【感想・ネタバレ】大黒屋光太夫(上)のレビュー

あらすじ

天明2年(1782)、伊勢白子浦を出帆した回米船・神昌丸は遠州灘で暴風雨に遭遇、舵を失い、七カ月後にアリューシャンの小島に漂着した。沖船頭・光太夫ら十七人の一行は、飢えと寒さに次々と倒れる。ロシア政府の意向で呼び寄せられたシベリアのイルクーツクでは、生存者はわずかに五人。熱い望郷の思いと、帰国への不屈の意志を貫いて、女帝エカテリナに帰国を請願するが……。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「凄まじい」の一言。江戸中期に紀州から江戸を目指した商船が暴風雨に巻き込まれ、アリューシャン列島まで漂流した後、ロシア人に助けられる。その後、帰国の願いを訴え続けるが、鎖国下の日本との交渉役に仕立てたいロシアとしてはなかなか許さない。時の女王エカテリナの許しを得てようやく帰国したのは、紀州を出発してから10年の歳月が経ち、17名の船員のうち、帰国できたのは3名だった。航海技術も海図も不十分、海外に出るなんて夢にも思わない、言語も慣習も何も情報がない、栄養状態も医療技術も現代とは全く異なる状況で、10年間も帰国の望みを持ち続け、ロシア人と日本人の双方から賞賛される態度をとり続けた主人公に大きな感銘を受ける作品。

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2019年04月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

鈴鹿から出航し,暴風雨のために半年以上も漂流したあげくにアリューシャン列島に漂着.その後,数年を経て島を脱出,カムチャッカ,オホーツク,ヤクーツク,イルクーツクまで移動.光太夫とその仲間は,次々と斃れ,帰国の目処も全く立たない,というところまでが上巻.
大黒屋光太夫の話は実話だが,本書も比較的淡々と話が進み,脚色部分は少ないと思われる.下巻が楽しみ.

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2015年12月27日

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