あらすじ
作家・藤井陽造は、コンクリートを満たした木枠の中に全身を塗り固めて絶命していた。傍らには自筆で〈メドゥサを見た〉と記したメモが遺されており、娘とその婚約者は、異様な死の謎を解くため、藤井が死ぬ直前に書いていた原稿を探し始める。だが、何かがおかしい。次第に高まる恐怖。そして連鎖する怪死! 身の毛もよだつ、恐怖の連鎖が始まる(講談社文庫)。
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Posted by ブクログ
普通ホラーにおいて恐怖の対象はその正体がよくわからない時が一番怖い、なので謎の正体を探求し暴いていくミステリとの相性は悪いはずだが、この話はミステリとして話を進めながらちゃんと最後まで怖いし気持ち悪い。ホラーとミステリが好きな自分にとっては最高。
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今読んだら評価は違うかもと思いつつ、かなり思い出のある本。世にも奇妙な物語や週刊ストーリーランドが好きだった人にはお勧めできる。かといって語弊のある言い方ですがそんなに安っぽい感じもしない。フォントの変化とかの仕掛けには素直に関心した。
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初めて読む作者さんでしたが面白かった。
少し長めの小説でしたが一気読みしてしまいました。
なんだか自分がどこにいるのかわからない感覚。
人の記憶の曖昧さみたいなのが感じられて自分の記憶が信じられなくなるとても怖い話でした。
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惹き込まれる面白さがあって、
小説として読んでいて面白かった。
内容は読み終えて冷静に考えると
消化不良なところもあったけど
作者が乗っている頃に書かれたと
いうのがわかる、意欲作だと感じた。
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不可思議な事件の経緯少しずつ明らかになっていくストーリーの面白さと、さらに不可思議なことが起こる謎の行方が気になるのが平行して読む手が止まらなかった。
全てがスッキリとする訳ではなく、ホラーともSFともミステリともどれとはジャンル分けし難いが、どれの良さもあったと思う。
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「メドゥサ、鏡をごらん」井上夢人
叙述サスペンスミステリホラー。グレー。
トリッキー、崩壊もの、スパイラル。
途中まで読者に読ませた展開が後半で一気に形を失っていく。
どんでん返しなんじゃなくて、「アリ」だったものが「ナシ」になっていくというか・・・。
小出しにされる恐怖と、解決しない結末?
純然たるサスペンス、ミステリー、ホラーじゃなくて、構築された混沌に引きずり込まれた印象。
井上夢人さんの作品は総じて好きですが、本作品は期待以上のものでした。
世界観がとても好きですね。世界観というか世界の見方というか。
岡嶋作品からそうですが、IT技術の描写が古くさくなってしまうことだけは仕方がない。
それを補ってあまりあるストーリーだと思います。
Posted by ブクログ
何十年前、新書版で読んですごく怖かった印象があった作品です
もう一度読みたいと思っていたけれどどこにも売ってなくて、先日やっと古本屋さんで見つけました
話の整合性が取れているかと言われると微妙ですが、私は好きな作品です
Posted by ブクログ
先が気になりすぎて一気読み…!!
何、何っ?!
どーなるのこれ!!ヒィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ
井上夢人作品は過去に『ラバー・ソウル』を読みました。
ビートルズマニアの醜い男が主人公の、切ない話です。
……ミステリなので、もちろんタダじゃ終わりません。
傑作でした!!(〃´-`〃)
『メドゥサ・鏡をごらん』も井上夢人ミステリ。
井上夢人さんといえば、岡嶋二人。
岡嶋二人といえば『クラインの壺』
私の中では、そんなイメージ。
『クラインの壺』は岡嶋二人最後の作品で、井上夢人さんバージョンであると、メドゥサ〜のあとがきに書かれていました。
『クラインの壺』もまた傑作です!!
未読の方が羨ましい♡⁝(ᵒ̴̶̷᷄⌑ ᵒ̴̶̷᷅ )⁝マジ
『メドゥサ、鏡をごらん』はそんな『クラインの壺』を彷彿とさせるような読み心地。
読ませるのがうまい、と言うか、やめ時が分からず、結局最後まで一気読みしてしまいました…(^▽^;)
彼女の父親である作家が、コンクリートで自分の身を固めて自殺するという、衝撃の出だし…(;´Д`)
残したメモに「メドゥサを見た」と書き残して…。
父親が残しているノートを調べながら、自殺の真相を探っていくと、ある町へと行きつくことに…。
はい、もうおもしろーい!!
