あらすじ
白昼の銀行を舞台に、巧妙に仕組まれた三千万円の手形詐欺。責任を一身に背負って自殺した会計課長の厚い信任を得ていた萩崎は、学生時代の友人である新聞記者・田村の応援を得て、必死に事件の真相を追う。二人は事件の背後にうごめく巨大な組織に立ち向かうが、手がかりは次々に消え去ってしまう…。複雑怪奇な社会の裏に潜む悪の実体をあばき、鬼気迫る追求が展開するベストセラー。
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Posted by ブクログ
待ってくれ...!結局二見ヶ浦の旭波荘にいた舟坂は誰だったんだ...?!すごい威圧感で田村と一緒に汗かきながら読んでいたのだが??
そして結局最後まで竜雄と上崎絵津子が出会わない事に動揺した。2人の出会いが読みたかった。
Posted by ブクログ
全容の見えない事件と数多くの謎が次々と現れていくのが面白い。テンポも良く読みやすい。
ただ、全体を通じた大トリックがあるというよりは、いくつかのトリックを最後にまとめて解き明かす形式のため、そこのスペクタクルは人によっては物足りなく思うかもしれない。
また、竜雄の上崎絵津子に対する脈絡のない好意や、一部のトリックの動機に対する疑問は少し残った。
Posted by ブクログ
清張没後30年 WOWOWドラマ化。契約してないので観れませんが。なぜ、眼の壁を?まだ本棚に残っているので再読です。
資金調達に窮した昭和電業製作所。白昼のとある相互銀行(平成5年相互銀行法廃止)で、三千万(今だと4or5億くらい?)の手形詐欺にあってしまう。担当者は自殺。部下に遺書ともいえる事件の詳細を書いた手紙を残す。部下・萩崎は友人の新聞記者と共に、事件を追い始める。それは、連続殺人事件へと繋がっていく。
経済犯罪小説の先駆け。事件に絡む右翼組織。作者らしい、伊勢や木曽などの地方都市への旅情。
今では考えられない社会常識の中での推理小説ですが、最後まで何を追い詰めているのかさえもわからない名作だと思います。
でも、これ小説の手順で手形パクリ詐欺ができるとは思わないでくださいね。詐欺事件の手法としては、簡易すぎます。手形を準備していますけどを、融資の種類、手形貸付あるいは割引手形か、さえも明確でない。まして、融資取引を契約していない銀行とは不可能。なーんて重箱の隅突いていたら、作者は、そこのところを故意に簡易化したようです。
この詐欺の後の事件の背後を重視ですね。
そして、なんと今年度後期に手形交換所がなくなるみたいなんですよね。なんと電子化。今では、電子手形なる物も利用されているとか。経済犯罪も電子化でしょうか。現物の手形を使った詐欺のドラマはそろそろ最後ということでしょうか。