あらすじ
『宝石商リチャードの謎鑑定』の著者が贈る、ハートフルな医療SF
海面上昇が進み医療が著しく後退した未来。偏屈なドクターとロボットのマリアⅡの船には、治療を求める患者たちが集まってくる。
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Posted by ブクログ
医療系のSFと思ったら… <ブラックジャック>と<蟹工船>と<攻殻機動隊>だった。
気候変動で、海面が上昇した24世紀の世界が舞台。世界は、超巨大混合企業HAに事実上支配されていた。社会の階層化が進み、教育や医療へのアクセスが困難な地域も多くあった。そんな中でも、偏屈で風采が上がらない博士(ドクター)は、助手のロボットマリアⅡとオンボロのクリニック船で移動しながら、人々の診療を続けていた。
本書はSFマガジンに連載されていた4編を加筆修正し、書下ろし1編を加えて単行本したもの。最初の2編は、<ブラックジャック>を彷彿させられた。伝説の名医と助手のコンビだし。と思ったら、次はSF版「蟹工船」だ。そして、4編目は博士とマリアⅡの過去に迫るもの。ラストにほうで、ピンときた読者もいるはず。そして最後の書下ろしで、博士とマリアの過去と正体を明らかされる。「ゴースト」が宿る。
最近はラノベを除き、珍しくなったイラスト付きの文庫本
Posted by ブクログ
前編通して面白かった。興味深い、という方の面白いに近い。久しぶりのSF作品。私はあまりSF作品は読まない方なのだが、興味はある。ガンダムだって銀英伝だって雪風だって好きだし。
そしてこの『博士とマリア』は、それらよりより身近な存在として考えられた。
中でも一番好きな話は、『殻むき工場船から』である。少女たちの力強い『生きる』意志が印象的だった。私が女だからだろうか。つい、素敵だな、と思ってしまったのは。
ねぇ、マリアⅡ。あなたも彼女たちに、味方してくれましたよね。(笑)
Posted by ブクログ
かなり先の未来、ディストピアでSFもあり、企業に搾取される人達が描かれる本作は最近のゲームならアウターワールドっぽい。ベセスダのNPC感があるからそういうのが好きな人にはうってつけ。
残酷なのに人情もあって、見ているだけじゃ分からない事が分かっていく語り方が面白かった。
博士とマリア、2人の関係性、秘密も最後には明かされる。人間なのに機械みたい、機械なのに人間みたい、皮肉な置き方が良かったです。
Posted by ブクログ
舞台は24世紀の地球。
地球温暖化の進行で海に覆われたディストピア。
二本の煙突から煙を上げる小型船。
中に乗っているのは
一人のドクターと円柱形の医療用ロボット。
1話目を読んだ感触として、
ブラックジャックみたいな短編集かな、と思ったのだけれど、
“見返り”が明言されず有耶無耶になっていたり、
委託を受けて大企業の下請けのような役割をしたり、
どうにも一貫性を感じない作品集だった。
そしてラストの5話目のエピソードが強すぎて、
この5話目のアイデアを1冊にまとめるためだけに
前の4つのエピソードが足されただけのように感じた。
1冊の作品としてはちぐはぐな印象が拭えなかった。