ミステリらしく色々仕掛けてありますよ。( ≖ᴗ≖)
最後の方で出てくる疑問に、前半部分を読み返してしまう!!
鳥肌立ちました:( ; ᷄ᾥ ᷅ ;):
1997年の作品なので、パソコン通信やフロッピー、ファックス、留守番電話が主流。
地図も、販売されているものが出てきます。
不便ながらそれらが不気味さをさらに上乗せしてます…。
ホラーじゃない…んだよね。
でも、ホラーミステリのように感じました。
一気読みしちゃうよ、きっと。
面白かったです!!ヽ(´▽`)ノ
Posted by ブクログ
ミステリーだと思って読んだらホラーだった。
最初は主人公の1日が消えたことも、後で何か合理的な説明が付くんだろうと思って読んでいたけど、途中から雲行きが怪しくなってきて、今までの文章は実は…って辺りで「あ、これミステリーじゃないわ」と気付いた。
引き込まれる内容で一気に読める面白さだが、ラストがよく分からないまま終わる。
ミステリーなら怒ってるところだけど、ホラーなら別にいいんじゃないかな。
Posted by ブクログ
普段、自分が自分であることを意識する機会は殆どない。
それは、自分が自分であることが当たり前だと思っているからである。
しかし、この作品を通して、自分が自分であることを当たり前だと思っていた、今までが不思議になった。
それは、自分が自分であることは、容姿を確認したり、覚えていることを確認して初めてそうだと分かるからである。
でも、読後に思ったのは、周りの人が自分のことを別人扱いしたら、事前にどれだけ自分が容姿などを確認したりしても、それを本当に信用していいのかと思ってしまった。
それは、圧倒的多数が自分を別人扱いしたら、自分一人で確認したことなんて、当てにならないと思っても、無理がないと思うからである
Posted by ブクログ
いやはや、何と表現していいものだろうか。感想を伝えるのが非常に難しい作品。
ホラーともとれるけど、それだけでは無いような寂寥感が胸に残る。モヤモヤした感じもあるけど、ある意味こういう終わらせ方しかないよねっていう納得する部分もある。
物語の途中にある仕掛けの後に、転がるように変化していく展開が読むのをやめさせてくれない。どんな結末を用意してくれるのか、主人公は救われるのかなどが気になって仕方なくなる。
正直もうどっちがどっちやら!
読み始めた最初っから、なんだこのフォントは?えらく太い字だな?と思っていたが、それも仕掛けの一つかと。
とにかく読んでみて、判断してほしい作品。ラストは賛否両論か。
Posted by ブクログ
出だしは探偵小説ようである。
正直ネタバレになってしまうので詳しく書けない。
引きこまれ度は高いし読み応えがある文章でよかった。
太字と細字で書かれたこの小説は面白い。
Posted by ブクログ
ミステリー小説だと思ったら途中からホラー小説に。だが嫌いじゃない展開です。
メドゥーサにされた少女の憎しみ・怨念・悲しみは消えないだろうし、真実を単純に知りたがる好奇心だけで近寄ってくる人物さえ魔力?で死に追い込む恐怖。切ない話でもあった本。
Posted by ブクログ
不可解な自殺を遂げた小説家の遺稿を探し求めるうちにその物語の中に取り込まれ、自分が何者かさえわからなくなって大きな負の力に翻弄されていく、というメタの手法を使ったサイコホラー作品。何重にも構築された世界は合わせ鏡のように読者を引き込み、先へ先へとページを促す。
ただ、最後のオチは個人的にはモヤモヤが残り、中盤のトリックに駆けた作品とも感じる。
Posted by ブクログ
自らをコンクリートに閉じ込め、まるで石像のような自殺を遂げた作家・藤井陽造。傍らの空き瓶からは<メドゥサを見た>との謎のメモ書き。陽造の娘・菜名子の婚約者である私は不可解な自殺の真相を求めるが、その先にはある集落での事故が大きく関わっていた・・・。
久々に何を言ってもネタバレになりそうな危うい作品に出合ったな。
「メドゥサを見た」と残し死んでいった作家先生の原稿を追い求めるうちに主人公の私は過去のとある事件に真相を見出そうとするが、そこに関わっていたものは謎の怪死を遂げていた。やがて主人公の身にも超常現象のような不可思議な出来事が襲い始める。本作の謎は何故藤井陽造氏は自身を石に見立てるような自殺を遂げたのかということだが、その謎が終盤トリッキーな方法で示される。ホラーでありSFでもあり、ミステリーでもある上で特定の枠にとらわれない井上氏らしい作品だったな。
