美味しいご飯を食べることも、生きる理由の一つなのかもしれないと思ったし、そういう料理を作れる人は本当に素敵だと思った。
この作品に出てくる料理は、豪華さや派手さよりも、「相手や自分の体を思って作る」という温かさがあって、そこにすごく魅力を感じた。雨森やおばあちゃんの料理には、ただ栄養を満たすだけではない、“相手を大切に思う気持ち”が込められている感じがして、そこがこの作品の好きなところだった。
また、住人たちの悩みを薬膳や会話から少しずつ読み解いていく雨森の推理シーンも面白かった。相手をよく見ているからこそ気づけることがたくさんあって、ただの料理小説ではなく、人との向き合い方も描かれている作品だと思う。
特に1番最後の話が好きだった。最後に出てきた主人公のお母さんが、直接わかりやすい言葉で愛情を伝えるわけではないけれど、態度の端々からちゃんと娘のことを思っているのが伝わってきて、その距離感がすごく良かった。派手な感動ではないけれど、温かい話で印象に残った。
良い人だけ出てくるわけじゃなくて、そう簡単に希望通りにならないのも現実的で良かった。
最後の章とかでもっと雨森自身の過去や話が出てくるのかと思っていたけれど、そこはあまり語られなかった。続編が出たらぜひ読みたい。
もし一人暮らしをすることになったら、こんな食堂が近くにあったらいいなと思ったし、なくても、自分で誰かの体や気持ちを考えながら料理を作れる人になりたいと思った。
Posted by ブクログ
ミステリ部分はかなりしっかりとしたミステリで、内容に重さもあるなと感じました。
しかしとても美味しそうなご飯の描写で
心がほかほかとします。
コージーミステリというジャンルを初めて知ったのでこれがコージーミステリか…とふむふむしてしました。
ミステリではないけれど、角川文庫の「キッチン常夜灯」あたりが好きな方はこちらの本も好きなのでは…!と思います。
メゾン美甘の外観から始まる物語。
思わず想像してしまう、美しい建物。
そんなお家に住めるなんて羨ましい…!と思いますし、読み終わりにはご飯もついて羨ましすぎる…と思いました。
私自身が急な寒さにやられて絶不調なので、
1話目のおかゆがとてもとても美味しそうに感じます。
また、雨森がさらっと謎を解きつつ、住人たちの胃袋を掴み健康的にしていく様がクセになりそうです。