あらすじ
作家・藤井陽造は、コンクリートを満たした木枠の中に全身を塗り固めて絶命していた。傍らには自筆で〈メドゥサを見た〉と記したメモが遺されており、娘とその婚約者は、異様な死の謎を解くため、藤井が死ぬ直前に書いていた原稿を探し始める。だが、何かがおかしい。次第に高まる恐怖。そして連鎖する怪死! 身の毛もよだつ、恐怖の連鎖が始まる(講談社文庫)。
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Posted by ブクログ
ミステリーだと思って読んだらホラーだった。
最初は主人公の1日が消えたことも、後で何か合理的な説明が付くんだろうと思って読んでいたけど、途中から雲行きが怪しくなってきて、今までの文章は実は…って辺りで「あ、これミステリーじゃないわ」と気付いた。
引き込まれる内容で一気に読める面白さだが、ラストがよく分からないまま終わる。
ミステリーなら怒ってるところだけど、ホラーなら別にいいんじゃないかな。
Posted by ブクログ
普段、自分が自分であることを意識する機会は殆どない。
それは、自分が自分であることが当たり前だと思っているからである。
しかし、この作品を通して、自分が自分であることを当たり前だと思っていた、今までが不思議になった。
それは、自分が自分であることは、容姿を確認したり、覚えていることを確認して初めてそうだと分かるからである。
でも、読後に思ったのは、周りの人が自分のことを別人扱いしたら、事前にどれだけ自分が容姿などを確認したりしても、それを本当に信用していいのかと思ってしまった。
それは、圧倒的多数が自分を別人扱いしたら、自分一人で確認したことなんて、当てにならないと思っても、無理がないと思うからである
Posted by ブクログ
いやはや、何と表現していいものだろうか。感想を伝えるのが非常に難しい作品。
ホラーともとれるけど、それだけでは無いような寂寥感が胸に残る。モヤモヤした感じもあるけど、ある意味こういう終わらせ方しかないよねっていう納得する部分もある。
物語の途中にある仕掛けの後に、転がるように変化していく展開が読むのをやめさせてくれない。どんな結末を用意してくれるのか、主人公は救われるのかなどが気になって仕方なくなる。
正直もうどっちがどっちやら!
読み始めた最初っから、なんだこのフォントは?えらく太い字だな?と思っていたが、それも仕掛けの一つかと。
とにかく読んでみて、判断してほしい作品。ラストは賛否両論か。
Posted by ブクログ
不可解な自殺を遂げた小説家の遺稿を探し求めるうちにその物語の中に取り込まれ、自分が何者かさえわからなくなって大きな負の力に翻弄されていく、というメタの手法を使ったサイコホラー作品。何重にも構築された世界は合わせ鏡のように読者を引き込み、先へ先へとページを促す。
ただ、最後のオチは個人的にはモヤモヤが残り、中盤のトリックに駆けた作品とも感じる。
Posted by ブクログ
父の本棚から拝借。
全く予備知識がなかったので、本格ミステリーなのかホラーなのか何なのか分からないまま読んだ。
謎だらけだけど徐々に解明されていくのかと思いきや、途中から世にも奇妙な物語状態に…!
いや、それはさすがに、、と思いつつも引き込まれて止まらない。
結局最後までタモリが出てきそうなくらい世にも奇妙な物語で、色んなことが謎だらけなまま。
とはいえ、楽しく読めたのでまぁ満足。
細かいことは気にせず、エンタメとして消化した。