あらすじ
自分のがん治療法を決めるのは患者自身だ! がん死の恐怖に煽られ、がんと闘わさせられて、苛酷な治療に苦しむ患者たち……。手術はほとんど役にたたず、抗がん剤治療に意味のあるがんは全体の一割にすぎず、がん検診は百害あって一利もないことを知ろう。無知や誤解にもとづくがんについての認識を改め、後悔しないため、自分のがん治療法は自分で決める。そのための書。
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Posted by ブクログ
古い本だが、それでも現代の問題を考える上でとても参考になる。
賛否両論あるようだが、私は肯定派。
がん医療(内科でも外科でも)や、在宅診療、緩和ケアの場で悩む若手にこそ読んでほしい。
視野が広がり、選択肢が増え、罪悪感が減ることで、自分の緩和ケアやがん医療の質が向上すること間違いなし。
名郷先生のEBM系のものと合わせて読むと、Do No Harmの原則をより忠実に実行できるようになるかも。
Posted by ブクログ
難しい部分もあるが全体として理解できるような気がする。人生は有限、生きている間のQOLを維持することの方がよっぽど大切。要は人生観、死生観の問題につながって行く事柄だと思う。
Posted by ブクログ
ガンの常識と思っていた事が
ひっくり返りました。
冷えとりをしているおかげで
以前から比べガンも怖くなくなりましたが
こちらを読んでさらに!
私はガン治療についての知識が
無いに等しいと実感。
ガン検診の意味の無さ。
抗がん剤が効くのは あらゆるガンのなかで1割。
初期ガンは治る 神話の崩壊。
日本は手術を乱発する。
ガンと診断された中にはガンもどきもいる。
新薬を試されるのはモルモットとおなじレベルでしかない。
私はガンになると言われて
ちょこちょこ切り取った部分もありますが
必要なかったのですね。
ガンじゃなくてもよんでおいた方よい
医療界のこわい常識もたくさん載っています。
Posted by ブクログ
がん(病気)とは闘うものだという日本人の
社会通念。そのために辛いだけで効果のない
治療を強いられる、がん治療。
慶応大学病院・放射線科医師、近藤誠が闘わない、がんとのつき合い方、がん治療の真実を知ることが損をしないで対処出来ることを訴える。当時、この本の出現はセンセーショナルで
医療界が激震した伝説の一冊。
Posted by ブクログ
がんを早期発見できれば治療できる、というのは人間の傲慢かもしれない。著者曰く、治療可能ながんは限られている。現代の日本の医療では、治療の一環で身体の部位を余分に切り取りすぎている。放射線治療を使わなさすぎで、使ったとしても照射しすぎだそう。放射線は遺伝子を変化させるため、がん細胞だけでなく健康な遺伝子までも影響を与えてしまう。我々が闘っているのはがんではなく、抗がん剤の副作用や手術の合併症、後遺症と戦っているのでは、と著者は言う。例として胃がんを早期発見した場合、胃を切り取って残りの生涯をチューブで暮らすか、経過観察にとどめて死ぬまで自分の胃で食事を楽しむか。本書を読んだ今、私なら迷いなく後者を選択する。
現代は「がん発見=治療を行う」という思考が一般的になってしまっているが、著者の言うとおり、発想の転換が必要な時期に来ているのかもしれない。治療を行うことで満足感や多少の希望は抱ける。しかし、がんは老化現象であると受け入れることができれば、莫大な資金を投じ苦しい治療を続けて命を落とさなくて済む。がんでなくても自然寿命で人はいつか死ぬのだから。
以下、本書より抜粋。
「抗がん剤でこれまで生存率が目覚ましく向上したものには、急性白血病悪性リンパ腫、子どものがん、睾丸腫瘍、子宮の絨毛腫瘍があります。乳がんも抗がん剤で生存率が向上しますが、急性白血病などほどには目覚ましくなく、他の臓器にはっきりした転移がない場合に限られます。それ以外のもの、つまり胃がん、肺がん、子宮がんなどでは、抗がん剤が生存率を向上させる証明はありません。」
Posted by ブクログ
ずいぶん前に読んだ本でしたが、私の病気(がん)に対する見方が大きく変わった1冊です。
内容には賛否両論ありますが、乱暴に言えば、がんを摘出して長く不自由な余生を送るか、それとも放置して短いが今まで通りのクオリティオブライフを維持するかの究極の選択論争のような気がします。
彼の主張を一方的に批判する前に、一度は読んでみてほしいと心から思います。