あらすじ
本書は、“既に手元にある魅力的なデータ(Sexy Little Numbers)”を、これまでとは違った角度から分析し、思い込みをこわして新しいビジネス戦略を描き成功させたデータ・サイエンティストの手法を、実例と多数の図表を交えて紹介する。
データを分析し、誰に、何を、どのメディアを通して、いくらの予算をかけて消費者にアプローチするか、マーケティング戦略を決めたらどう実行に移し、その結果を測定して最適化を図っていくか、という「データ・アナリティクス(分析)」の一連のプロセスがわかる。
「測定した結果が何の意味をもつのか」をシンプルな形で示すことに徹底的にこだわる。
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Posted by ブクログ
【Summary】
データ分析によって、企業の課題解決をしてきた著者の過去プロジェクトをベースとした内容。
既存の理論に沿った分析というよりも、この著者独自のフレームワークの紹介がされている。
高度な分析をする研究者的アプローチというより、単純で誰もが理解可能なフレームワークでシンプルに分析するコンサル的なアプローチが多い印象。
自分自身も今後データ分析のプロジェクトをする場合は、コンサルという立ち位置上、高度で複雑な分析をすることが目的ではなく、いかに早くそこそこ妥当な解を出し、クライアントを動かすかということが大事になりそうなので、その点では本書は参考になった。
Posted by ブクログ
広告会社オグルヴィのマーケティング担当が書いた本。
オムツとビールのバスケット分析が嘘だったってことが一番の収穫。
web画面の見せ方を工夫すると、入会率が上がるよっていうことを言っている。(入会ボタンを、オレンジから緑にすると良いなど。オレンジは目立つけど、警告の意味があるからとのこと)こういったことを、統計的に分析し、提案し、実践し、改善するのがお仕事のよう。
A=(P*MC)/ROIで、ある広告を特定の人物に表示することに対して支払う金額がわかる。
Pは、広告を閲覧した人物が口座を開設する確率。
MCは、実際の顧客になる毎にもらえるマージン。
ROIは、企業が投資したことに対して得られる利益の割合。
広告予算の削減は、長期的にマイナスの影響をもたらす。
目標には、「測定方法」「ベンチマーク」「時間設定」が必要。この3つがそろわないと、目標は単に緩い方向性を示すものか、願望のようなものになる。
財務管理サービスのミント・ドットコムはおもしろい。「あなたの財務状況を教えてください。私たちはその改善に向けたお手伝いをします」財務諸表から何かを読み取るのは難しいので、専門家に見てもらったほうが効率的であれば、こういったサービスは有効。
OODAループ。人間が素早い、直感的に言える意思決定を下す際のステップで、戦闘機の設計経験もある、パイロットのボイドが発明したフレームワーク。
Observe(観察)
Orient(情勢判断)
Decide(意思決定)
Act(行動)
専門的な数学・統計学を学ぶとどれだけ分析の切り口が増えるのか、ぼくには見当がつかないなー。
結局、納得感あるものを出せる、顧客目線の方針を出せるかどうかだと思う。
Posted by ブクログ
途中で読むのをやめたので積読行きに。こういう海外での最新トレンド事情を翻訳された本に学びが少ないと感じるようになった気がする。これでは本質を取れず、自分が直面しているシチュエーションに応用できない。
Posted by ブクログ
マーケティングを今自社が持っているデータから、どのように有効に行うか。アナリシス。
・特に固定電話など、成長が止まっている市場においては、財布内シェアの情報が不可欠になる。固定電話サービスの利用傾向を左右するのは主に、
・顧客企業が保有している電話回線の総数
・顧客企業がどの産業に属しているか
・企業内の地理的なばらつき(拠点が1カ所か、複数か)
である。
そこで、どこに営業の最大のチャンスが転がっているか割り出すために、次のような分析を行った。
まず顧客を1回線毎の請求料の大小でソートする。例えばレンタカー事業を営むA社が40回線所有していて、1ヶ月あたりの請求が合計3000ドルなら、1回線あたり75ドルを支出している。
次に地理的にA社に近く、業態が同じで1回線あたりの請求額が高い他社と比べる。同じ地域の上位の他レンタカー会社が1回線につき平均120ドル使っているとする。
そして、’1回線あたり120ドルがその地域の同業者で財布内シェアの100%を握っている’ものと考える(支出額が最も大きいので)。
1回線あたり75ドルのA社はまだ45ドルを競合他社の電話回線に使っているので、A社をターゲットにするのは、有意義だとの結論が出る。
・人々の感情を理解することに特化している企業として、他にボイスプリズムが挙げられる。彼らは人間の声の音波を分析する。誰かに10分ほど喋ってもらい、基準値となるベースラインを把握した後で、提示される様々な刺激物(この場合は広告)について語ってもらう。そしてその際の反応とベースラインとを比較し、興奮やストレス、喜び、怒りといった感情を明らかにするのだ。声は無意識下で何が起きているのかを理解するのに役立てることができる。何千人もの消費者の無意識に関するデータを集められる技術など、私はほかに見たことがない。