あらすじ
2023年本屋大賞翻訳小説部門第1位
自称無法者の少女ダッチェスが住む町に帰ってきた30年前の事件の加害者。彼の帰還は、ダッチェスを苛烈な運命へ巻き込んでいく。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
クリス・ウィタカー『われら闇より天を見る 上』ハヤカワ文庫。
2023年本屋大賞翻訳小説部門第1位を始め、各ミステリーランキングで1位を獲得した作品の文庫化。
読んでみたが、そこまで評価が高いかなと首をひねるばかり。
ストーリーは至って単純なのだが、なかなか全貌は描かれず、小出し小出しで少しずつ過去の事件や人間模様が描かれる。
恐らく30年前の事件で、主要人物の1人であるダッチェスの母親の妹のシシーを殺害したのは、もう1人の主要人物であるウォークの幼なじみであるヴィンセントであった推測されるのだが、判然としない。
また、ダッチェスと弟のロビンの父親は誰なのか、これも謎のままにゆっくりとストーリーは進行していく。
アメリカのカリフォルニア州の海沿いの町ケープ・ヘブン。住民の誰もが互いに顔見知りということもあり、30年前に1人の少女が命を落とした事件が町全体に暗い影を落としていた。
『無法者』と自称しながら、虚勢を張る13歳のダッチェス・デイ・ラドリーは30年前の事件から立ち上がれずに酒とドラッグに溺れる母親のスターと幼い弟のロビンと共に世の理不尽に抗いながら懸命に日々を送っていた。
一方、町の警察署長ウォークは、30年前の事件で親友のヴィンセント・キングが逮捕されるに至った証言を未だに悔いており、過去に囚われたまま生きていた。
そんな中都合30年の刑期を終えたヴィンセントが町に帰還すると、かりそめの平穏を乱し、ダッチェスとウォークを巻き込んでいく。そして、ダッチェスの母親のスターが何者かに暴行を受け、射殺されるという悲劇が起きる。
スター殺害の容疑でヴィンセントは逮捕され、ダッチェスとロビンはモンタナ州に住む母方の祖父のハルに引き取られる。
本体価格1,100円
★★★★