あらすじ
紗南の心の病気は、ひどくなる一方。そしてとうとう羽山の事までわからなくなってしまって……。大人気『こどものおもちゃ』が、ついに涙と感動の最終巻!!
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こどちゃはMy bestコミックのうちの一つです
小学生の頃は後半つまんなくなったなぁ〜と思って中途半端に見なくなったのですが、大人になって読んだら後半が泣けて泣けてしょうがない
個人的に秀逸だなと思ったのは
さなちゃんの看板広告を見つめる羽山のシーン
死んでなければいつでも会えると考えていた羽山が、会いたくても会えない現実に苦しむ場面。さなちゃんの看板広告との距離で上手く表現できているし、羽山の表情がまたいい。
もう一つは羽山とお母さんの会話
生死の境を彷徨っている羽山にたいしてお母さんがかける言葉
あなたを愛してるから生んだ、この言葉は羽山を最初に救った言葉であり、再び羽山を救う言葉になります。
はじめと違う点は、最初は家族に愛されたいから響いた言葉だったのが、二回目はさなちゃんに愛されたいがために求めた言葉であったこと。同じ言葉でも羽山の中でニュアンスが変わったのは羽山の成長を表現してると思います
とにかく掘り下げればその分だけ緻密に考えられたストーリーに脱帽させられます。悲しくて温かい傑作、たくさんの人に読んでほしいです。
爽やかな終わり方!
子供の頃に読んでいた記憶と共に、大人になって読んでみた。芸能人で物事はっきり言えるさなちゃんに憧れていたわたしの子供時代。今読んでも、とってもこったストーリーで感動しました。単行本を捨ててしまっていたので、ここでまた読めてよかった!!
ママの名言
いい人はいい人の回りに集まる。
生まれてすぐ1人になって、14年生きて、回りにいい人が集まったっていう自分を信じなさい。
この言葉で、紗南ちゃんは一生生きていけそう。
さすがママです。
順番逆ですが、羽山くんがあんな風に泣いて、本音ボロボロぶちまけるとは。「お前がいなくなったら、ダメになるのは俺の方」
これも、紗南ちゃんへのインパクトは絶大でしょうよね。なるほどなー、そう解決するのか!
なんか、もうとにかく諸々感動しました。
ラストの終わり方も、とっても好き。
小花さんの、堂々代表作だと思います!!素晴らしい!!
完結ー!!
羽山の今までにない本音と涙をみて、私までウルっと来てしまいました。
無事病気も乗り越えて良かった!
離れてても気持ちは繋がってて、お互いに成長してるのが素敵。いい作品でした〜!
Posted by ブクログ
※全10巻
アニメとか観てたけど…うろ覚えw
本誌連載当時はチャイドル(チャイルド+アイドルらしい)の全盛期で、主人公・紗南ちゃんも劇団に所属して芸能界に入っているという設定。
しかし後に明かされた、芸能界入った理由が切ないのなんのって…。
この作品は完結から相当経った今でも人気あるし、大人からも支持あるのが特徴かと。
なんといっても、取り上げるテーマが身近でありながら奥が深いんだもの!
学級崩壊に、両親の離婚、機能不全家族などなど。
あとはなんといっても紗南ちゃんの出生の秘密が衝撃的だったなー。
赤ちゃんの頃から過ごしてるから違和感ないのかもしれないけど、あんなに性格ソックリのママと本当の親子じゃないなんてビックリだよ。
やっぱり人を形成する力は血よりも環境とか一緒に過ごした時間の方が強いと思うな!
ラストに向けて~終わり方は私的には微妙な気もするけど、なかなか社会派な漫画だよなぁと今見ても思う。
Posted by ブクログ
マンガ喫茶って怖いねー。
なんか気になっちゃって全10巻読破っつう。
これ、94,5年から99年にかけて連載してたんだっけね。
タイムリーにわたし、この頃小学生だった。
当時学級崩壊とかそういうのが、ちらほら騒がれ始めてた時代だったけど、
りぼん読んでたときはさすがにこれはやりすぎ、とか思ってた。
今見ると、そーでもないねw教育現場にいる人間が言うかっつう話か。
だんだん、ひどくなってるんだと思う。
だから、この不穏さに対する免疫が、できてしまっているのかと思うと、
自分自身の愚鈍さに気付かされ、
読み終わったあとに、熱に浮かされたようになってしまった。
今の子は、「絆」を求めるって、よく言われる。
なんでかなぁって思う。
コミュニケーション能力が低下してるから、僅かなつながりを深めることに躍起になってるから?
なんか違うなぁって思う。
でも最近、思うのは、
テレビでよく
「バブルのあの頃は良かった」とか、
「もう一度バブルが来るって信じてる」とか
「バブル時代の生き残り(的アイドル)」とか
言われてる状況を目にする。
バブル時代は、私は物心付く前。もとい親が地方公務員なんで、バブルの恩恵なんて全く受けてなかった。
今の若い世代の子は、もっと実感のないことなのは当たり前で、
「豊かだった時代」を知らないで、幼少期を経てきた。
いや、言葉が足らんな。経済成長が停滞しだした頃しか知らず、育ってきた。
私が中学校に上がった時、地元のデパートが倒産した。
建物はそのまま残っていたけれど、あれだけ賑やかだったデパートが、中身の無い伽藍堂になっていくさまを悲しく見守っていた。
銀行もどんどん潰れていって、「銀行名、また変わったのか」というような日常。
どんどん右肩下がりになっていく経済状況の中、
それでも教育現場は「夢を追う」ような、「努力すれば報われる」思考をかえずに、我々に教育を施していった。
努力して入った会社や銀行が、どんどん倒産の憂き目に合っている中。それでも私たちは、明るい未来を疑わずに育てられた。
それが、間違ってるっていうんじゃない。
夢持って、現実と切り離された形で教育を受けたことは、プラスの面もある(と思う)
今の教育も、そんな感じな気がする。
期待できない経済状況の中、
「夢をみる」ことを強いられる。
夢を見るな、といっているのではない。
だから、今の若い世代は、なんとかその矛盾につじつまを合わせようとした時に、
働く意味を、伸びしろのないような未来に託すんじゃなくて、「人とのつながり」に意味を見出すことに変えてるんじゃないかと思う。
なんて健気な。
いや、合ってるのか知らんし、思い込みかもしれないけど。
こんな不条理さの中、何もかも納得がいかずいろんな課題が出てきて、その課題の犠牲者がたくさん生み出されてしまっている世の中に、
それでも希望を失わないように活路を見出そうとしている結果が、
今の子達の価値観ならば、
自らそれを大切に育てるすべを共に見つけ出していきたいと、願わずにはいられない。
ということを、この主人公たちの行動を見て思いました。