Posted by ブクログ
ホラーなのですが、タイトルから想像する方向性と違う怖さが面白い。
なんだかんだと怖いもの見てきて、感性鈍めの今日この頃。なんか凄いやつ見ちゃったり、追いかけられたりするよりも、自分の身に起きる不可解な現象が続く、経験したくないホラー。
小酒井不木「メデューサの頭」1926年の短編は、微笑ましいホラーです。腹部の静脈の血管が圧迫され、蛇の様に見える状態を医学用語で「メデューサの頭」というらしいです。それを、メデューサを妊娠したって焦るという。飲みながら、読む方には、真性ホラー。
Posted by ブクログ
父の本棚から拝借。
全く予備知識がなかったので、本格ミステリーなのかホラーなのか何なのか分からないまま読んだ。
謎だらけだけど徐々に解明されていくのかと思いきや、途中から世にも奇妙な物語状態に…!
いや、それはさすがに、、と思いつつも引き込まれて止まらない。
結局最後までタモリが出てきそうなくらい世にも奇妙な物語で、色んなことが謎だらけなまま。
とはいえ、楽しく読めたのでまぁ満足。
細かいことは気にせず、エンタメとして消化した。
Posted by ブクログ
少し時代が古いのは分かる。フロッピイとか出てくるし。けど、普通は、フロッピーちゃうかな?どうでも良いけど(^^;;
今なら
フロッピー =USBメモリー
ディレクトリ=フォルダー
ぐらいか。岡嶋二人の時もそうやったけど、コンピューター用語多め。
こんなとこで、悩ませてどうすんねん!
まっ!作品の内容でも悩まされるんやから、やめて〜!
何か、最初は、ミステリーしてて、どんなトリックやねん?とかワクワクしてたら、ホラーなんかな?
主人公が、1日なくしたり、過去行ったりみたいなんがどうなるんやろ?って思ってたけど、ホラーの一言で完了!って感じに思えたんやけど…
それとも怖くて見逃してた???
どんどん摩訶不思議な事が起こって、混乱の極みって感じ。謎は深まるばかりで…主人公さんも、そんな感じになって、混乱のままラストへ…
これで収束させたのかな〜
何か、まだまだ、変な事起こりそうで…
Posted by ブクログ
ホラーなので全部の伏線を回収したり理に適った内容じゃなくてもいいけど謎のまま終わるところが多い
最後は自分が藤井になり同じことを繰り返さないようにヒントを消して自殺を図るの分かる
でも一日ズレていたり元の自分はどうなったのか不明な部分も多い
パラレル的な世界で自分の存在が変わったりする
途中までは謎解き、謎追いストーリーで読みやすくもあった
Posted by ブクログ
作家・藤井陽造は、異様な死に方をした。彼は全裸になり、その全身をセメントで塗り固め、木枠の中へ横たわっていたのである。その脇にはガラスの小瓶があり、中には奇妙な文が一行〈メドゥサを見た〉と書かれたメモが入っていた。彼の娘・菜名子の婚約者である主人公は、あまりに奇異な自殺に疑問を持ち、調べ始めるが……。
読めば読むほど謎が深まり、不安な気持ちにさせられる。メビウスの輪のような話。
「知らんでいいものは、知らんほうがいい」
Posted by ブクログ
作家である藤井陽造が、全裸でコンクリート漬けになって自宅で死んでいるのが発見された。異様なこの死に方に対して、警察は自殺と判断した。死体の脇に埋まっていた小瓶の中には紙切れが入っており、そこにはこう書かれていた。
「メドゥサを見た」
藤井の娘とその婚約者は、その異様な死とメッセージの謎を解くため調べることにした。
残された陽造のノートから、彼が甲府の工場で起きた液体酸素による事故に興味を持っていたことが分かる。その事故自体は大したものではなかったが、怪我をした従業員は自殺していた。調べていくうちに、昔あったある事件にたどり着くが、それに関して周りの人たちは口を閉ざし何も語ろうとしない。
知らないほうがいいこと。
自分が既にそれに関わっていて、それがひどく謎めいている。どうしても真実が聞きたい。
でもそれを聞いたらとんでもないことになってしまうから、絶対にやめたほうがいいといわれる。
ということが自分の身に降りかかったら、あなたなら一体どうする?
