あらすじ
「電子版まえがき」を加筆し、新装カバーとなって待望の電子書籍化!
恋愛こそが芸術!
人が、誰かに恋をし、誰かを愛する時、そこにはその人の美学と人間観が結晶しています。
本書は、美術史を彩る絵画や彫刻の名品を、芸術家の恋愛体験で読み解く画期的な一冊。
モディリアーニの妻ジャンヌの悲恋伝説の真相、
巨匠ロダンとの狂気の恋に身を滅ぼしたカミーユ・クローデルの悲劇、
性の帝王として君臨した巨匠ピカソ晩年の自画像にひそむ地獄図絵、
ルノワール描く美の聖地モンマルトルの青春、
ドガ描く近代都市の泥沼の恋愛などなど……。
傑作の背景に渦巻く、恋愛の歓喜と苦悩、恍惚と絶望のドラマは、
それぞれ一編の短編小説のように読者を興奮と感動に誘うことでしょう。
あまりにドラマティックな芸術家達の、悲恋・純愛・狂恋の人間模様を通して
美術史上に残る傑作の数々の見方と読み解き方がスリリングに明かされていきます。
画家の恋に名画の秘密を見出し、愛のドラマに人間の生き方を学ぶ名画鑑賞ガイドです。
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Posted by ブクログ
ひとりひとりの芸術家に焦点を当て、物語が展開してゆくのだが、いつの間にか最初の話は後半に取り上げられた作家の作品の影響を受けていたことが分かり・・・という重層的な構成になっている。
「美」を求めるひとの根源とは何か、という答えを芸術家たちが直面した様々な局面(酷かったり、陽気だったり、業としか言えないような苦いものだったり)を集め合わせ、その重なり合いによってひとつの振動となって読者の胸を打つ。
ルノアールの「初恋の相手」の物語りは本当に素晴らしい。
----僕、この絵好きだ---
その純粋な気持ちの裏にまるで運命としか言いようのない歴史があったなんて!
やはり美神は存在するし、その顕現を目指して人は美を求めるのだろう。
手元に置いて、なん度も読み返したい一冊。