あらすじ
作家の伊瀬忠隆は雑誌の依頼を受けて「僻地に伝説をさぐる旅」の連載を始めた。第一回浦島伝説の取材地丹後半島いらい、彼の赴くところ常に不可解な謎や奇怪な事件が絶えない。そして突然の連載打切り。この企画の背後に潜む隠された意図の存在に気づいたとき、伊瀬は既に事件の渦中に巻き込まれていた。古代史、民俗説話と現代の事件を結ぶ雄大な構想から生れた本格的長編推理小説。
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Posted by ブクログ
久しぶりの松本清張作品。やはり格式は高い。「Dの複合」ということでどんな「D」が複合しているか楽しみにしていた、が、「D」が出てこなかった。何なんだ?500ページの超大作、100ページは、怪奇系紀行文を書く作家(伊瀬)と編集者(浜中)が浦島・羽衣を旅する。そこで白骨死体が発見される。そこのには「第二海竜丸」という木片が落ちていた。さらに坂口みま子が殺された。殺人が起きてからは一気に話しが動くが犯人・動機が分からない、これぞ松本清張の醍醐味なのか?ラストで真相が明らかになるが、怒涛のラストは凄かったです。⑤
解説読んでいたら「D」の意味が分かりました。坂口みま子がキーパーソンだったのかな?
Posted by ブクログ
謎が謎を読んでどんどんわからないことが増えて…を繰り返して読んでいった先に気づけば一周まわって戻って来てたみたいな話だった。大掛かりすぎる気がするけれど、それだけ深いものを抱えていたのかななどと考えたり。
Posted by ブクログ
羽衣伝説や浦島伝説を追って各地を飛び回るのだが、その動きがあまりに不自然で、意図的なものがあることは明白。もったいぶられた挙句、最もわかりやすい結論。
緯度と経度に並ぶ土地を繋げるという発想から、やや無理目のミステリーとなっている。
Posted by ブクログ
※犯人ネタバレ
タイトルセンスに脱帽
浜中くんの壮大で回りくどい復讐計画。
みんなグルだったから、関係者がすぐに捜査線上に浮上したんだな。
最初の白骨死体がただの話題作りだったのは驚き。
浦島伝説や羽衣伝説が、淹留説に基づいたもので、それが網走で無実の罪で投獄されたことを指すってのは、ちょっと迂遠すぎる。そりゃ社長も気づかないよ。
関係のない第三者の坂口みま子が殺されて、浜中くんは本当の意味で後戻りできなくなったんだな。
武田編集長がかわいそうすぎる!!過去の因縁も知らなかったわけだから
ニセ?藤田くんはとてもよかったな。ノリで転職したり墓を暴いたり白骨埋めるの手伝ってくれたり、飄々としていて面白い
諸悪の根源は社長だが、大体は浜中くんのせい。こいつも悪い奴だよ
最後の手紙の独白は、やはり一抹の切なさがあった
先生、今度は本当に浜中くんの新聞広告出すんじゃないのか。全国紙で