聞いただけでどうにかなってしまうなんて、到底信じられない。それになんとしてもその秘密を知りたいのだ。
だけど聞いたらとても恐ろしいことが起こる。それが起こったらもう、後悔しても遅いし、時間を巻き戻すことは出来ない。
(ここからはまるでネタバレみたいになります)
この物語の結末をどう理解すればいいのだろう。主人公がメドゥサが誰なのかが分かった時点で、つまりあの小説を読み終わったときに違う次元の世界に連れて行かれたのだというのがわたしの意見。自分が元々存在しなかった世界に彼は連れて行かれた。そしてその世界では、彼は陽造なのだ。
っていうことなのかなぁ。。。
どなたか読み終わった方がいたら、是非意見を聞いてみたいと思う。
Posted by ブクログ
異様な亡くなり方をした作家の遺構を探す、作家の娘の恋人。
探しているうちに、生前の彼が探っていた人物にたどり着く。
岡島二人時代からファンの
井上夢人ミステリー…と思って読んでいたら
ちょっと様相が変わっていた
そもそもフォントというか書体が違って
ん?なんだ?と思って後のほうもめくってみたが、
同じ太字…
今回はこうなのかな?と読み進めると
やはり……
この細字太字の使い分けは
ミステリー読まない人にはあんまりピンとこないのかな
なんていうのはネタバレなんだろうか…
Posted by ブクログ
ジャンルに困る作品です。
前半と後半で物語の展開が一変します。
心理的な恐怖を感じる作品。
最期まで引き込まれて読んでしまいます。
レビュー、感想もかなり困る作品です。
心理的なホラーが好きな方は是非読んでみてください。
Posted by ブクログ
ミステリなのかホラーなのかよくわからない作品。最初は不可解な死を探るミステリタッチですが、徐々に不条理が入り込んで、冷える。
主人公以上に、読んでいる読者が寄る辺を失いふらつく不思議な感覚。
ラストが(いろいろな意味で)「えっ???」となりますが、その賛否はさておき、ホラー好きなら一読を。だいたい一気読みするはず。
Posted by ブクログ
2014.01.13
何年も本棚に積ん読してあった本。
ふと、そういえばこの本読んだっけ?と思って読み始めると…
もう止まらない止まらない!
わけのわからない怖さでうすら寒くなりながら350ページあたりまではイッキに読みました。
個人的に菜名子の理屈っぽい感じと、きかなさ、みたいなものがある人の性格が苦手なので彼女が出て来るたびにちょっとイラっとしました。笑
Posted by ブクログ
これは下手に触るとネタバレになるので怖い。
とっかかりはミステリなんですよ。
作家・藤井陽造の最後の原稿に死の真相が隠されている。
そう思った娘と婚約者が、父の足跡を追い始める。
その中に、不可解な現象をチョロっと挿入してある。
そして不可思議な現象は、ホラー要素を濃くしていく。
ミステリっぽい話とホラーっぽい話が同時進行で進んでいくという感じ。
困ったのは、色んな解釈が成り立つってこと。
印象的にはドグラ・マグラが近いかなぁ~。
話的には面白いんですよ。
もう先が知りたくて知りたくて、いてもたってもいられない。
ミステリ的にはグルグルしてるし、ホラー的には
不安が色々残るから怖い。
白黒ハッキリさせて欲しい人には向かないと思います。
Posted by ブクログ
怖いという評判で手に取った作品だったけど…。実際、怖さはあまりなく、ストーリー展開はホラーというよりむしろミステリー。とにかく粗が多くいろんな点で疑問が残るので、読後感がイマイチだった。かなりの長編を一気に読ませる面白さはあるだけに、それが残念。