【感想・ネタバレ】AI時代になぜ英語を学ぶのかのレビュー

あらすじ

【「AIでよくない?」と思っているあなたに】

言語学で考える
「英語を学ぶ」とはどういうことか

AIで翻訳も通訳もできるこの時代。英語力は必要だけど、もう勉強する必要なくない? AIでよくない? ――そんな疑問が出てくるのは当然だろう。しかし、ことばが持つ機能はコミュニケーションの道具としてだけではない。忘れてならないのは、ことばは思考の道具でもあるということだ。もしそれが、私たちのものの見方や世界の捉え方を形作っているとしたら。

今後AIがいかに発展しようとも決して失われない、英語を、外国語を学ぶ意義とは。本書は「認知言語学」に基づき、言語と思考、言語と文化に焦点を当てながら、ことばの興味深い側面を見ていく。

●目次
はじめに
第一章「再興バベルの塔」
第二章「ことばは心を映す鏡」
第三章「話すために考える」
第四章「過程を重視する日本語文化」
第五章「情に心を寄せる日本文化」
第六章「自己中心的な日本語文化」
第七章「AI時代だからこそ外国語教育を」
おわりに

本書のトピック
→ 容疑者は「男」で、被害者は「男性」
→「回らない寿司」における概念基層
→「週休二日」と "five-day workweek"
→ ウサギ・アヒルの図、恒常仮定の罠
→ 風呂上がりのタオル 「拭く」か "dry" か
→『雪国』冒頭部の日・英語間の違い
etc.

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Posted by ブクログ

ネタバレ

非常に気になるテーマであり、興味深い内容だった。英語文化と日本文化の違いも言語から読み取れるのは面白い。

第六章では「とにかく明るい安村」がイギリスでブレイクしたネタにも触れ、イギリス人の観客が「パンツ!」という理由もよくわかった。

以下、印象に残った内容
・言語学習を通して理解が可能な「不可視的文化」
・日本語は事態内視点、英語は事態外視点の傾向
・ことばはコミュニケーションの道具と同時に思考の道具
・言語を英語に統一してしまえばコミュニケーションは取りやすくなるが、思考の「多様性」は失われてしまう

という訳で、これからも英語は勉強しなくてはいけないようです!

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2025年11月29日

Posted by ブクログ

日本語と英語の違いは、ただの言葉の違いだけでなく、歴史や文化も大きく影響している。
例えば、島国である日本では個人よりも集団で動くことが美徳とされたため、他者を慮ることに長けている。したがって、主語を省略しても通じることが多い。「安心してください、履いてますよ」がその例だ。
しかし、英語を第一言語とする国では多様性が当たり前である。だから自分が、私は、と自分を主張しないといけない。例にあったWe don’t call 911.も、直訳すると「私たちは警察を呼びません」一見、「だから何?」で終わってしまう文章だ。
だが、アメリカの広大な領土から警察を呼んでもすぐに来ない、だから自分の身は守るべきだという文化的背景があってのWe don’t call 911だとわかると、言語を学習する上で、文化や、その言語の話者が何に注目して文章を作るかが大事だとわかる。
AIの時代によって英語学習の必要性がなくなることはない。また、Chat GPTなどでスピーキングの練習もできるからこれまで以上に英語話者は増える。だからこそ、話す以外の英語の側面も楽しめる時代が来るということだ。

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2025年11月26日

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